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17年ぶりJ1復帰。オシムさんなら何て言うかな。クラブOBが思いを馳せる「ここからのジェフが大切なんじゃないかと」

17年ぶりJ1復帰。オシムさんなら何て言うかな。クラブOBが思いを馳せる「ここからのジェフが大切なんじゃないかと」


 2009年のJ1で18位に沈み、10年~25年の16年間、J2にとどまっていたジェフユナイテッド千葉。Jリーグの川淵三郎初代チェアマン、日本サッカー協会の田嶋幸三前会長、日本代表で過去二度、ワールドカップで指揮を執った岡田武史氏ら数々の要人を輩出した古河電工を前身とし、93年Jリーグ発足時のオリジナル10でもある名門が、こんなにも長く2部リーグで戦うことになるとは一体、誰が想像しただろうか。

「落ちた時は『1年くらいで上がれるのかな』と。そう考えていた自分を罰したい」と前回のJ1時代を知る生き証人・米倉恒貴も苦渋の表情を浮かべたが、J1再昇格はそんなに甘いものではなかった。

「J1のジェフでプレーしていた選手たちが再びチームを昇格させるべくジェフに戻り、何度もチャレンジしたものの叶わず、いつの間にか『J2のジェフ』になってしまっていた」と“オシムチルドレン”の1人である水野晃樹も悔しそうに話す。

 水野が言及した通り、この16年間の千葉には山口智、佐藤勇人、大久保裕樹といった面々が復帰。ハードルを超えるべくチームをけん引しようとしたが、昇格は叶わなかった。彼らは5度のプレーオフに参戦し、ことごとく失敗に終わったのだ。

「J1に上がりたいなら、ぶっちぎりで自動昇格するしかない」という共通認識も生まれたはず。小林慶行監督体制3年目の今季は、本当にそれを現実にできそうだった。開幕から快進撃を見せ、折り返し地点まで首位をキープ。指揮官も選手たちも「イケる」という手応えを掴みつつあったに違いない。

 だが、そこからがいばらの道だった。最終的に水戸ホーリーホックとV・ファーレン長崎に抜かれ、3位でフィニッシュ。6度目のプレーオフ参戦を余儀なくされた。米倉も「やっぱりまたジェフかっていう思いを持った人が、たくさんいたと思う」と神妙な面持ちで語る。
 
 それでも、今回の千葉は同じ轍は踏むことはなかった。12月7日の準決勝でRB大宮アルディージャに4-3のミラクル逆転勝利。勢いに乗ると、13日の決勝で徳島ヴォルティスを1-0で撃破し、とうとう高い壁を乗り越えることに成功したのだ。

 大宮戦で3失点した反省を踏まえ、キャプテンの鈴木大輔を中心に守備面を確実に修正。決勝ゴールを奪ったカルリーニョス・ジュニオの貢献度も大きかった。選手たちのパフォーマンスをマックスに引き上げたサポーターの存在も特筆すべきものがあった。高度な一体感と結束力でもぎ取った17年ぶりの昇格だったと言っていい。

 歓喜の瞬間をフクダ電子アリーナで見守ったOBたちは一様に安堵感を覚えていた。

「僕たちが止めた時間を今の選手たちがまた動かしてくれたんで、本当に感謝しています」と巻誠一郎が言えば、降格とともに引退した斎藤大輔も「落として現役引退したのでずっと心残りだった。ようやく心が晴れました」と笑顔を見せた。

 そして水野も「フクアリ全体がこの勝利を呼び込んだ。鳥肌が立つほどの心強い味方が選手たちを後押しし、いつも以上のパワーを与えてくれたと思います」と、2試合続けて本拠地で戦えたアドバンテージの大きさをしみじみ感じたという。

「走るとか戦うというのは、古河電工時代からの伝統。オシムさんの頃は『怒られないように』と思って走ってましたけど、今はデータや戦術的なことも選手が理解しつつ、ハードワークできる集団になったと思います。

 その方向性が、慶行が監督になってからの3年間にしっかりと合致した。積み上げてきたものの成果がJ1昇格という形になって表われたと思います。そういうチーム作りをした慶行は本当に凄い。僕は彼を支えるだけでした」と、レジェンドの1人であるコーチの坂本將貴は強調。17年ぶりのJ1昇格は名門の伝統と指揮官のマネジメントがうまく融合した成果だと明かしてくれた。
 
 2026年は21年ぶりに“オリ10”クラブがJ1に揃うことになる。だからこそ、ここから先が重要だ。これだけ苦労して最高峰リーグに上がっても、1年で落ちてしまったら意味がない。同じオリ10の清水エスパルス、または2000年代に栄光の時を過ごしたジュビロ磐田も昇降格を繰り返すなど、J1定着・上位躍進は非常に難しいのだ。

「本当にここからが大事。しっかりしたビジョンをクラブが持ち、選手やスタッフが責任と覚悟を持って成長しなければいけないと思います」と目下、GM業に携わっている水野はあえて語気を強めていた。

 巻も「オシムさんは勝っている時は黙っている人。でも今のチームに声をかけるとしたら、『今日は素晴らしいゲームをしたけど、ここからのジェフが大切なんじゃないか』と言うと思います」と恩師に思いを馳せた。
 
 確かにオシム監督は現状に満足しない指導者だった。そのマインドを知る坂本、斎藤らを通して引き継がれていくはず。チャレンジし続けてこそ、初めて千葉は完全復活するのだ。

 今回の昇格はその序章に過ぎない。それをクラブ全体が真摯に受け止め、歩みを止めることなく前進し続けていくこと。それを強く求めたいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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