【令和無人ビジネス闇2】
AIやセルフレジの氾濫で人類が仕事を失う一方、駐車場にアパレルにレンタルオフィスと補助金も抜群に通りやすい無人ビジネス界隈が隆盛を極めつつある。参入できるのは今しかない!! そこで先輩参入者に、無人ビジネスの実態を聞いてみた。
古参モデラーなら一部屋まるまる占拠
さまざまなオタク系趣味の中でも、特別場所を取ることで知られるのがプラモデル。大半のモデラーは製作前のストックが存分になければ安心できず、永久保存用のプレミア品も年々増える。
それゆえ、いわゆる「積みプラ」状態となり、重なった箱が天井まで届くなどはまだまだ序の口。年季の入った古参モデラーとなれば一部屋まるまる占拠されることになり、家族から疎まれるのがお約束なのである。
「妻から長年処分しろと怒られていたところ、学習塾を営んでいた父が死んでその場所が空き、いい倉庫ができまして。ただ、それにしては広すぎるので、机も利用して『プラモデル専用スペース』を開業したところ、これが当たりまして。
素組み(※説明書通りに組み立てたまでの状態)だけならまだしも、モデラーは必ず塗装もしますからね。
その強烈なシンナー臭が家中に立ち込めるので、家族も犬からも非難轟々。僕らは案外、存分に趣味を楽しめる場所がないんですよ」(プラモスペース経営者・61歳)
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その後「オタク系」を次々開業
これで勢いづいた彼は「カードゲーム専用スペース」や「読書ラウンジ」など、それぞれの愛好家が集まる「オタク系」の無人ビジネスを次々と展開。
ところが、こちらは開店当初のみ話題になるものの、その後はすぐに客がまばらに。見事な赤字コンボなのであった。
だが、なるほど、自身がオタクだけにオタクの気持ちはよく分かる。もともと起業家としての才覚や経験値があるならまだしも、経営者からの愛や熱意が感じられない「ただの場所」は、オタクたちからの支持は受けられないと判断。
結果、現在はまた心から愛するプラモ業のみに絞り、常連客たちとともに腕を磨く日々だそうだ。
「週刊実話 ザ・タブー」2026年1月9日号より
