
I Don’t Like Mondays.が、12月12日(金)に東京・Spotify O-nestにて、一夜限定ライブ「I Don’t Like Mondays. “切ないラブソングはいらない”夜」を開催。ライブ前に独占取材に応じ、今回のライブに込めた思いやクリスマスにまつわるエピソード、楽曲制作の心得などを語った。
■クリスマスの“きらびやかではない側面”にフォーカス
I Don’t Like Mondays.は、9月にメジャーデビュー11周年を迎えた、YU(Vocal)、CHOJI(Guitar)、KENJI(Bass)、SHUKI(Drums)からなる4人組ロックバンド。80’Sのサウンドをベースに邦楽への落とし込みを行う独自のスタイルが特徴で、2022年に「PAINT」がTVアニメ「ONE PIECE」の主題歌になったことをきっかけに、日本国内だけでなくアジアで人気が急上昇した。
2024年には、EP「FOCUS」を引っ提げたASIA TOURを初完走し、Zepp DiverCityでのジャパンファイナルを開催。また同じく2024年開催の中国大陸ツアーでは6公演で5500人を動員し、全公演即完売となるなど勢いを増している。
12月10日配信の「切ないラブソングはいらない」のリリースを記念し行われたこのたびの一夜限定ライブでは、あえて従来より小規模な会場で、“失恋クリスマスソング”を初披露。その他、失恋ソングに特化したセットリストで、過去に忘れられない恋をした人々へ向けたコンセプチュアルなライブを行った。
また、ライブのMCでは、ファンから届いた失恋エピソードを読み上げ、それぞれの経験に基づくアドバイスやエールを送ったメンバーたち。
YUの無邪気で自由奔放なトークを何度も軌道修正するKENJIの真面目さが光り、ファンの気持ちに寄り添うあまり思わず立ち上がってしまうSHUKIの愛らしさや、CHOJIの冷静でウィットに富んだ一言一言に、会場に集まったファンは大盛り上がり。新曲含む全14曲を披露し、これまでにないコンセプトのライブで会場中を魅了した。
なお、同ライブは、1月10日(土)に大阪、1月11日(日)に京都、1月12日(月)に名古屋での追加公演が決定している。
■KENJI「王道のクリスマスソングをずっとやりたいと思っていた」

一夜限定ライブという形と小規模会場を選んだ理由について、YUは「『切ないラブソングはいらない』という新曲の名にちなんでライブをしようということで、久しぶりの曲も含めて失恋ソングやパーソナルな曲を選びました。せっかくなので、キュッとみんなで曲を噛みしめてもらいたいなと思い、この会場を選ばさせてもらいました」とコメント。
KENJIは「僕はWham!(ワム!)みたいな王道のクリスマスソングをずっとやりたいと思っていて、去年末ぐらいからこういう曲を作りたいとメンバーに言っていたんですけど、タイミング良く、今年のこの時期に出そうということになりました」と、同楽曲が生まれた背景を語った。
また、YUは「王道なクリスマスソングを僕らがやったらどんな感じになるのか、自分たちでも楽しみにしていて、結果すごくグルービーな曲に仕上がりました。1人でイルミネーションの人混みの中でイヤホンで聞いたら浸れるような曲になったかなと思います」と笑顔を見せる。
ライブで特に注目してほしいポイントを問われると、CHOJIは「僕らも久しぶりにやる曲があったりして、まして最近ファンになった方とかは初めて聞くんじゃないかなという曲も多いので、その辺をみんなで楽しみたいなと思います」とアピール。
また、SHUKIは「冬曲は『東京エキストラ』以来5年ぶりなので、僕らの5年の変化も実感してもらいたいし、来ているお客さんも5年の中で特に恋愛に関していろいろあっただろうと思うので、今の僕ら、そして今のお客さん自身もいろいろと考えられるライブになったらいいなと思います」と意気込んだ。
■YU「自分たちの“バンド力”みたいなものを改めて見つめ直すことができた」

2025年で印象に残っている出来事について、KENJIは「今年初めてZeppツアーをやって完走して、普段東京でしか見せられない演出や照明を各地でファンの皆さんに見せることができたので、それは僕たちにとって大きかったのかなと思います」と振り返る。
YUも「国内外含めて、こんなに1年でライブをした年は今までなかったのではないかなと。自分たちの“バンド力”みたいなものを改めて見つめ直すことができて、よりバンドとしてのサウンドが固まった1年だったのかなと思っています」と頷いた。
この1年をそれぞれ漢字一文字で表してもらうと、SHUKIは「僕は『動』ですね。ライブをいろいろな場所でやったので、ひたすら移動していたイメージがあって。曲作りももちろん大事なんですけど、ライブでお客さんに触れることで一番僕ら自身もバンドが活動しているという実感が沸きやすいので、この漢字にしました」と回答。
KENJIは「『飛』です。単純にいろいろなところに飛んでいったので(笑)」、CHOJIは「一期一会の『会』にしてみます。ライブに何度も来てくださる方ばかりではないので、一回一回のライブでいい演奏をして、感動してもらいたいなと思いながら過ごしました」と思い返す。
YUは「『溜』。いろいろなものを溜めるような、バネをギューッとするような時間だったので。力を蓄えてライブに向けて準備した時間だったなと思います。来年が楽しみです」と笑った。
■クリスマスの忘れられない思い出は…?

新曲にちなみクリスマスの忘れられない思い出を尋ねると、YUは「クリスマスにいい思い出が特に…(笑)」と苦笑い。KENJIは「ちょうど『プリズン・ブレイク』というドラマがはやっていたとき、彼女もいなくて、12月24日、25日で全話見切ったということがありました」と恥ずかしそうに語る。
SHUKIは「僕も彼女がいない時期は友達と一緒にホームパーティーをしたりとかして。もちろん相手がいる時期もいいんですけど、そうではないときも同じような感情を持った人がいるというのを認識できるいい時期だなと思います」とホリデーシーズンに思いを馳せた。
楽曲制作に際しどんなときにインスピレーションを受けることが多いかと問うと、SHUKIは「もちろん世界中のクリエイティブに影響は受けているんですけど、僕個人的には、やっぱり曲のインスパイアは曲から受けることが一番多いので、毎回1人で曲を聞いているときに受けたテクニック的なことや手法、驚き、発見といった感情をなるべく曲作りのときに忘れずにやっています」と明かす。
YUは「僕は歌詞を担当させてもらっているんですけど、映画とか小説とかも好きなので、こういう話が面白いと思ったことをメモしたりして。まぁ見返すことはないんですけど(笑)。そういうものを無意識のうちに溜め込んで、曲を作るときに思い出して書くことが多いです」と打ち明ける。
CHOJIは「ショッピングしたり散歩したりするときに無意識のうちにこれいいなとインスパイアされることが多いです」と語り、KENJIは「通勤時間とかに聞く音楽で、自分が面白いと思ったポイントごとにプレイリストを作って、そこからアイデアを引っ張り出したり、ストックしている感じです」と告白した。
具体的なポイントを聞いてみると、「例えば、シンセベースが8ビートで刻んでいて音色が面白いとか、ライブ映えしそうとか、メロディーにフックがあるとか、逆にフックはないけどリズムが面白いとか。そういうカテゴリーで分けています」とつまびらかに語った。

■切磋琢磨し合う仲間にはONE OK ROCKの名も――

切磋琢磨し合う音楽仲間は誰かという問いには、SHUKIが「バンド全員でライブに何回も行かせてもらっているのは、ONE OK ROCKですね」と回答。「スペインの『BUBBLEPOP』に出演した際に、現地でたまたま一緒になって連絡を取り合ったり。彼らも場所・地域関係なくやっているので、僕らと目指してるところは一緒だなと思って、すごく刺激を受けています」と明かした。
アメリカへの進出も見据えるI Don’t Like Mondays.。KENJIは「元々行きたいという気持ちはすごくあって、それがだんだん現実的になってきて。ライブをやらせていただく機会が増えて、僕らの音楽をいろいろな国で届けたときに皆さんの反応もすごく良かったので自信につながったし、まだ行っていないところにもどんどん行きたいという気持ちはみんなも強く持っていると思います」と奮い立つ。
さらにYUは「アメリカではまだ1回もライブをしたことがないので挑戦してみたいなというところではあるんですけど、例え大阪でやろうがロサンゼルスでやろうが、そんなに気負いせず、楽しみながらライブをしたいです」と胸中を語る。
SHUKIも「今年は中国の『ストロベリーミュージックフェスティバル』という大きいフェスにも4回出させてもらったりして。場所とか地域は関係なく、僕らのことを待ってくれているお客さんのためにより多くの場所に行きたいなと思っているので、ライブする場所をもっともっと増やしていきたいなと思っています」と決意を新たにした。
そして、YUが「日本とか海外とか関係ないのが音楽というものの魅力というか。文化とか言語とか関係なく、みんなでその場所やその空間を共有できるというのは、僕らも音楽をやっていてすごく意義があるなと思うことなので、できるだけたくさんの人と一緒に同じ時間や同じ空間を共有して、僕ら自身もさらに高みを目指してやっていきたいです」と宣言。今後のさらなる飛躍を誓った。

