「意識している」のはあのコンビ!
――決勝進出が決まってからライブの出演も増えているようですが、経験を積むなかで、決勝に向けての秘策は得られましたか?
飛騨 とにかく大きな声を出す! いろんな舞台に立たせてもらうなかで、これが大事だということに気づきました。ちっちゃく縮こまった瞬間に負けそうなので。
みぎぃ 私はぐっすり寝ることですね。睡眠は重要なので、最近はホットアイマスクをして寝てます。
飛騨 これ、みぎぃは本当にやってます。『THE W』に限らず、ライブの前日には「ライブに響くから、早く寝なきゃいけない」って言ってますから。あと、たくさんの舞台に立たせてもらうことで、ここは微妙だなとか、このテンポのほうがウケそうだなとか考える機会が増えました。
みぎぃ たとえば、劇場には観光中に観に来てくださるお客さんもいらっしゃると聞いて。
――たしかに決勝を見てくれる人は、ふだんお笑いライブに通っている人たちばかりじゃないですからね。いろいろなお客さんの前でネタができるのは、常設劇場を持つ吉本の強みですね。
飛騨 本当にそうですね。いままでは同期とのライブばかりで、友だちや身内のお客さんが多いなかでやっていたので、全然ウケ方が違うなと感じますね。だから、もっとわかりやすくするのはこうしたほうがいいんじゃないかとか、2人で話したりして。
みぎぃ 本当に勉強になっています。

――決勝進出者のなかで、ライバルであるとか、気になる人はいますか?
みぎぃ ヤメピさんは「カブってんねんなぁ」みたいなことをいつも謎に言ってくるんです。実際、ネタを見たら全然カブってないんですけど、言われすぎてライバル意識が芽生えたことはありました。
飛騨 私たちがペーペーすぎて、皆さんをライバルと言うにはおこがましいんですけど、第一関門となるエルフさんは意識してしまいます。以前、ライブで一緒になったとき、めちゃくちゃ話しかけてくださったり、『THE W』の記者会見でも助けていただいたので感謝していますし、気になる存在ですね。
みぎぃ 勝てたらすごいことなので、頑張りたいです。
芸人を目指したのは「新しいものを真っ先に食べられるから」!?
――芸歴1年目での決勝進出なので、「パンツ万博って何者?」という人も多いと思います。そもそも、芸人を志したきっかけは?
みぎぃ テレビに出ている人って、新作のチョコレートとか、新しいものを真っ先に食べられるじゃないですか。いいな、楽しそうだなと思って、高3のときに愛媛で開催された『笑顔甲子園』っていう、高校生だけが出られるお笑いの大会に出たんです。
動画審査を通って決勝に行けて、12組中8位だったんですけど、その大会で優勝した子が東京でお笑いライブに出ていることを知ったんです。それで、私も出たいなと思って調べたら、地元の愛知にエントリーライブがあることを知って、高3の冬くらいからフリーライブに出始めました。本当は『ハイスクール漫才』にも出たかったんですけど、一緒にやってくれる人がいなくて、ピンで活動して、そこからNSC(吉本総合芸能学院)に入りました。

飛騨 私は……向いていると思ったからですね。
みぎぃ 学生時代、友だちがあまりいなかったらしいんで、内から出る自信がすごいんだと思います。
飛騨 もともと医者になりたかったんですけど、なれなくて。大学を中退してからは、特になりたいこともなかったので適当に働いてたんです。けど、これが一生続くのかと思ったときに、もともと『M-1』が好きだったので漫才をやりたいと思って。自分が面白いかどうかはさておき、面白いか面白くないかの判断がつくなら絶対にやれるだろうと思って、NSCに入りました。