アメリカがビザ(査証)なしで観光に訪れる外国人に、最大5年分のSNS利用情報の提出を義務付ける規制案を公表したことが、大きく波紋を広げている。日本人を含む外国人観光客らが利用する「電子渡航認証システム(ESTA)」の申請時に、SNSの情報開示を必須項目として求めるのだ。
まだ詳細は不明だが、トランプ政権批判は要注意項目となる可能性が極めて高い。「トランプはどう見てもカツラだ」などと、SNSでジョークを飛ばしたら入国禁止。大谷翔平、山本由伸のWBC観戦ができなくなるかもしれない。
アメリカ税関・国境取締局(CBP)が連邦官報で明らかにしたところによると、SNS履歴に加えて電話番号とメールアドレス、生体認証データ、家族についての詳細情報の提出も求められる可能性があるという。木原稔官房長官は12月11日の記者会見で、
「アメリカには多くの邦人が渡航していることから、高い関心を持って注視している」
と述べたが、MLBファンや日本の旅行業者にとっては、大いに気になる情報だ。
日本国内が外国人観光客であふれかえる中、「大谷をナマで見たい」という需要は高く、ドジャース観戦ツアーは日本の旅行業にとってドル箱。利益率も高い。だがアメリカ国内はトランプ政権批判、あるいはパレスチナ問題でイスラエルに批判的な言動をとっただけで、外国人留学生が大学から追放される流れが…。
来春、WBCが開催され、大谷らが揃う。準々決勝からはアメリカ国内での開催となり、今から有給休暇の取得を考えている人は多いはずだ。その際にSNS規制が実施されているかは不透明だが、WBCを現地で応援したい日本人は、今からSNSには要注意だ。
(健田ミナミ)

