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「これ以上落ちることはないし、ある意味いいスタート」ドラフト育成4位からの成り上がりを目指すオリックス・渡邊一生の決意【オリ熱コラム2025】

「これ以上落ちることはないし、ある意味いいスタート」ドラフト育成4位からの成り上がりを目指すオリックス・渡邊一生の決意【オリ熱コラム2025】

11月28日に行われたオリックスの新入団会見で、育成4位指名の左腕・渡邊一生は「004」のユニフォームに袖を通し、力強い言葉を語った。

「実際ユニフォームに袖を通してみていい経験ができました。逆に育成から始まったので、これ以上落ちることないと思いますし、ある意味いいスタートなんじゃないかなって。"初心を忘れない"。やっぱりこの3桁(004)の数字のユニフォームっていうのは、確かにこれから先もずっと自分の中に残るものだと思うので、その点も踏まえてしっかりやっていきたいと思います」

 表情に悔しさはなく、堂々とした燃え上がる気迫が漂っていた。

 とはいえ、ここまでの道のりは平坦ではない。ドラフト上位候補と言われ、本人も「1位で指名されたい」という思いを胸に過ごした仙台大時代。長い待ち時間の末、オリックス最後の最後、育成4位指名で名前を呼ばれた。

「安心もそうですし、とりあえず呼ばれて良かったっていうのと、4年間頑張ってきたものとか思い出が、フラッシュバックしたっていうか、そういうのもあって」

 指名後は涙を流しながら会見に挑んだ。「育成4位という順位ではあったんですけど、まず指名されたことの安心感っていうのがすごいあったので、それも含めて頑張っていきたい」。不安と安心感、彼の等身大の"実感"が出た指名会見だった。 大学では故障と手術に苦しんだ。3年生の11月には、左肘のクリーニング手術と胸郭出口症候群の手術を同時に実施。第一肋骨切除も含む大手術は5時間に及んだ。4年時には肩痛にも襲われた。

「春終わったあたりぐらいから痛くなって、そこから治らず(リーグ戦)最後まで行ってしまった」と振り返る。それでも今は「まったく問題ないです。今は良くなっているんですけど、逆に良くなってるからこそ、一旦落ち着かせて、自分の中でいったん線引きして、ゆっくりゆっくり」。無理にギアを上げず、焦らずに身体と向き合う姿勢を見せる。

 特殊な経歴も彼を形づくった大きな要素だ。日大藤沢高を2年秋で中退し、野球に集中するため通信制の日本航空高へ。クラブチーム・BBCスカイホークス(現GXAスカイホークス)で腕を磨いた。

「自分で考えて練習できるっていう点も含めてそうですし。基本的に自分で考えることができてるので、すごいいいことなのかなと」。ハキハキ話す言葉には、型にはまらない行動力と、自己判断で道を切り拓いてきた"強さ"がにじむ。

 投手としての魅力は確かなものだ。ストレートの最速は153キロ。アベレージ148キロの球威に、同じ腕の振りから投げ込む落差のあるチェンジアップが最大の武器。スライダー、カーブ、スプリットと変化球も多彩だ。

「150キロ投げられる投手としては変わらずやっていきたいと思っているんですけど、伸ばしていきたいのはよりチームに貢献できるように、コントロールを磨いていきたいです。調子がいい時にコーナーに投げれるっていうのはいいんですけど、アマチュア相手とプロ野球選手相手にコーナー投げるのはまったく別物だと思っているので」 さらに磨きたい球種については明確だった。「ストレートとカーブをより磨いていきたいなと思ってます。チェンジアップはもともと自信があるので。逆に自信はあったんですけど、第1球種になれるようなボールではなかったので、ストレート、カーブを一級品に磨いて一軍の舞台で活躍できるように」。自分の課題を見つめながら、己の武器を磨く。

 身長172cm。プロでは大柄とは言えないが、同じ左腕で171cmのオリックスのエース宮城大弥の存在は大きい。「宮城選手を近くで見る機会がたくさんあると思うので、そういうところでいろいろ吸収していきたいと思ってます」

 そして、こう続けた。

「一日でも早く支配下登録されて、身長の低い野球少年たちに希望を与えられる、そんな選手になれるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」

 同じ仙台大の先輩・宇田川優希とは面識がある。「仙台の方に(宇田川が)来た時にちょっとだけ話したことはあります。本当にちゃんとした会話はしてないので、オリックスに入ってからもう1回しっかり話していきたいなと思っています」
  仙台大には「育成から支配下」の成功例が多い。「仙台大のジンクスで、育成から行った選手が活躍してるっていうのがあるので。それに続けるようにしっかりと1日1日大切にしながら練習していきたいと思います」

 宇田川はもちろん、現オリックススカウトの佐野如一、ソフトバンクの大関友久、川村友斗など、苦労を乗り越えた先輩たちが道を示している。「心強いですし、同じように来年以降の仙台大の後輩の希望になれるように」

 地道に、一歩ずつ。投手育成に定評のあるオリックスで渡邉一生が支配下選手としてマウンドに上がる日は遠くはない――そう思わせてくれる堂々とした立ち振る舞いの入団会見だった。「身長の低い野球少年たちに希望を与えられる」。その言葉通りの投球を期待したい。

文・写真●野口航志

【著者プロフィール】
ノグチコウジ。 1984年、神戸市生まれ。岡山大学卒業。記者とカメラマンの『二刀流』。プロ野球を中心に、社会人野球やプロレス・ボクシングなどの取材や撮影に携わる。ブレーブス時代からのオリックスファン。


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配信元: THE DIGEST

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