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「私を洗脳した“あの人”には潔く引退してほしい」小阪由佳が告白した“洗脳支配”の恐怖…20キロ激太り、暴力、ブログ乗っ取りも

「私を洗脳した“あの人”には潔く引退してほしい」小阪由佳が告白した“洗脳支配”の恐怖…20キロ激太り、暴力、ブログ乗っ取りも

2004年、「ミスマガジン」を受賞し、グラビアを中心に一躍注目を集めたタレント・小阪由佳。だが、頼った女性占い師から「太ったら注目されるよ」と言われ、その言葉を信じ続けた結果、“洗脳状態”へ。そのまま2009年には芸能界を引退、さらに20キロ激太りした姿がブログに投稿されるなど、世間を大きく騒がせた。そんな彼女が“洗脳されていた日々”を赤裸々に綴った書籍『六本木洗脳』を発売。これにはどんな思いが込められているのか。(前後編の前編)

「バター乗せカツカレー」で20キロ激太り

――『六本木洗脳』には、2000年代当時の芸能界の闇だったり、また小阪さん自身が洗脳され、ボロボロになっていく様子が赤裸々に綴られていますが、なぜ、この本を出版しようと思ったのでしょうか。

小阪(以下同) きっかけは4年くらい前になります。たまたまテレビを観ていたら、私を洗脳した“あの人”が出てきて。それを見た時、すごい体が震えて、恐怖みたいなものが全身を襲ってきました。

さらに、その恐怖が何日たっても消えなくて。自分としては、もうある程度、洗脳からは抜けたと思っていたのですが、そうではなかった。これを乗り越えるために、自分の気持ちと向き合うために書き始めたのがきっかけです。

――書籍では、その方を「女性で、年上で、占い師で、頼りがいのある“姉さん”」と書かれていますが、どのような経緯で洗脳されていったのですか。

私は高校を卒業して芸能界に入り、運よくすぐにミスマガのグランプリをいただきました。右も左もわからないまま毎日必死だったんですが、なかなかキャラを確立できずに“これでいいのか”と悩んだり、“仕事がなくなったら社会人としてやっていけないのではないか”といつも不安だったんです。

そんなとき、以前に番組で共演したことのある“姉さん”に悩みを告白し、依りかかっていくうちに、徐々に支配されていきました。

――そんな彼女の言うがままにその後、芸能界を引退、20キロ激太りし、さらにその姿をライブで公開するなど、“お騒がせタレント”として炎上していきますが、一番苦しかったのはどんなことですか?

どこ、とピックアップするのも難しくて、もうずっと苦しいんですよ。でも、やっぱり一番つらかったのは、自分が激太りした姿が、記事となって世間に出たときですかね。血の気がひきました。

今で言うと、絶対に送ってはいけないLINEを送ってしまったけど、送信取り消しが出来ず、既読がついてしまった。もう消せない!というのに近い恐怖。それを全国に公開したようなものでしたから。

――当時、自分が洗脳されているという自覚はあったのでしょうか?

それは、ありました。当時は「太ったら話題にもなるし、注目される」「太れ!まだまだ足りない!もっと太れ」と言われるがまま、嘔吐しながらバター乗せカツカレーを食べていたんですが、洗脳の卑劣なところは、“自分の意思でやっている”と思わせるところなんです。

こんなにも太った姿を世間に公表するなんて絶対に嫌だと思う一方で、ここまで太るために頑張ってきた努力を否定したくない自分もいて、突き進んでしまったというか。

“洗脳グラドル”とよばれて

――当時はネット黎明期、ぶっ飛んだ投稿でたびたび話題となった小阪さんのブログも、実は“姉さん”が小阪さんになりすまして投稿したとは驚きました。

あの頃はネットリテラシーと呼べるようなものがほぼない状況で、どんなにひどいことを書いてもアカウントがバンされることはないですし、ブログのコメント欄は荒れ放題。

誹謗中傷は1万件を超えて、最終的にはサーバーがダウンして自分でもブログにアクセスできない状態でした。あのときは“とんでもないことをやってしまった“”地獄に落ちたな”って思いました。

世間からは“洗脳グラドル”といわれ、周りにいた人たちも全員離れていってしまい、本気で自死も考えるほどでした。

――激太り時代の写真は今でもまだネット上に落ちていますが、洗脳が解けた今、あらためて目にすると、どのようなお気持ちになりますか。

今でもまだつらいです。胸をえぐられますし、見るたびに傷ついてしまう。でも、そんな状態のまま生きていくのは、自分があまりにもかわいそう、とも思えたり…。本当にいろんな感情が湧き上がってきます。

でも、その姿を見て「この体験こそが私!」と胸を張れるような人生を歩みたいと、この15年間ずっと自分と戦ってきました。後悔をそのままにしない人生にするためには、自分が自分を救う覚悟を決めなくてはいけないので。

あの人の姿をたまたまテレビで見てしまったことで、その覚悟が余計に強くなったという部分はあると思います。

――本を出版してから、周囲の反応はいかがでしたか。

「小阪さんが、実はこんな人だなんて思いませんでした」とか、「こんなに大変だったんだね」「頑張って乗り越えられたんですね」など、様々な感想をいただけて感謝しています。
「生きててくれて本当よかったです」と言っていただけたのも、嬉しかったです。

でも、書いている間はもう一回、絶望のどん底に落ちそうになったんです。忘れたいことをわざわざ思い出すって、自分を苦しめる作業ですから。

せっかく神様は“忘れる”という能力を人間にくれたのに、また引っ張り出してあの時の苦しみに戻るのは……。書き始めた時に覚悟はしていたけど、想像以上に辛かったですね。

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