
「YouTuberカップ麺が爆誕中」ヒカキン、リュウジ…本当にうまいのか?ベスト3選を即席麺マニアが徹底分析【1位は麺とスープの相性が完璧な一杯】の画像一覧
インスタントラーメンハンターの大和イチロウです。私はインスタントラーメンを36年間、365日食べ続け、今までに計25000食を味わってきたマニアであり、最近では「中の人」としてもカップ麺や袋麺を監修する日々を過ごしております。
インスタントラーメン業界でホットな話題といえば“YouTuber(ユーチューバー)”のカップ麺。即完売や転売問題など巷を巻き込んで大変話題になりました。話題もさることながら、新たにインスタントラーメンに興味を持ってもらえる方々への広がりもアリ、社会現象の1つとして新たなる分野を確立するかもしれません。ただ、実際は始まったばかりの分野でありますので、今後の行方も含め“中の人&マニア”として実食&検証し評価してみたいと思います。
第3位 大人気YouTuberが思い出の味を再現した濃厚味噌ラーメン!

日清食品
「みそきん 濃厚味噌ラーメン」
¥278(税抜)511kcal
もうユーチューバーといえばこの人!というくらいのだれもがご存知HIKAKINさん。1年の歳月をかけて作り上げたカップ麺がこちら。セブンイレブンの限定商品ということで1回目は即完売となり、第2回目の販売を急遽するなど業界でも様々な「異例」を成し遂げたカップ麺です。
かやくについてはもやし・メンマ・ネギとそこまでの派手さはありません。“中の人”目線ではスープコストを最優先にすると、具材は二の次になります。ただ、食べる側からするとファーストインプレッションのテンションを爆上げするには具材も結構大事だったりします。やはり見た目9割というところでしょうか。
近年縦型カップ麺ではノンフライ麺を使用することも多い日清。今回油揚げ麺を使用したあたりスープとの相性が注目ポイントです。
まず酒粕のような甘さと独特の香りが鼻をくすぐります。HIKAKINさんの出身が新潟ということで、分類上糀の甘みがしっかりと感じられる「越後白味噌」に近いと感じました。正直いうとこの味噌は「万人うけ」するものではないと感じました。しかしながら、それがHIKAKINさんのこだわりが全面に出たところに好印象を持ちました。ポークベースとの相性はよく、ニンニクなどの香味野菜と特製香味油、ゴマのコクなど口当たり良いのに余韻の複雑さは随所にこだわりを感じます。
油揚げ麺をあえてチョイスしたのは賛否両論あろうかと思われます。ノンフライ麺がトレンドになりつつある昨今において、あえての油揚げ麺です。縦型カップ麺は湯戻りが丼型に比べるとほぐれにくく、麺重量が80gと食べ応えを重視した結果かと想像されます。しかし、さすがは日清。スープとの相性はすばらしく、油揚げ麺だからこそのテイストを展開しています。
「みそきん 濃厚味噌ラーメン」の評価
【計17/25点】
麺・・・・・・・★★★☆☆
具・・・・・・・★★★☆☆
スープ・・・・・★★★☆☆
作りやすさ・・・★★★★☆
コスパ・・・・・★★★★☆
【総評】
私の周辺では入手できなかった方々も多く、ご本人にとっては忸怩たる思いもあろうかと感じます。HIKAKINさんの思いがしっかりと詰まった「個性的」なカップ麺だと思います。
第2位 料理研究家リュウジさんのバズレシピをカップ麺で完全再現!

サンヨー食品
「サッポロ一番 料理研究家リュウジ監修 至高の醤油ラーメン」
¥278(税抜)447kcal
料理研究家として大人気YouTuberリュウジさん。そのリュウジさんのYouTube動画「至高シリーズ」の240万回以上再生されたバズレシピをカップ麺化。イトーヨーカドー限定商品として登場。ただ醤油ラーメンという分野は地域によって醤油の味が細かく分かれている特性上、意外に大変難しいカテゴリーでもあります。
麺は油揚げめんでネギとキクラゲ、最近流行している背脂(加工品)をふんだんに使用。チャーシューは原価ががなり高く、販売価格を一気に押し上げるので中途半端なものを使うなら背脂で……は想像に難くないです。ただキクラゲはアクセントとして価格が高くてもチョイスしたのはグッドチョイス。(上から目線でごめんなさい)
山形「鳥中華」のような和だしめんつゆのような甘みをベースに感じます。近年若年層には「甘味」=「おいしさ」の方程式が成立しているので、最近の傾向としてうなずけます。本編動画では豚バラの煮汁+ラード+チャーシューのつけ汁とポークの旨みを最大限引き出しているレシピですが、カップ麺では背脂がその仕事を請け負っています。ただ年齢のせいかちょっと油の量が多いかな……。
麺ですが、動画では菊水の北海道発札幌生ラーメンを使用。こちらはカンスイが少なめの麺の密度バランスの良い熟成ちぢれ生麺です。サンヨー食品の中では最近リリースしている麺の密度が高いものを使用していますが、菊水のものと比較すれば、もう少し麺の密度が高い方がスープがより生きた気がします。(コシとのバランスが難しくはなるのですが……)
「サッポロ一番 料理研究家リュウジ監修 至高の醤油ラーメン」の評価
【計18/25点】
麺・・・・・・・★★★☆☆
具・・・・・・・★★★★☆
スープ・・・・・★★★★☆
作りやすさ・・・★★★☆☆
コスパ・・・・・★★★★☆
【総評】
「邪道にして至高。」とパッケージには書いてありますが、邪道ではない素直な表現をされておりました。第二弾ではぜひ更なる高みの塩ラーメンにチャレンジしていただきたいと個人的には思います。
