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重賞勝ち馬“ゼロ”で確たる本命馬不在 良血アランカールよりも主軸に推すべき期待の若駒【阪神JF】

重賞勝ち馬“ゼロ”で確たる本命馬不在 良血アランカールよりも主軸に推すべき期待の若駒【阪神JF】

12月14日、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、阪神・芝1600m)が行なわれる。

 アルテミスステークス(GⅢ)を勝ったフィロステファニ(栗東・中内田充正厩舎)、ファンタジーステークス(GⅢ)を制したフェスティバルヒル(栗東・四位洋文厩舎)がともに故障を発症して出走を回避。今年の本レースは重賞勝ち馬が1頭もいないという珍しい事態ではあるが、一方でこれからの成長が見込める上り調子のメンバーが顔を揃えており、なかなか興味深い一戦となった。

 気になる天候だが、日曜日に微量な降雨がある予報となっているが、2週目の馬場ならばさほど時計には影響しないものと見て、良馬場前提で出走各馬を見ていく。こうした状況のなかで、中心視されるのは1勝クラスの特別戦を制した2頭、アランカール(栗東・斉藤崇史厩舎)とアルバンヌ(美浦・田中博康厩舎)となろう。
  1番人気になることが予想されるアランカールは、父がエピファネイア、母がオークス馬シンハライト(父ディープインパクト)という良血馬。7月のデビュー戦(福島・芝1800m)で2着に4馬身(0秒7)差を付けて圧勝すると、2戦目の野路菊ステークス(阪神・芝1600m)も5番手から突き抜けると上がり33秒3の末脚で鋭く抜け出し、ここでも2着に3馬身半(0秒6)差を付けて楽勝した。

 走破時計の1分33秒5も優秀で、能力の高さは疑うところがない。ただしこれまでのレースは、デビュー戦が7頭立て、前走が6頭立ての少頭数で行なわれており、後方からの競馬が予想される本馬の場合、フルゲートとなる今回はこの点がリスク要因になる。

 一方のアルバンヌは、6月の新馬戦(阪神・芝1600m)を2着に取りこぼしたものの、8月の未勝利戦(新潟・芝1600m)で2着に1馬身半(0秒3)差を付けて快勝。続くサフラン賞(中山・芝1600m)も3番手から悠々と差し切って、2着に1馬身1/4(0秒2)の差を付けた。アランカールと比べると着差の点で地味に見えるが、こちらは近2走でいずれも中団から上がり最速の脚で抜け出しており、安定性は本馬のほうが優れている。

 能力面では互角と見るが、上記の安定性を重視して、本稿ではアルバンヌが主軸、アランカールを対抗と評価したい。 3番手に抜てきしたいのは、逃げて未勝利戦(東京・芝1600m)、赤松賞(1勝クラス、東京・芝1600m)を連勝したヒズマスターピース(美浦・国枝栄厩舎)。500㎏前後という牝馬離れした雄大な馬格を誇り、ストライドを生かした走りもまたスケールが大きい。

 また一方で、逃げ馬にありがちな気性が勝ったタイプではなく、悠然とマイペースで走れる落ち着いたメンタルもストロングポイントだ。馬体重はデビュー戦の514㎏から赤松賞では496㎏までシェイプされてきており、動きも良化。アーモンドアイやアパパネなどを育て上げ、“牝馬の国枝”と呼ばれる名伯楽が定年前のラストシーズンに送り込んでくる本馬をクローズアップしないわけにはいくまい。なお、鞍上は先日の調教師免許試験に合格した藤岡佑介騎手であることも見逃せない。

 4番手には、スターアニス(栗東・高野友和厩舎)を取り上げる。デビュー2戦目の未勝利戦(小倉・芝1200m)を勝ち上がった本馬は、続く中京2歳ステークス(GⅢ、中京・芝1400m)で不利を受けながらタイム差なしの2着(クビ差)に健闘。走破タイムの1分19秒4は極めて優秀で、スピード能力は出走馬の中でNo.1かもしれない。ただし、父ドレフォンという血統も含め、距離延長は有利とは言えないが、それを克服した場合には前出の馬たちをなで斬りにする可能性を秘めている。
  以下、相手として挙げたいのは4頭だ。リアルスティール産駒のマーゴットラヴミー(栗東・小林真也厩舎)は新馬戦(京都・芝1400m)、白菊賞(1勝クラス、京都・芝1600m)を連勝して2戦2勝と勢いは十分。インディチャンプ産駒のタイセイボーグ(栗東・松下武士厩舎)は新潟2歳ステークス(GⅢ、新潟・芝1600m)を2着、GⅢアルテミスステークスを3着としており、重賞戦線で馬券圏内に絡んでおり侮れない。

 ロードカナロア産駒のギャラボーグ(栗東・杉山晴紀厩舎)は未勝利戦(阪神・芝1800m)を勝ち上がったばかりだが、1ハロンの距離短縮がプラスに出そう。ベンバトル産駒のスタニングレディ(美浦・高木登厩舎)は新馬戦(東京・芝1800m)を快勝し、ギャラボーグと同様に抽選を潜り抜けて出走に漕ぎつけた。運を味方につけ、こちらは調教師免許試験合格の一報が届いたばかりの和田竜二騎手が手綱をとることが決まっている。

 高速決着にはやや疑問が残るが、鞍上の腕を見込んだうえで、前述した4頭は連下候補として強調しておきたい。

文●三好達彦

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配信元: THE DIGEST

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