つきつめれば、「健康と人間関係」
とはいえ、ひらりささんが知性もバイタリティも経済力も平均以上持っている人なのは事実。世の一般的なアラサー・ミドサーが彼女と同じレベルで試行錯誤すると、体力的・経済的に致命傷を負うリスクも否定できません。
限られたリソースをいったい何に向ければ?……そんな疑問にも、本書はしっかり答えてくれています。「素敵な自分になる」活動のベースとなるのは、何は無くとも「健康と人間関係」。ひらりささんの縦横無尽なトライ&エラー活動も、つきつめればこの二つに繋がっているようです。
自分のからだを自分で気にかけていることが、自己肯定的な作用を及ぼして、人寂しさを減らしている。運動ってすごい。からだっておもしろい。自分って未知だ。――『まだまだ大人になれません』(ひらりさ/大和書房)より
クールな風貌からは意外なほどに、ひらりささんの人間関係への思い入れは人並み以上。友人関係でも恋愛関係でも熱いと冷たいの間で高速反復横跳びを繰り返し、いつも「寂しい」という怪物と闘っているように見えます。そしてそんなひらりささんの心を整えるのが、「身体の整え」。
身体と人間関係の健やかさ……これが、「大人」の必須科目であり、取り組むべき課題なのしょうか。
日本の政治も国際情勢も、そしてもちろん私たち一人ひとりの人生も。色々あった2025年も残り数週間となりました。「新しい自分を見てみたい」と思ったら、来年からと言わず明日からできることが色々ありそうです。ひらりささんのエッセイからヒントをもらい、小さな一歩を踏み出してみませんか。
