男性が育児参加することが当たり前になった時代。パパになった著名人たちに日々の育児や将来子どもたちに残しておきたい、パパからの便りを語ってもらう連載「パパより〜拝啓 大人になった君へ」。今回は、2019年に妻・琴さんと入籍。その後、2022年1月に長女の絃(いと)ちゃん、2024年3月に次女の謡(うた)ちゃんが誕生した元人気子役でタレントの内山信二さんに話を聞いた。
Instagramでは家族の行事写真など、飾らない日常をアップし、子煩悩な印象を受ける。自身も子役として活躍していた内山さんは子育てについて、そして愛娘にどんな人間に成長して欲しいと考えているのか。(前後編の前編)
「子育てを楽しもう」イクメンへの憧れを捨てた瞬間
現在44歳の内山さん。長女が誕生したのは40歳の時だった。妻の琴さんは、不妊治療(体外受精)の末に妊娠。出産後、内山さんは初めて我が子を抱っこした時は感慨もひとしおだったという。
しかし内山さんは1人目を育てる際、“父親とはこうあるべき”と高い理想を掲げていたため、上手くいかないことがある度に、大きなストレスを抱くようになった。
「僕の中で父親としての確固たる理想像がありました。奥さんの中にも“母親として完璧でいなければいけない”という強い意識があったみたいです。お互い理想とする子育ての姿を頭に描いていたのですが、長女が2歳になった頃に“これは無意味だ”と気づいたんです。
というのも、子育ては思い通りにはいかない。当たり前だけど赤ちゃんは僕らのペースに合わせてくれないんです。それに対してイライラしちゃうことは無意味だなって。その時に、僕も奥さんも“子どもと一緒に親として成長していこう”と決めました。何でも楽しもうと思えてからは、子育てが楽になりました」(内山さん、以下同)
長女が生まれて約2年後に次女が誕生。内山さんが“子育てを楽しもう”と頭を切り替えた後だ。同時に内山さんはイクメンへの憧れを捨てた。
「子どもたちは日々成長していくんですけど、その姿がかわいくて仕方がない。育児の楽しさ、大変さの比率で言ったら僕は9割楽しませてもらっています。
イクメンで何でもテキパキとこなすお父さんは周りにいます。他のお母さんたちが憧れの眼差しで見るような完璧なお父さんが。そんな人を見て、僕も“こうありたい”と思ったこともあったけど、できないものはできない。開き直りじゃないけど、僕は僕らしく子どもたちと接しようと考えました」
子どもが生まれたことで内山さんの生活スタイルにも大きな変化が生まれた。かつてはスナック通いにギャンブルなど、自由を謳歌していた内山さんだが、現在は仕事が終われば真っ直ぐに自宅に帰る日々だ。
「正直、20代の頃に子どもができたら自分も遊びたい盛りですし、こういう考えにはなれなかったと思います。でも今は子どもと一緒にいる時間が僕の趣味と言える。家族といる空間がなによりも至福なんです。今はもう、仕事が終われば一目散に自宅に帰っています」
長女からの一言「パパは3歳だね」
長女が生まれた2022年はコロナ禍だった。病院の面会も制限されていて、出産も立ち会い禁止。そんな折に内山さんは“母は強し”という光景を目の当たりにしたという。
「長女は逆子だったので帝王切開での出産を選択しました。本当は立ち合いたかったけれど、コロナ禍でしたし、立ち会えず。なので、自分の子どもが生まれたとようやく実感できたのは、出産から1週間後、退院する際に抱っこした時です。人目もはばからず、泣いてしまいました。
僕はその時に親になったことを実感しましたが、一方の奥さんは妊娠した時から母親になっているんです。そして奥さんは出産してから、子どもとすでに1週間を一緒に過ごしている。退院する頃には母としての姿そのものでした。そしてオムツを替えるのが最初から抜群に上手い。子育てを通じて、母の偉大な姿をまざまざと見せつけられています」
現在、内山さんは“競艇好き芸能人”としてボートレース番組に数多く出演している。競艇場は全国に24箇所点在しているため、営業仕事などで、数日間家を開けることもしばしば。この取材も山口県に1週間滞在するロケ撮影を向かう前に行なわれた。
「月に数日しか家にいることができないこともあります。そんな中で、上の子は今年の4月から幼稚園に通うようになり、下の子は1歳8ヶ月です(取材時)。僕の仕事の特性上、一緒に過ごせる時間は限られてしまっているのですが、家族のイベント事だけは必ず参加できるように仕事の調整をしています。お祝い事はこれからも大事にしていきたいですね」
内山さんが仕事に没頭できるのは、妻・琴さんの支えがあってこそだ。家事の分担についても「9.5割、奥さんにやってもらっています。僕は時間がある時に、皿洗いとゴミ捨てをやる程度。もともと家のことが何もできない人なんです」と明かす。
「そんな僕の姿を見て、長女に『パパは3歳だね』と言われました。父親として子どもたちを叱ったこともありますが、それも今では奥さんがしてくれています。
というのも、ある日『パパは怒っちゃダメ』と言われてしまいました。きっと子どもたちは、ママに何でもやってもらってる僕のことを同等に見ているんでしょうね(笑)。
僕が子育てを9割楽しめているというのは、出張などで物理的に1人の時間があることも大きいと思います。その反面、奥さんは大変だと思います。最低限ではあるんですけど、僕も、休みの日は家族ファーストで、連休があった時には子どもたちをどこに連れていこうかと考えています」

