現地時間12月12日(日本時間13日、日付は以下同)、オクラホマシティ・サンダーとサンアントニオ・スパーズが、ネバダ州ラスベガスで練習をこなし、メディア対応に臨んだ。
両チームは翌13日にT-モバイル・アリーナで開催される「エミレーツNBAカップ2025」の準決勝で激突する。ここまでリーグベストの24勝1敗(勝率96.0%)を誇るサンダーと、17勝7敗(勝率70.8%)でウエスタン・カンファレンス4位タイにつけるスパーズは今季初対決となる。
サンダーは今季、2015-16シーズンのゴールデンステイト・ウォリアーズと並び、シーズン最初の25戦でNBA歴代ベストの戦績を記録中。そのシーズンにウォリアーズが樹立した73勝9敗(勝率89.0%)を上回り、歴代最高勝率を塗り替える可能性も秘めている。
サンダーを引っ張るシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)は「勝ち続けることが重要なんだ。それがどんな形であろうと、俺には関係ない。当然それを狙っている」と、チーム全体でウォリアーズの記録を抜くことを意識していると明かした。
現在は控えシューターのアイザイア・ジョーがヒザの故障で離脱中だが、右ヒラメ筋の負傷でここ6試合を欠場していた先発センターのアイザイア・ハーテンスタインが復帰予定のため、選手層はさらに厚みを増す。
一方のスパーズも、シーズンの大半でベストメンバーが揃わないなか、ここまで勝率7割超えを記録。しかも、ふくらはぎ負傷のため12試合連続で欠場していたヴィクター・ウェンバンヤマが、サンダー戦で約1か月ぶりに復帰する見込みだ。
今季平均26.2点、12.9リバウンド、4.0アシスト、1.08スティール、3.58ブロックを記録する若き大黒柱の不在期間、スパーズは9勝3敗と大きく勝ち越しに成功。ディアロン・フォックスにステフォン・キャッスル、デビン・ヴァッセル、ハリソン・バーンズ、ディラン・ハーパー、ルーク・コーネットといった実力者たちが、ケミストリーを築いている。
そうしたなか、サンダーでキャリア3年目を迎えるチェット・ホルムグレンは、NBA同年デビューのウェンバンヤマの復帰を歓迎していた。
「僕らは最高の選手たちが揃い、健康状態も万全で、本当に強い相手と対戦したい。彼らはすでに素晴らしいチームで、彼(ウェンバンヤマ)が戻ってくればさらに強くなる。だから楽しみにしているよ」 今季のホルムグレンは自己最多の平均18.8点に8.0リバウンド、1.7アシスト、1.52ブロックを残し、フィールドゴール成功率でもキャリアハイペースの58.1%をマーク。216cm・94kgのホルムグレンと、224cm・107kgのウェンバンヤマによるビッグマン対決は必見だ。
さらに、サンダーの得点源であるSGAとジェイレン・ウィリアムズを、スパーズがいかにしてスローダウンできるかも注目ポイントとして挙げられる。
勝利したチームがNBAカップ決勝へ駒を進める一発勝負。両チームは今月23日と25日、2026年1月13日、2月4日と、今季は計5試合も組まれているが、ホルムグレンはサンダーの“好敵手候補”をこう評していた。
「彼らはハングリーで、今まさにいいプレーをしている。そこにヴィクターが加わるんだから、もっと強くなるだろうね。彼らと対戦するのが楽しみだ。彼らも僕らと戦うことを楽しみにしてくれているだろう。良い試合になるはずだ」
13日の準決勝では、ウエストの2チームに加え、イースタン・カンファレンスを勝ち上がったニューヨーク・ニックスとオーランド・マジックが激突し、16日の決勝を目指す。サンダーは昨年の決勝でミルウォーキー・バックスに敗れているだけに、そのリベンジという意味でも燃えているだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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