企画の効果を最大化する “3つのこだわり”
単なるイベントで終わらせないために、今回のコンペでは企画の効果を最大限に引き出すための工夫を凝らしました。中でも、私たちが特にこだわった3つのポイントをご紹介します。
1. 各チームに「専属分析アドバイザー」を配置
参加チームそれぞれに、データ分析を専門とするみんなの銀行のデータサイエンティストを「専属分析アドバイザー」としてアサインし、分析のレビューや相談に乗る体制を整えました。
これは分析初心者をフォローすることが第一の目的ですが、経験者にとっても実践的な分析スキルの向上につながると考えました。経験豊富なアドバイザーが伴走することで、座学では決して学べない「実務ならではの勘所」が数多く共有されました。
実際に、コンペ終了後のアンケートではこの施策が最も高い評価を得ており、非常に効果的な施策だったと確信しています。
▲写真:専属分析アドバイザー役のデータサイエンティストが、参加チームをサポート
2. 参加者全員で学び合う「ナレッジシェアリング賞」の設置
コンペを盛り上げるため、「最優秀賞」や「データアーティスト賞」といった評価軸に加えて、参加者同士の学び合いを促進するユニークな賞として「ナレッジシェアリング賞」を設けました。
ナレッジシェアリング賞は、コンペ期間中、他チームに役立つ知見(ナレッジ)を共有し、最も多くの「いいね」を獲得したチームに贈られます。この賞には、単に学びが深まるだけでなく、以下のような素晴らしい副次効果がありました。
・チームの垣根を越えた交流が生まれる
・分析が苦手な人でも、情報共有という形でチームに貢献できる
・参加者の手持ち無沙汰を防ぎ、主体的な関与を促す
・定期的な情報発信が、コンペ全体の熱量を高める
ちなみにこのアイデアは、世界最大のデータ分析コンペプラットフォーム「Kaggle」の仕組みを参考にしたものです。
3. 「提案して終わり」にしない、実務への接続
私たちが企画段階で特に意識したのは、イベントを一過性の盛り上がりで終わらせず、いかにして実務につなげるかという点でした。こうしたイベントが「提案して終わり」になってしまうケースを避けるため、企画段階から「実務への接続」を強く意識した設計にしました。
具体的には、プレゼンテーションの評価項目に「実現可能性」という軸を明確に設定。さらに参加者には「サービス開発を伴わなくても、すぐに実行できる施策」を盛り込むよう促しました。
この工夫によって、参加者の視点が単なる「面白いアイデア」に留まらず、「実行可能なビジネスプラン」へと自然に深まり、結果として、地に足の付いた本格的なアウトプットにつながったと感じています。
緊張の最終プレゼンテーション
▲写真:経営層も参加する最終プレゼンテーションの様子
いよいよ、最終プレゼンテーションの日。
iMZの拠点がある福岡オフィスと東京オフィスをリモートで結んだ会場は、スクリーン越しにも伝わるほどの緊張感に包まれます。ついに、熱戦の火蓋が切られました。
各チームが「発表」するのは、業務の合間を縫って4週間磨き上げたビジネスアイデアです。その本格的な内容に、審査員を務める経営層も真剣な表情で頷きます。
続く「質疑応答」も白熱しました。「どうすれば実務に活かせるか」という鋭い指摘が飛び交い、発表者も自身の言葉で懸命に思いを伝えます。
▲写真:表彰式の模様。最優秀賞を受賞した「Gigaチーム」の皆さん
そして厳正な審査を経て、同日中に行われた「表彰式」。入賞チームからこぼれる安堵と喜びに満ちた笑顔が、何よりも印象的でした。
総評では、みんなの銀行 頭取の永吉さんから、次の力強い言葉が贈られました。
「どのチームの提案も実効性が高く、素晴らしい内容でした。ここからは経営の役割として、皆さんの提案をしっかり受け止め、実現に向けて全力でサポートします。」
その言葉を裏付けるように、すでに実現に向けたプロジェクトが始動しています。アイデアをアイデアのままで終わらせず、実際のビジネスへと昇華できていることは運営として大きなやりがいを感じました。
