オスカー・ピアストリは、外部からの批判にもかかわらず、自身とチームメイトのランド・ノリスが2025年のタイトル争いで公平に戦えるよう配慮したマクラーレンを称賛した。
マクラーレンの2人は年間を通じてタイトルを争い、最終的にノリスが優勝。最終戦アブダビGPで初戴冠を決め、ピアストリを13ポイント差で抑えた。
過去のチームメイト同士のタイトル争いとは異なり、マクラーレンのふたりは終始友好的に戦い、公平性を保つためのガイドライン「パパイヤ・ルール」を進んで遵守した。
ピットストップの遅れで順位が入れ替わった末、2位をノリスに譲ったピアストリの行動や、シンガポールGPのスタート直後にピアストリに接触したノリスへの”対応”などもその一例だ。
この方針は確かに賛否を分けた。両者が互いにポイントを奪い合うことで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)にシーズン終盤にタイトル争いに加わる余地を与えてしまったからだ。
しかしピアストリは、マクラーレンがどちらかのドライバーを優先しなかったのは正しい判断だったと考えており、2026年にF1が新規定を導入してもこの方針は変わらないだろうと明かした。
「これは僕たちのレースへの姿勢を証明するものだ」と彼は語った。
「言うまでもなく、非常に拮抗したドライバーふたりが、コンストラクターズ選手権とドライバーズ選手権の両方を争うのは容易ではない。しかし結局のところ、それは僕たちが予期していた問題だった」
「結局のところ、そこから多くの良いものが生まれていると思う。確かに困難な瞬間や緊張感もあるけど、ランドと僕は互いに限界まで追い込むことで、より優れたドライバーに成長できたと思う」
「時には全員が居心地の悪い思いをしたこともあるが、最終的には良い結果につながったと思う」
「もちろん年間を通じて多くの議論を重ねてきたし、オフシーズンにも来季に向けて微調整すべき点について話し合うだろう。しかし結局のところ、チームは僕たち両者に世界選手権を公平に争う最高の機会を与えてくれた。これ以上を求めることはできない」
ピアストリはアブダビGP後も依然として明るい表情を見せていた。昨年ノリスに82ポイント差をつけられていたが、その差を縮めた今シーズンが自身にとって良いシーズンだったと自覚しているからだ。
「間違いなく、今シーズンは本当に誇りに思えるものだった」と、今年4月から10月までチャンピオンシップをリードしたピアストリは付け加えた。
「F1での最初の2年間と今シーズンを比べると、今年は明らかに頭一つ抜けていた」
「最終的な結果は望んだものとは少し違ったが、今シーズンを通じて自分が達成できることを自ら証明できたことで、多くの前向きな気持ちと強さを得た。それらは必ずしも結果に結びつくものではないが、非常に重要なものなんだ」
「だから、この経験を確実に未来へ持っていけると思う。F1での挑戦はまだ3度目だ。まだまだ先は長いだろうし、今年得た教訓は間違いなく、これからの僕をさらに強くしてくれるだろう」

