全く面識がない人の顔写真が入った「赤の他人の証明写真」というカプセルトイが数年前から人気となっています。
「ヴィレッジヴァンガードやガチャ専門店のシープラなど全国200か所」に設置され「毎月4万個ほど売れています。累計40万個ほどです」と話すのは、「赤の他人の証明写真」をプロデュースする株式会社たきびファクトリー代表の寺井広樹さんです。
「赤の他人の証明写真」が誕生したのは「『包丁人味平』などで知られる漫画家のビッグ錠先生が大好きで、仕事の繋がりもあってお宅にお邪魔した際に、机の上に証明写真が置かれていて先生から証明写真をいただきました。最初はハガキ入れに写真を保管していましたが、どうもしっくりこなくてたまたま家にあったガチャ用のカプセルに入れてみたところ、何か面白いなと思ったのがきっかけです」とのこと。
「ビッグ錠先生は著名な方ですが、もし知らないおじさんの証明写真がカプセルに入っていたら面白いんじゃないかと思って知り合いの人10人に声をかけました。おじさんだけでなく主婦、女子大生、小学校の教頭先生など含めて10人です。”お願いしても断られるかな”と思ったのですが全員に快諾していただいて驚きました。友達からガチャの機械を借りて、また別の知り合いの方のお店(神楽坂にあるペットの総合施設)の前にガチャの機械を置かせてもらいました。思いついてから商品化まで10日もかかっていないです」とも話してくれました。
2022年3月にスタートした「赤の他人の証明写真」。利用者は「赤の他人の証明写真は女学生、OLさんなど若い女性が中心です」といいます。「シンプルに面白い、かわいい、不気味など何かしら人の興味を引く商品だからなのかと思いますが、なぜ売れ続けているかは私も正直わかりません」と、人気の秘密については明確な理由を把握できていないようです。
「携帯の裏に挟んで”だれ?”と突っ込まれたりして、コミュニケーションのツールに活用しているようです。このおじさんにバッタリどこかで会えるまで携帯の裏に挟んでおくという女学生の方もいました」と意外な使われ方をしていることもあるようです。
昨年からは「人間だけでなく犬や猫の証明写真をスタートさせてから、自分んちのペットを証明写真ガチャにしたいという売り込みが増えました。自分の顔写真や飼ってるペットが商品化されるガチャは他にないので、口コミなどでも広がっているのだと思います」と、証明写真シリーズの拡大についても語ってくれました。
その証明写真シリーズでは「ご機嫌ナナメな猫」と「じじプリ」が最近人気だそうです。
同社が運営する奇人クラブというウェブサイト上では、カプセルトイとなる証明写真を大募集しています。応募状況については「人間は月7人ぐらいで、動物は月20匹ぐらいです」とのことです。
「赤の他人の証明写真」から始まった証明写真シリーズというカプセルトイですが、今後の新企画が楽しみです。
奇人クラブ
https://kijinclub.com/[リンク]
※画像提供:株式会社たきびファクトリー
(執筆者: 6PAC)
