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広瀬香美、i-dle・MIYEONほかグローバルオーディション「VEILED MUSICIAN JAPAN」の審査員にインタビュー

広瀬香美、i-dle・MIYEONほかグローバルオーディション「VEILED MUSICIAN JAPAN」の審査員にインタビュー

「VEILED MUSICIAN」ファイナルは、12月18日(木)、TOKYO MXにて放送
「VEILED MUSICIAN」ファイナルは、12月18日(木)、TOKYO MXにて放送 / (C)TOKYO MX

TOKYO MXにて放送中の、アジア9カ国で展開するグローバルオーディションの日本予選「VEILED MUSICIAN JAPAN」(毎週木曜夜9:25-9:54)が、12月18日(木)にいよいよ最終回を迎え、韓国で開催される「ベイルドカップ」に進出する3名が選ばれる。WEBザテレビジョンでは、審査員を務めた広瀬香美、おしら、Back Kooyoung(ペク・グヨン)、MIYEON(i-dle)に収録後にインタビュー。審査を振り返って想う事や選ばれた3名へのメッセージなどを語ってもらった。

■歌声だけで審査する、実力勝負のオーディション

「VEILED MUSICIAN」は、2018年にYouTubeチャンネル「M:USB」から始まったオーディション番組。韓国での2度の開催を経て、第3回となる今回、グローバルプロジェクトとしてアジアでの展開となった。「ベイルドカップ」では、アジア9ヶ国それぞれから選ばれた“TOP3”達が集結。“アジア最高のボーカル”の称号を目指して、熾烈な戦いを繰り広げる。

審査は、名前・顔・年齢・国籍・経歴などすべてのプロフィールを伏せたまま“歌声と音楽性だけ”で評価。出場者は実力のみで勝負する。審査員に見える彼らの姿はシルエットのみ。ここまで2回の審査を勝ち抜いた7名が“TOP3”を懸けて挑戦する。

今回のファイナルで審査を務めたのは、トップシンガーでボイストレーナーなどでも活躍中の広瀬香美をチーフに、YouTubeチャンネル登録者数218万人のカリスマボイストレーナー・おしら、EXOやJO1ほか数多くのアーティストの振り付けを担当し、「BOYS PLANET」などでもダンスマスターを務めたK-POP界のトップ振付師・ペク・グヨン、ミュージカル「レ・ミゼラブル」に出演するほどの歌唱力を誇るトレンディエンジェルの斎藤司。そして、特別審査員のK-POPグローバルガールズグループ・i-dleのMIYEON、の5名。
緊張感漂うファイナルの審査風景
緊張感漂うファイナルの審査風景 / (C)TOKYO MX


■緊張のファイナル収録

今日がこのオーディションで初めての審査をする斎藤、ミュージシャンとしても活動するMCのふかわりょうがファイナルの審査への意気込みを尋ねると、「今日は厳しく、期待を込めて拝見します」とコメント。「レ・ミゼラブル」のテナルディエ役をオーディションで大勢の中から実力で勝ち抜いて手にした斎藤は、今日はお笑い一切無し。ミュージカル俳優の顔で答えた。同じく、今日が初審査のMIYEONは「私は、そんなに厳しくはしません。仲間として審査したいです」と、どんな参加者が登場するか楽しみな様子で語った。

ファイナルでは審査ルールが変更。2次審査までは、参加者の歌を聴いている途中でも“不合格”だと思ったらボタンを押して目の前のボックスのランプを消し、審査員4名中3名が消したらその時点で即終了=脱落となったが、今回は、最後まで聴いた後に採点。審査員5名の得点の合計が高い3名が“TOP3”となる。
採点に頭を悩ませる審査員たち
採点に頭を悩ませる審査員たち / (C)TOKYO MX


■忖度一切ナシのガチ審査

“TOP3”を目指すファイナリストは「チョコベイビー」「Soul&Sweet」「ニコニコトマト」「Sammy」「Biwol」「笑門来福」「絶対諦めない男」の7名。誰もが渾身の力を込めて最後の審査に臨んだ。

参加者の真剣さに応えるように、審査員も真剣に歌声に耳を傾ける。ファイナルだからと言って高得点ばかりではないのが、この番組の面白いところ。審査員たちはそれぞれの信念に従って忖度無しで採点。その為に大きく点差が開く事も。特に、1次審査の時から開始1小節でボタンを押す事が多々あったチーフ審査員の広瀬は、本日も辛口採点。だが、音程を外した参加者に、「ミスした時の挽回策を考えておかなければ。それも準備」と伝えるなど、厳しい中にも今後の成長につながる有益なアドバイスをして、参加者への愛情を感じさせた。そんな広瀬の親身のアドバイスにMIYEONが大きく頷きながら聞き入る場面もたびたび見られた。

そんなMIYEONは、「厳しくしない」と言っていたが、良い点は誉め、気になったところはハッキリ指摘。真摯に審査と向き合っているのが伝わった。また、おしらは、審査前に「1次2次を経て、どれだけ成長しているかを楽しみにしている」と言っていたように、成長を誉めたり、「これまでのような感動は無かった」とバッサリな感想を告げたりしていた。

ダンスが専門のペク・グヨンは、歌については一般人の感覚で感じたままに審査。時には歌声に感動した様子で集中して聴く様子も見られた。そして、トレエン斎藤は、誰よりも採点に頭を悩ませていた。

全ての歌の審査が終了した後、7名が審査員の前に姿を見せ、本名や年齢など素性を明かした。シルエットと声のイメージとは違う参加者も居て、大いに盛り上がる審査員たち。この時だけは、スタジオ中に張りつめていた緊張感の糸が緩み、誰もがリラックスして、笑顔を見せていた。

だが、そんななごやかな空気はつかの間。ついに“TOP3”が発表された。韓国での「ベイルドカップ」でアジア各国の代表たちと戦う3名は誰なのか。放送を見て、ぜひ確かめてほしい。
高い歌唱力の歌声に笑顔を見せるペク・グヨンとMIYEON(i-dle)
高い歌唱力の歌声に笑顔を見せるペク・グヨンとMIYEON(i-dle) / (C)TOKYO MX



■チーフ審査員・広瀬香美「将来一緒のステージに立てるようなアーティストに育ってほしい」

――最終審査は、いかがでしたか?

緊張しました。素晴らしい3名を送り出すことができて、ようやくホッとしています。(韓国でも)頑張ってくれると思います。

――審査員というのは、視聴者からもその評価や採点が審査されてしまう部分があるので、難しいところがあるのでは…と思ったんですが。

おっしゃる通りです。私も襟を正して、初心に戻ってお稽古をもう一回再開しなければならないなと、今回チーフ審査員をさせていただいて再確認しました。

――同じ実力の2人が居て、どちらかを選ばなければならない場合、広瀬さんは何を重視して選びますか?

私はプロなので、その人の練習量が見えるんです。だから、才能があって上手な人と、練習量が見えて上手な人が同じ点数だとしたら、私は後者の、しっかり毎日コツコツと練習してるな、積み上げた結果だな、と感じた方を選びますね。

――努力は裏切らない、と。

はい。そちらの方が本番で勝つ可能性が高いと思います。それと、最低限の“オーディション対策”も必要です。受験と同じなんですよね。参加者は「聴け!」という感じでいきたいと思うんですけれども、やはり審査員たちは減点方式というか、音程が狂ってしまうと、いい声でも通しにくいんですよ。緊張の中でも自分の良いところを出さなくてはいけない…オーディションのつらいところですよね。でも、そこをくぐり抜けていかないとプロにはなれないと思うので。私も30何年も前ですけども、こういう事やってきたんだな、と思うと、早めに通ってきてよかったな、と(笑)。今だったら通らない(笑)。

――広瀬さんは、参加者を素人ではなくて、プロとして見て審査されてたな、と感じました。

はい。今回選ばれた3名が韓国で勝ち残る為に、できる限りのアドバイスを受け入れてくださるのであれば…と思いながら、一生懸命自分なりに審査したつもりです。勝ってほしいですね。そして、将来一緒のステージに立てるように。そんなアーティストに育ってくれたらいいなと思います。
チーフ審査員を務めた広瀬香美
チーフ審査員を務めた広瀬香美 / (C)TOKYO MX


■おしら「(韓国では)“パワフルさ”が壁になる可能性も」

――ファイナルの審査は、いかがでしたか?

これまで1次、2次、と審査させていただいていたんで、変化を楽しみにしてた部分があったんですけど、今日はこれまで下位で通過してた方がすごく良くなってて、逆に今まで上位だった方々は、ちょっと迷子気味だったような印象を受けました。もちろん皆さん素晴らしいシンガーであることは間違いないんですけど。

――そうなった理由は、何でしょう?

上位の人は、審査中、「素晴らしいですね!」で終わっちゃって、アドバイス受けられないから、その次の段階でどうしたらいいのかわかんなくなっちゃうんですよね。

――顔も何もかも隠してるから、接触は審査の時だけで、後からアドバイスはできないんですね?

そうなんです。だから、下位の人は「あそこは…」「ここが…」と審査員に言われるから、フィードバックを受ける量が全然違うんです。そんな事も理由の1つかもしれません。良い評価の人は、自分の力でより良いものを出していかなきゃいけないし、ハードルも上がってくるので、ラウンドを重ねていくごとに、上位で通過したからといって油断もできないし、逆に下位でも、全部が全部ダメ、絶対に逆転できないかと言ったら、そうじゃないんだなっていうのは、今回審査していて思いました。

―――全般的に見て、今日の参加者の歌唱はどう感じました?

2次審査から今日まで1週間しかない中で、よく仕上げてきたな、というのが、まず1つ。で、その上で、「審査って難しいな」と改めて思ったのが、広瀬さんがすごく低い点数の時に、私が高得点の時もあれば、その逆もあって…。広瀬さんは、たぶん7名をプロのシンガーとして見て採点しておられたと思うんですよ。でも、私は正直そうではなくて、どっちかと言うと、例えば、「Let It Go」だったら、(オリジナルの歌手の)松たか子さんを100点とした時に、素人がカバーして頑張って90点までいければ“100点”みたいな見方なんですよ。それは人それぞれなので、じゃあ点数って何なんだろうと…。でも、だからこそ、自分の中での軸はブラしちゃダメだと思うんですね。自分はもうその見方で決めたんで、ずっとそれで審査をしました。

――選ばれた3名にエールをお願いします。

広瀬さんも斎藤(司)さんもおっしゃってましたけど、3人ともパワフルさが足りないです。韓国という場所で考えると、恐らく“パワフルさ”というところが1つ壁になっちゃう可能性もあると私は思っていて…。そこを鍛えないと厳しい戦いになるかもしれないです。でも、もしかしたら、みんなが“強い”“強い”“強い”という中で、繊細な歌声が評価される事もありえるので、歌う順番でどうなるか…。ただ、対策してもしょうがないんですよ。上手な人しか居ない中で、勝つか負けるかの博打に出るぐらいでちょうどいいと思います。3人とも頑張ってほしいです。みんなの芽が早く出るように祈って応援してます。
カリスマボイストレーナーのおしら
カリスマボイストレーナーのおしら / (C)TOKYO MX


■ペク・グヨン「日本にはたくさん歌が上手い人が居ると思いました」

――グヨンさんは、普段ダンスを評価してますが、歌だけを審査するのは初めてですよね?いかがでしたか?

ダンスだったら自分がやってきたから、数秒見ただけでもパッてわかるんですけど、歌の審査は難しいですね、仕事の関係で、歌もたくさん聴いてるんですけど、それでも難しかったです。でも、日本にはたくさん歌が上手い人が居るな、と思いました。スゴいレベル高いな、と。

――歌だけでも、リズム感があるかどうかってわかりますよね?

そうですね。リズム感は、ダンスでも他のことでもメチャクチャ大事なので、そういう面を見たり、自分が歌のプロじゃないからこそ、プロの視点とは違う一般の立場で聴いて評価できたんじゃないかと思います。

――今日は採点もしなくてはいけなかったんですが、どんな基準で点をつけられたんですか?

完成度や練習量より、どこかのポイントで「いいな」って直観的に感情的にくるところがあれば、点数が上がるって感じですかね。最初の入りが「わぁいいな」と思えば、そこでまず上がる、というように自分の好みで良かった部分があれば、良い点を付けました。

――グヨンさんは、韓国でマスターの立場でオーディション番組をたくさん経験してますが、韓国と日本のオーディションは、どんな点が違いますか?

今回は、歌だけでサバイバルでも無かったので、比べるのは難しいんですが…静かだった(笑)。

――(笑)。

1人だけオーバーリアクションしたら、ダメだろうなぁ…って(笑)。Sammyさんの歌い出しを聴いた時、「ウワァ!」って拍手して声を出したかったんですけど、周りの雰囲気を見て、「ハァ…」って静かにしてました(笑)。

――リアクションして良かったと思いますよ(笑)?では最後に、韓国で戦う3名にメッセージをお願いします。

日本人は、ちょっと礼儀正しい面があるから積極的に見えないかもしれないです。でも、そんな事を考えないで、ぶつかって挑戦してみたらいいと思います。いろんな国から参加者が来るから、最初はちょっと自分がちっちゃくなったりするかもしれないですけど、自信を持ってやれば、絶対イケる実力だと思います。

――ありがとうございます。次回は、ぜひ日本のダンサーの審査もしていただきたいです。

もうそれだったら、嬉しいです!日本のダンサーのレベルはメチャクチャ高くて、そんな素敵なダンサーたちに会えたら、本当に嬉しいです。
K-POPのトップコレオグラファーのペク・グヨン
K-POPのトップコレオグラファーのペク・グヨン / (C)TOKYO MX


■MIYEON(i-dle)「皆さんの実力がすごすぎてびっくりしました!」

――日本で審査員をしてみて、いかがでしたか?

皆さんの実力がすごすぎてびっくりしました!歌詞の細かな意味までは理解できない部分もありましたが、声やシルエット、表現から伝わってくる感情を、強く感じることができました。全員に良い点数を差し上げたい気持ちだったんですが、審査なのでできる限り公平に評価するように心がけました。このような素晴らしい機会をくださった制作陣の皆様、そして、共に審査をされた皆様からも多くを学ぶことができて感謝しています。

――選ばれた3名にメッセージをお願いします。

次に韓国で開催される「ベイルドカップ」で、また皆さんにお会いできることを楽しみにしています!ぜひしっかり練習をして、万全のコンディションで参加してください。心から応援しています!

◆取材・文=鳥居美保
特別審査員のi-dle・MIYEON
特別審査員のi-dle・MIYEON / (C)TOKYO MX

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