筆者の自宅には猫が3匹いる。朝が早い猫たちとの生活は、冬場ほど辛い。寒いためベッドから出るのが億劫なのだが、猫はそれを許してくれないからだ。我が家の3匹の猫は朝4時を回った頃から騒ぎ出し、ドタンバタンとご飯の催促が始まる。
困るのは一番下の猫(そうせき・3歳)の、その後の行状である。どうやら食べ終わった後は遊ぶ時間と決めているようで、2階にいると「降りてきて遊んで」攻撃が断続的に続く。「ヤン」「ワーーン」「ヒャン」という、猫の声とは思えない叫び声を発して、何度も何度も階段の下から呼ぶのだ。
仕方なく降りて行くと、真っ先にリビングの床に真横に伸びをして、体を一直線に。お腹の辺りをスリスリしてくれと催促する。それからヒモや猫じゃらしなどを持って室内を歩いてやる。この時なぜか「ウウウウウ」と妙な鳴き声を発し、足元をウロウロ、頭をゴンゴンとぶつけてくるのだ。
このそうせきに関して、不思議に思うことがある。新聞への反応だ。
筆者が床に広げて新聞を読み出すと、その上に座ったり横になったり。読むのを邪魔するのだ。というか、新聞がなぜか好きらしい。筆者は新聞社で仕事をしているが、それを知ってか、新聞に愛着と興味を示す。かつて流行った「新聞少年」という歌があるが、それに倣って「新聞猫」と勝手に呼ぶようになった。

もちろん新聞を読むわけではないが、ニオイが好きなのか、ザラザラしている紙が心地いいのか。それとも人間が文字を追いかけているのが不思議なのか、こちらをジッと見ていることがある。
そのうちに、新聞の角を齧り始める。これはどういう意味の行動なのか。インクのニオイが好きなのか、紙を食べるのが面白いのか。
これが新聞猫の早朝の決まりごとであり、一日の始まりなのだが、これにもう一匹が加わることがある。
猫との暮らしでは、安眠がないことを覚悟しなければならない。
(峯田淳/コラムニスト)

