最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
「8年間ずっと代表に行っていたんですけど…」姫野和樹が見据える3度目のW杯 リーグワンでの失地回復から目指す檜舞台

「8年間ずっと代表に行っていたんですけど…」姫野和樹が見据える3度目のW杯 リーグワンでの失地回復から目指す檜舞台

姫野和樹がノートとペンを手に取った。

 31歳。ラグビー選手として今後のキャリアを考え、思いを書き出した。

 「競技ができる時間はだんだんなくなっている。そう考えた時に、ラグビーを楽しみたいよねと。経験がある選手として期待されているし、いろんなプレッシャーが背中にのしかかる。でも、まず、ラグビーという競技の何が好きなのか、何が楽しめるのか。それを考え、自分のプレーにフォーカスしたい。そういうマインドセットでやっています」

 身長187センチ、体重109キロ。突進とボール奪取に燃えるフォワード第3列だ。

 中1で楕円球と出会ったこの競技の申し子は、所属するトヨタヴェルブリッツで1年目の2017年度から主将を務め、これから始まる25年度でもその座を担う。

 その立場を理解しつつ、まずは己の気持ちに倣う。

「何のしがらみのない子どもの頃の感覚を大事にしたいなと。主将をやると周りを見ないといけない。それももちろんやるんですけど、まずは、自分のラグビーに重きを置く。残りのラグビー人生は、そうしようかなと」

 失地回復を目指している。

 ニュージーランド代表125キャップのアーロン・スミスら豪華陣容を誇りながら、前年度は国内リーグワン1部で12チーム中10位と低迷していた。

 意識するのは「継承と進化」だ。元ニュージーランド代表指導陣のスティーブ・ハンセンヘッドコーチが球をスマートに動かそうとするのを尊重しつつも、まず、クラブが本来得意だった簡潔なフィジカル勝負にこだわりたいと語る。

「自分たちがもともと持っているヴェルブリッツの強みを継承していく。その強みが何なのかをリーダー陣で伝えてきたし、皆が誇りを持てるようになってきました。やっぱり、トヨタのラグビーはフォワードが強くないといけない。今年はだいぶ、スクラムもラインアウト(フォワードが担う攻防の起点)もやり込んでいます。そこへ、スペースを早く見てそこに(ボールを)動かすという進化を付け加えられたら」 社会人1年目から日本代表となり、2度のワールドカップに出た。19年の日本大会では力強い突進とボール奪取で史上初の8強入りに喜び、23年には主将を務めた。

 もっとも今年、ナショナルチームからは遠ざかった。約9年ぶりに発足して2年目のエディー・ジョーンズヘッドコーチ体制のもと、まずは7月の対ウェールズ代表2連戦に向けた招集依頼を辞退。その後はお呼びがかからぬまま、秋のキャンペーンを終えた。

「去年はコンディションが上がっていなくて、でも、自分たちのチーム状態として危ない位置にいた。無理をして(試合に)出た感じがあった。(6月までのシーズン終了後は)コンディションを整えないと…という話を(ジョーンズに)しました。その後は、エディーが(招集しないと)決めて…と」

 27年にはワールドカップオーストラリア大会があり、予選プールの組み合わせを決める抽選会はこの冬に済んだ。自身3度目となる大舞台への出場へ、姫野は「もちろん意欲はあります」と応じながら、地に足をつける。
 「あまり先のことばかりを考えてもしょうがない。いまはリーグワンでトヨタを勝たせる。その延長線上に代表がある」

 取材に応じたのは12月3日。都内でリーグのメディアカンファレンスに出た。そこには他クラブの主力も集まっていて、なかには姫野のいない代表で奮闘した面々もいた。

 そのひとりは、東京サントリーサンゴリアスに移籍したての竹内柊平だった。姫野は竹内に「何サボってんねん…みたいなこと言われました」。控室でのやり取りを明かし、破顔した。

「(国内のプレシーズンの時期は)8年間、ずっと代表に行っていたんですけど(今年は)のんびり過ごせたというか、心身ともにリラックスできました。自分の身体にフォーカスしてトレーニングできました。身体の調子とラグビーに対する意欲は、すごく高まりました」

 開幕直前期の故障で晩秋のプレシーズンマッチは欠場も、オープニングゲームには間に合う。12月13日、愛知の豊田スタジアムに三重ホンダヒートを迎えてひと暴れする。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

【画像】世界の強豪国と激突する「エディーJAPAN」の注目メンバー5選!

【動画】ワラビーズをあと一歩まで追い詰めるも…豪州代表戦ハイライト

【動画】欧州遠征のクライマックス、ジョージア戦ハイライト
配信元: THE DIGEST

あなたにおすすめ