最新素材、超軽量、防水透湿、ハイスペック。ウェアはここ10年で大きく進化し、「より高機能」へ向かってきた。しかし、長く滑り続けてきた玄人ほど、ある瞬間に気づき始める。
“極める”ことと、“楽しむ”ことは、同じではない。
THE NORTH FACEの「LAYBACK(レイバック)」は、その気づきの先にあるシリーズだ。スペックを追いかけ続けてきたユーザーに向けて、“自由さ”を思い出させるウェア。スキーにも、スノーボードにも偏らず、ゲレンデにもバックカントリーにも縛られない。「ちょうどいいウェア」――その選択が、雪山の時間をより充実させる。
“遊び場”は自分たちでつくる
「ここはボールで、あっちはキッカーかな?」
「この壁はそのまま生かしたいね」
2025年3月。山形県の某スキー場。ゲレンデ脇に眠る一本の沢地形を前に、スノーボーダー藤田一茂と、スキーヤー川口徹が笑いながら会話を交わす。
このゲレンデ外の沢地形でゼロから自分たちの“遊び場”をつくる。
「SHAPE THE LINE - 創造は、遊びから始まる。」とタイトルされたこのセッション。雪を削り、レイアウトを整え、イメージを雪面に落としていく。スコップを動かしながら笑う姿は、まるで大人の秘密基地づくりだった。
このクリエイティブなセッションを企画したのは共に「LAYBACK」を着るTHE NORTH FACEのアスリートである藤田一茂と川口徹。
ウェア開発にも携わってきた藤田は、白馬五竜で雪のウネリが連続するコース「GORYU WAVES」をプロデュースし、リズムに乗って滑る魅力を表現してきた。
一方の川口は、ハンドメイドスキーブランド「estuary shapes」を手掛ける職人として、地形と道具の両面から滑走文化に光を当ててきた。
――2人に共通するのは、雪やギアに自らの手で形を整え、遊ぶ価値を創造する「シェイパー」であるという点だ。
この“遊び場”づくりは5日間続いた。地元スタッフ十数名とともに、自然の地形を壊さず、活かしながら形にしていく。

そして滑り終えたあとは、誰かが跡を残さないよう、きれいに崩して現状復帰。効率も、成果も、利益もない。しかし、その“無駄”こそが、雪山の時間を驚くほど豊かにした。

「今回のクルーはライダー、カメラマン、それぞれがクリエイターで、みんな自分の“美意識”を持っていた。カメラマンチームは“撮影の移動も美しく”と階段を作ったり、映り込む斜面を全部整えたり、テントのライティングまでこだわって。そのひとつひとつが“こだわりの塊”だったんです」
「コースは想像以上に難しくて、自分のスキルと体力の足りなさも感じたけど(笑)、一生残る写真や映像が撮れたことが素直に嬉しかった。」(藤田)

「独創的で創造的な遊びだけど、非効率で無利益。だからこそ、シンプルに“滑る楽しさ”と向き合えたんです」(川口)
“スペック至上”からの解放
藤田と川口は2年前までスノーカテゴリーにおける最高峰ライン・サミットスノーのRTGゴアテックスを着用してきた。
「SUMMITシリーズとは対照的なラインとしてLAYBACKが生まれたことで、“僕のスタイルがブランドの中で認められたんだ”という嬉しさはあります」
「細くも太くもない“ちょうどいいシルエット”が一番好きですね。そこから来る着心地の軽さと動きやすさは、一日着ていてもまったくストレスがない。」
「3レイヤーと中綿入りの2レイヤーで、微妙にシルエットが違うところも面白いので、ぜひ着て試してほしいです。もともと自由にやってますけど、より“自分でいていい”と感じられるウェアですね」(藤田)
「もちろんシリアスにサミットを目指すことは、スノーライフのひとつの到達点です。だけど、気の合う仲間と、気象や雪質に左右されず、日常の延長線上で子どもの頃のようにスキーを楽しむとき、エクストリームなスペックは不要、むしろ邪魔になる。だからと言ってレイバックがスペックを妥協しているわけではありません。生活圏まで雪に覆われる日本で、スキーカルチャーを楽しむにはジャスト!ちょうどいいんです」(川口)
