東京・新宿の歌舞伎町では、悪質ホストクラブへの規制を強化した改正風営適正化法の影響で、「指名数No.1」や「1億円プレイヤー」といったホストの看板が姿を消しつつある。少し前に現地を訪れると、これまでギラついていたランキングの文言は塗り潰され、売り上げや指名数の公表は規制対象となっていた。
この動きはショーパブ業界にも波及する可能性がある。業界関係者の間では、客のチップで人気キャストやランキングが決まる「投票制度」がいずれ廃止されるのではないか、との憶測が広がっているのだ。
ショーパブの投票制度とは、来店客が気に入ったキャストにチップや専用投票券を渡し、その数で人気ランキングを競う仕組みである。例えば「1000円のチップ=1票」と換算され、月ごとやイベントごとに集計される。この仕組みはショーパブのみならず、バーレスク系列などのショークラブにも取り入れられている。
ランキング上位者は店頭ポスターやSNS広告で大きく取り上げられるほか、特別ステージに立つなどの特典を得られる。キャストにとっては努力が数字として可視化される、大きなモチベーション源だ。
しかし、ホストクラブでのランキング規制と同じ流れがここに及べば、この制度は見直される可能性がある。都内のショーパブに勤務するダンサーが語る。
「投票制度は自分の努力が評価される仕組みだったので、それがなくなるとモチベーションをどう保てばいいのか悩みます。もし廃止されれば『人気ランキングで集客』という手は使えなくなるので、SNSキャンペーンやイベント型プロモーションといった、新しい工夫が必要になりますね。そもそも、単純にチップが減るのは正直言って、イタイです…」
現段階では憶測にすぎないものの、ホストクラブの規制が示す方向性を見る限り、ショーパブ業界の集客手法や広告戦略も、無傷では済みそうにない。各店舗が新しいルールにどう適応していくのか、今後の動向から目が離せないのである。

