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【伊達公子】全豪オープンプレビュー。女子はサバレンカの仕上がり具合と若手に注目<SMASH>

【伊達公子】全豪オープンプレビュー。女子はサバレンカの仕上がり具合と若手に注目<SMASH>

まだ2025年ですが、年が明ければすぐにシーズンが開幕し、最初のグランドスラムである全豪オープンテニスが始まります。少し早いですが、全豪オープンについてです。

 まずは女子から。シーズン最初のグランドスラムですから、現在ランキング1位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)が、どういう状態で入ってくるかは興味深い点です。オフシーズンの仕上がり具合によって、この1年が見えてくる部分もあります。

 まず私が見るところはフィジカルです。テニスはオフシーズンのように試合から離れる時間があると、感覚を戻すのに少し時間がかかります。そんな時に、フィジカルがしっかりとしていれば、その差が埋まりやすいのです。逆にフィジカルがないとテニスの調子が良くても続きません。

 サバレンカの強みは、どんな状況でも攻める姿勢を崩さないところです。2025年はストロークの攻撃の中にネットプレーなどの変化を入れてポイントを取っていました。この新しく加えたプレーのクオリティーが上がってくれば、さらに強くなります。その進化を全豪オープンで見られれば、1強時代になる可能性も出てくるでしょう。

 注目すると面白そうな選手はカナダの19歳、ビクトリア・エムボコ。2025年後半に2大会で優勝し、ランキングを18位にまで上げました。この結果が土台となって成長しそうな気配を感じます。

 彼女はパワーと適応力があり、良いサービスも持っていて、まだ発展途上です。サーフェスに関係なく力を発揮できるタイプでしょう。良いスタートが切れれば大爆発できそうなので注目です。
  若手という点でいえば、13位のリンダ・ノスコワ(チェコ)が、3位のココ・ガウフ(アメリカ)と同じ21歳です。少し地味であまり注目されませんが、安定したプレーをします。大番狂わせはないかもしれませんが、しっかり勝ち上がってきそうです。

 2025年に出産から復帰したベリンダ・ベンチッチ(スイス)は、11位にまでランキングを上げてきていますし、上位に来てもおかしくありません。私は現在のサーフェスであるグリーンセットでプレーしたことがないので正確にはわかりませんが、ハードコートとは相性が良かったです。彼女もライジングで打つので、プレースタイル的に合っていると思います。

 大坂なおみ選手は、全豪オープンに2度優勝していて相性がいいですし、良いスタートが切れれば上に行けるでしょう。ドロー次第ではありますが、現在16位でシードが付きます。序盤でシード選手と当たらないため、今までよりも戦いやすくなるのは間違いありません。

 残念なのは、2025年に活躍が期待された19歳の齋藤咲良選手と20歳の石井さやか選手が予選に入れそうなランキングにいないことです。故障などもあったとは思いますが、やはり日本テニス界は、ジュニアからプロに移行する時のスピードアップの方法にどう取り組むのかが大きな課題だと改めて感じます。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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配信元: THE DIGEST

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