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上田麗奈×石川由依「一緒にいても恥ずかしくない自分でいたい」お互いの第一印象についても語る<私を喰べたい、ひとでなし>

上田麗奈×石川由依「一緒にいても恥ずかしくない自分でいたい」お互いの第一印象についても語る<私を喰べたい、ひとでなし>

TVアニメ「私を喰べたい、ひとでなし」で声優を務める上田麗奈、石川由依
TVアニメ「私を喰べたい、ひとでなし」で声優を務める上田麗奈、石川由依 / 撮影=山田健史

「電撃マオウ」(KADOKAWA)にて2020年から連載中の漫画「私を喰べたい、ひとでなし」は2025年10月よりTVアニメが放送中(毎週木曜夜11:30-12:00、TOKYO MXほか/ABEMA・dアニメストア・U-NEXT・Lenimoほかで配信)。本作では、過去の出来事から死を望む八百歳比名子と彼女の血肉を求める人魚・近江汐莉の出会いや交流が描かれている。今回WEBザテレビジョンでは、八百歳比名子役の上田麗奈と近江汐莉役の石川由依にインタビューを実施。収録時のエピソードや、過去に共演経験があるおふたりの第一印象について話を伺った。

■「軽い気持ちで演じられない」生死をテーマにしている作品だからこその思い

――おふたりは出演にあたり、オーディションを受けたと聞いています。オーディションでのエピソードや、役を演じることが決まったときの感想を教えてください。

上田麗奈(以下、上田):オーディションでは比名子の内面にふれるシーンを収録したので、かなりしんどかった記憶があります。彼女の心情を汲み取りつつ、視聴者に間違いなく届けられるのかという不安や緊張もありました。役が決まったときは単純にうれしい、楽しみという気持ちだけではなく、しっかり比名子と向き合わなければいけないと改めて実感しました。

石川由依(以下、石川):やはりテーマやストーリーを考えると軽い気持ちで演じられないなというのは私も感じていました。作品特有の仄暗さに魅力を感じていたので、どう演じられるだろうかと思う反面、やりがいがすごくありそうだなと思っていました。出演が決まったときは、信頼を寄せている2人(上田さん、ファイルーズあいさん)とどんな風に会話劇を作っていけるのかという点も楽しみでした。
「私を喰べたい、ひとでなし」より
「私を喰べたい、ひとでなし」より / (C)2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会


――原作漫画を読んでみて、いかがでしたか?

上田:シリアスさやコミカルさ、そしてホラー要素もあったり…と、色々な要素が組み合わさっているので、とても見応えがあり素敵だなという印象でした。この作品は死生観を取り扱っていることもあり、胸が苦しくなるような気持ちで読んでいたのですが、比名子と汐莉の関係にはどこか美しさがあって、そこも魅力的だと思っていましたね。

石川:海の底にいるような重さと幻想的な美しさがあり、読んでいて居心地のよさを感じました。あとは比名子、汐莉、美胡といった3人の対話がとても重要になってくる作品だなと思いましたね。それぞれの思いの強さや歪な関係性に尊さを感じましたし、どこか不思議な気持ちになりました。
「私を喰べたい、ひとでなし」より
「私を喰べたい、ひとでなし」より / (C)2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会


――おふたりが演じているキャラクターの印象を教えてください。

上田:比名子は心の奥で「死にたい」と願っていて、すごく印象に残るキャラクターだと思います。恨みや悲しみ、怒りのような強い感情を持ち合わせているわけではなく、その気力すらなくなっている状態なので、深くて静かなところに沈んでしまっているようなイメージを抱いていました。

そんな彼女ですが、誰かと話しているときは、その人と波長を合わせているようにも見えるんですよ。なるべく人の気持ちに寄り添い、自分以外の人を優先して行動してしまう……。そのバランス感は比名子ならではだと思いました。
「私を喰べたい、ひとでなし」より
「私を喰べたい、ひとでなし」より / (C)2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会


石川:汐莉は“すごく不思議な空気をまとっている子”という印象があって。どこか見透かしているような雰囲気や強引さはあるんですけど、そのなかにも優しい一面があったり、“捉えきれない人”というイメージが強いですね。作中でも真剣に話しているかと思ったら、ときにははしゃいだりと、そのギャップはかなり意識して演じていました。

あとは比名子に「この人だったら私の願いを叶えてくれるかも」といった説得力を持たせなきゃと思っていたので、心の奥底にある“比名子に対しての思いの強さ”といった部分も踏まえて収録に臨んでいましたね。

――比名子の親友である社 美胡は、ファイルーズあいさんが演じています。明るさや元気さが印象的なキャラクターですが、一緒に収録してみていかがでしたか?

上田:比名子が曇り空だとすると、美胡に関しては真逆というか、明るい太陽のような子なんですよね。一緒に話しているだけでその場の空気が明るくなりますし、比名子を演じているときも美胡の前では、力が抜けてホッとするような感覚があります。そんな美胡をファイちゃん(ファイルーズさん)が演じることで、頼もしさがより感じられますし、安心して身を委ねていけそうな強さが素敵だなって。

彼女の持つ“強さ”は先の話にも関わってくる大きなポイントだと思うので、そのことも含めて心に残るような収録でした。
「私を喰べたい、ひとでなし」より
「私を喰べたい、ひとでなし」より / (C)2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会


石川:美胡は比名子を現世に留めておいてくれる存在で、彼女がいるからこそ比名子もこの世界でやっていけている気がしますし、うえしゃま(上田さん)と同じく“太陽のような子”というイメージですね。あとファイちゃん(ファイルーズさん)の声の魅力って、底抜けの明るさだと思うんですよ。そんな彼女の演技によって、作品自体の明るさやバランスも良くなっているように感じました。

美胡については明るさだけでなく、強さやカッコよさも徐々に見えてくるキャラクターなので、ファイちゃんが声を吹き込むことによって、彼女の人柄がより鮮明になっているような気がします。

■アフレコ時の和やかエピソードも「現場を明るくしてくれました」
上田麗奈
上田麗奈 / 撮影=山田健史


――収録時の印象に残っているエピソードを教えてください。

上田:ファイちゃんが家からお菓子をたくさん持ってきて、配ってくれたのを覚えています。あと「友情の証!」と言って、ハンドクリームも貰いました。

石川:ハンドクリームは香りがいくつかあって迷っていたら、「じゃあ私の印象で選ぶね!」って、それぞれに合ったものをプレゼントしてくれたんですよね。

――まさに美胡のような存在になっていたということですね。

石川:そうですね。現場を明るくしてくれました。
石川由依
石川由依 / 撮影=山田健史


――おふたりは過去に共演経験もあると思うのですが、はじめてお会いしたときの印象は?

上田:私は小さい頃から“なんでもできる大人っぽいお姉さん”に憧れていて、そういうキャラクターも好きになりがちだったんですけど、自分はそういう人になれないと思って過ごしてきました。そんなときに出会ったのが由依さんで、まさに私が憧れを抱くお姉さんそのものだったこともあり、ドキッとしたのを覚えています。

実際にお話すると穏やかな海って感じだし、自分を持っているところがとても素敵で。私も背伸びをしないで、由依さんと一緒にいれるようになりたいと思わされるような雰囲気を勝手ながら感じていました(笑)。

石川:私は人のことをすぐに覚えられるタイプではないのですが、うえしゃまには何か惹きつけられるものがあって。とある作品の打ち上げ会場で、景色を見ながら音響監督さんとお話しているところを目撃したときには、彼女の純粋さを感じました。たくさん人がいるなかで、景色に目を向けて感想を人に伝えられるのって素敵だなと思いましたし、お仕事でご一緒させていただいたときも話しやすく、うえしゃまの前では素直になれました。

自分のなかで素敵だと思ったことを出していける子なんだろうなって思っていますし、私への印象を聞いて、一緒にいても恥ずかしくない自分でいたいなと思いました。

◆取材・文=渡辺美咲
上田麗奈×石川由依
上田麗奈×石川由依 / 撮影=山田健史

「私を喰べたい、ひとでなし」キービジュアル
「私を喰べたい、ひとでなし」キービジュアル / (C)2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会


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