12月10日にスタートしたスーパーフォーミュラの合同・ルーキーテストで最大の注目株のひとり、カッレ・ロバンペラは体調不良によって2日目以降の走行を見送ることとなった。そのロバンペラが記者団の取材に応じ、その症状などについて語った。
2度のWRC(世界ラリー選手権)王者というラリー界での輝かしい実績を持ちながら、来季よりサーキットレースに本格転向するロバンペラ。その転向1年目から、F1の次に速いと言われるスーパーフォーミュラにフル参戦することになっているが、彼はそれに向けて今回の鈴鹿テストで3日間走り、マシンへの順応を進めていく構えだった。
しかしロバンペラは初日午前のセッションを終えた後に体調不良を訴えると、同日午後のセッションを出走キャンセル。したがって2日目、3日目も出走しないことがアナウンスされた。
チームのリリースでは、ロバンペラには“発作性頭位めまい症”の症状が出ていたと説明されていたが、ロバンペラ本人がその症状について改めて語った。
「昨日の昼過ぎから、バランス感覚と視界に問題が出はじめた。ドクターのところに行ってBPPV(発作性頭位めまい症)だと言われ、これ以上乗らないように言われた」
「まだ平衡感覚が戻っていないから、今週中はマシンに乗ってはいけないとのことだ。突然動いたりしてもクラクラするし、ベッドに寝ている時もそうなったりする。だから残念だけど乗ることはできない」
「もちろん症状がなくなれば乗れるわけだけど、今は症状が出ているからね。僕は急に体調が良くなることも考えてここには残るつもりだ」
「そうなれば明日の朝乗る可能性も少しはあるけど、もちろん推奨はされてない。少なくとも、今週中は走らないよう言われている」
また、これまで同様の症状に見舞われたことはあるかと尋ねられたロバンペラは、全く初めてのことだったと話した。
「こんな症状が出たことは一度もなかった。だから少し驚いた」
「でも、どうやら誰にとってもいつでも起こり得る症状のようだ。だからこのタイミングで起きたのはアンラッキーだったね」
初日午前中のセッションでは、KCMG8号車のエンジニアリングを担当するハイテックTGR主導の下、空力のチェック走行に専念したロバンペラ。フルプッシュの周回をすることなく、トップと7秒落ちのタイムでセッションを終えた。ロバンペラもスーパーフォーミュラのマシンは「とても速くて楽しめた」としつつ、「このクルマのフルのポテンシャルを感じきれなかったから、次が楽しみだ」と述べた。

