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現場からは悲鳴、母親からは「性犯罪が怖い」の声も…高市総理がどうしても実現したい政策「ベビーシッターの利用促進」の真の課題

現場からは悲鳴、母親からは「性犯罪が怖い」の声も…高市総理がどうしても実現したい政策「ベビーシッターの利用促進」の真の課題

個人宅などへ出向き、子どもを預かり保育や世話をする「ベビーシッター」。就業する母親のいる世帯の割合が過去最高となる中で、政府はベビーシッターの利用促進に向けた動きを加速させている。いっぽう、利用者側からは「利用料が高い」「高所得者しか利用できない」といった声も聞かれる。利用を促進するための課題とは何か。利用者や事業者に話を聞いた。

政府が進める「ベビーシッターの利用促進」…「高い」「性犯罪が怖い」の声も

政府は11月に総合経済対策を閣議決定し、「安全で質の高いベビーシッターの利用促進」に取り組む方針を明確にした。一部報道によれば、ベビーシッター利用料の一定額を所得税から控除できるようにする方向で検討に入ったという。

高市総理が先の総裁選で「どうしても実現したい政策」として挙げており、期待を寄せる声が多くあがっている。

いっぽう、Xには次のような声もある。

「ベビーシッター頼みたいけど3時間頼むと1万近くすると思うと二の足を踏む」

「高いから高所得者しか利用できない」

「知らない人が家に入るのが無理でシッターさん呼ぶとか考えられない」

「悪意があったり性犯罪者もいるから怖すぎて頼めない」

ベビーシッターの利用にあたってハードルの高さを感じる理由はさまざまあるようだ。
小学生を育てる父親は次のように話す。

「うちは共働きで奥さんが時短勤務をしていますが、『本当はベビーシッターとか使ってもっとバリバリ働きたい』と言うこともありました。でも結局、料金の高さや、他人を家に入れることの心理的なハードルから、利用することはなかったですね」

また、ベビーシッターの利用経験があるという2児の母親は次のように振り返る。

「子どもが生後2か月頃のときに、自分の時間をつくるために自治体のファミリーサポートセンターとプロのシッターさんを数回ずつ頼んだことがあります。すべてプロだから安心して任せられましたよ。ただ、シッターさんは料金が高くて、結局、1時間単位で数千円するからやめました」

人手不足、高齢化…山積する課題

法的には「認可外の居宅訪問型保育事業」と分類されるベビーシッター。一度利用すればそのありがたみを実感できるという声も聞かれる。ある事業者は次のように話す。

「今期はインフルエンザの蔓延等により、今まで以上にお客様が増えました。そのため、現在は新規のお客様の受け入れを停止している状況です。また、シッターの人手不足が続いており、社内スタッフの健康のために土曜日の営業を中止しました」

ベビーシッターのニーズが高まる中、利用促進のためにどんな課題があるのか。ベビーシッターに関する研修や質の維持向上に取り組む公益社団法人全国保育サービス協会の担当者に話を聞いた。

「ベビーシッターには利用者からの申し込みを受けた事業者がベビーシッターを派遣する『事業者型』と、マッチングサイトを通じて利用者がベビーシッター個人に申し込む『マッチング型』があります。私どもの協会の会員は事業者型になります」

こども家庭庁が実施した調査(地域児童福祉事業等調査結果の概況)によれば、令和6年10月の「認可外の居宅訪問型保育事業」は6416か所(事業者7.3%、個人92.6%)。もともと日本におけるベビーシッターは事業者型だけだったが、今では業態が増え、必ず自治体に届け出をするように定められているという。

ベビーシッターとして働くにはどのような資格の取得が必要なのだろうか。

「ベビーシッターは子どもの保育や世話をする人であり、家事は同時にはしません。

認可外の保育施設の指導監督基準の中で、ベビーシッターは保育士または看護師であること、資格を持っていない方は指定された研修を修了すること、と定められています。協会の会員事業者に所属するシッターさんの97%の方がそれらの従事要件をクリアしています」

資格や研修の制度が整備されているいっぽうで、シッターの高齢化や人材不足という課題もある。

「全国保育サービス協会で行なった実態調査では、所属しているシッターさんのおよそ8割を50歳以上の方が占めています。昨今では未婚の方や、お子さんをお持ちでない方で60歳くらいからやってみたいという方もわずかですがいらっしゃいます」

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