
元読売ジャイアンツのデーブ大久保(大久保博元)氏が10日、元千葉ロッテマリーンズ選手で元福岡ソフトバンクホークス取締役・小林至氏のYouTube「小林至のマネーボール」に出演。今年の巨人が優勝できなかった理由を分析した。
■今季の巨人をどう見た?小林氏から70勝69敗4分の3位に終わった今季の巨人をどう思うか質問された大久保氏は「起きちゃいけない成績ですよね、 1個しか勝ち越してないなんて」とバッサリ。
昨年オフ、ライデル・マルティネスを高額な年俸で補強したことに触れ、「それで負けちゃダメなんです。阪神が強かったんじゃなくて、巨人が勝てなかった。弱いとは言わないけど勝てなかった」と指摘する。
また、スコアラーに教えてもらったというデータを見ながら、「投打走守、全部に課題がある。打撃と守備が全く噛み合っていない1年だった」と語った。
関連記事:デーブ大久保氏、巨人の“ぶっちぎり優勝”を予想する理由を告白 「止められるチームは…」
■勝てない理由を分析巨人が勝てない理由には「チーム打率がリーグトップなのに、得点、得点圏打率は3位。走塁が下手だったと結論付けても良い。岡本和真選手の(怪我による)離脱が最大の誤算ではあったんですけど、得点の攻撃パターンが少なすぎる」と指摘。
そして「おそらく他チームのベンチからの指示というのは、『シングルヒットはいいよ、動いてこれないから』『ヒットはいいんだよ』って。『ホームランもソロならオッケー』」と分析する。
話を聞いた元ロッテ投手の小林氏は「そうなるとピッチャーは楽ですね」とつぶやいた。
関連記事:デーブ大久保氏、セントラルリーグの優勝チームを予想 「阪神の連覇は…」
■スモールベースボールに活路?来季以降、巨人がどうするべきかという小林氏の質問に大久保氏は、「まず守備、大事なのは守備。あとは攻撃パターンを増やす。岡本の代わりがいないんだから。そうなると作戦でランエンドヒットをやる」となどと提言する。
小林氏が「じゃあ来季のジャイアンツは、守り勝つ野球。スモールベースボールに期待?」とつぶやくと、大久保氏は大きく頷き、ワールドシリーズのロサンゼルス・ドジャースなどの例を出してチームバッティングの重要性を力説していた。
関連記事:デーブ大久保氏、読売ジャイアンツ・岡本和真に苦言 「チャンスで打てなかった」
■長打力ベースとした野球を展開巨人は本拠地が東京ドームになった1988年以降、長打力をベースとした野球を展開してきた。
4番は原辰徳氏、落合博満氏、松井秀喜氏、清原和博氏、阿部慎之助監督、岡本和真とつねにホームランを打てる選手が名を連ね、空中戦で相手を圧倒。
とくに第二次長嶋茂雄監督時代には、逆指名ドラフトやFAで獲得した大砲やロベルト・ペタジーニ、タフィ・ローズなど外国人選手も揃っていた。
関連記事:デーブ大久保氏、甲斐拓也のFA移籍に伴う人的補償選手を独自予想 「彼は腐らない人間」
■岡本の離脱でピンチに近年は4番に岡本が座りチームを引っ張ってきたが、今季は怪我で長期離脱。さらに今オフのMLB移籍が確実で、チームが大きく変わることになる。
現状、浅野翔吾や石塚裕惺、移籍のリチャードなどに「岡本の代わり」として期待が集まるが、時間がかかりそうな状況。かつてのように他球団からFAで4番を獲得することもできていない。
来年以降は未来の4番打者を育成しつつ、機動力と守り勝つ野球で優勝を目指していくものと思われる。
【今回の動画】大久保氏が巨人が勝てなかった理由を語る■執筆者プロフィール佐藤俊治。Sirabeeには2015年11月から参画し、月40本程度プロ野球関連記事を執筆中。YouTubeで発信する野球評論家ウォッチャーでもある。野球は高校からメジャーまで年間50か所以上で現地観戦。プロ野球の贔屓チームはなく、どこのチームのファンでもない。「あの選手、あそこに行ったんだ」という目線で見守っている。
(文/Sirabee 編集部・佐藤 俊治)