『サタデーナイツ・メインイベント』が現地時間13日、ワシントンDCで行われ、ジョン・シナが引退試合。激闘の末にグンターに敗れ、23年にわたるWWEでのレスラー人生に幕を下ろした。
シナは2002年にWWEデビュー。2005年のレッスルマニアでWWE王座初戴冠を果たして以来、WWEを代表するトップスターとして活躍してきた。昨年7月に引退を表明。今年4月の『レッスルマニア41』ではコーディ・ローデスを破って統一WWE王座を奪取し、史上最多となる17度目の頂点ベルト戴冠を果たした。そして11月にはドミニク・ミステリオを破ってIC王座を初戴冠。引退目前にグランドスラムを達成した。
そしてこの日、ついに引退試合を迎えた。相手は「ザ・ラスト・タイム・イズ・ナウ・トーナメント」を制した元世界ヘビー級王者のグンター。19232人の大観衆による「レッツ・ゴー・シナ!」の大合唱の中、シナは花道を疾走し、最後のリングへと駆け込んだ。場内は割れんばかりの大歓声。シナはリングを降りると、リングサイドで見守るカート・アングル、ロブ・バン・ダム、ブッカーT、ケビン・オーエンズ、サミ・ゼインらと握手と抱擁を交わした。
開始のゴングが鳴らされると、エルボースマッシュを連発するグンターに先制されたシナは逆水平を連発されて劣勢で幕開け。それでもフライングショルダーを連発して反撃。プロトボムで叩きつけると、「ユー・キャント・シー・ミー!」の大合唱とともにファイブナックルシャッフルを投下した。アティテュードアジャストメントは時期尚早で決められず。グンターにジャーマンで投げ飛ばされ、ラリアットを食らったものの、STFで絞め上げた。
逃れたグンターは正面飛びドロップキックで反撃し、高角度パワーボムで豪快に叩きつけた。動きが止まったシナはラリアットを5連発されて劣勢に。それでもフライングショルダー連発、プロトボム、ファイブナックルシャッフルを立て続けに決めると、アティテュードアジャストメントをさく裂させた。グンターも2カウントでキックアウト。シナが再び仕掛けたアティテュードアジャストメントを阻止すると、胴締めスリーパーで捕らえると、逃れたシナは胴締めスリーパーでお株を奪った。
場外戦になるとグンターがエプロンへのバックドロップを敢行。シナを鉄階段に投げつけると、実況席上へのパワーボムを狙う。が、食い止めたシナがアティテュードアジャストメントでグンターを実況席に叩きつけた。リングに戻ると、後頭部へのダイビングギロチンドロップを投下。3発目となるファイブナックルシャッフルを狙ったものの、グンターがカウンターのフロントハイキックで阻止した。
すかさずグンターがジャーマン、パワーボムの猛攻に出たが、シナも雪崩式アティテュードアジャストメントで応戦して譲らない。グンターが激しい殴り合いに持ち込んでも真っ向から渡り合い、アティテュードアジャストメントを仕掛けたが、阻止したグンターはパワーボムで逆襲。ダイビングボディプレスを投下し、再びスリーパーで絡みつく。シナがアティテュードアジャストメントで切り返そうとしても、コーナーに激突させて逃れようとしても蛇のようなしつこさで離さず。一気に絞め上げた。
万事休すと思われたシナだったが、「シナ!」チャントに応えるように何とか脱出。アティテュードアジャストメントで反撃するものの、次の瞬間、グンターが胴締めスリーパーで捕獲。耐え続けるシナの側頭部にエルボースタンプを連打したグンターはなおも胴締めスリーパーで絞め上げた。シナもしばし耐えたものの、最後はたまらずタップ。グンターが介錯した形となった
シナが激闘を繰り広げたものの引退試合を勝利で飾れず。試合後はしばし大の字で倒れたまま。ようやく体を起こしたシナはリングにキスし、「サンキュー・シナ!」の大合唱の中、立ち上がると深々と一礼した。
そこへトリプルH、ステファニー・マクマホンを筆頭に選手、レフェリー、スタッフがリングサイドにやってきた。統一WWE王者コーディ、世界ヘビー級王者CMパンクがリングに上がり、それぞれのベルトをシナの肩にかけて敬意を表した。「サンキュー・シナ!」の大合唱が会場を包む中、シナは2本のベルトを掲げ、大歓声に応えた。そして二人にベルトを返すと、トリプルHと握手、抱擁。トリプルHがビジョンを指さすと、シナの足跡を収めたVTRが上映され、映像の中でビンス・マクマホン、トリプルH、アンダーテイカーらが登場し、シナの功績を称えた。
拍手と大歓声の中、シナは四方に深々と一礼。敬礼すると、リングシューズ、リストバンドを脱いでリング中央に置き、最後のリングを降りた。花道の途中で立ち止まったシナは会場中を見渡し、再び一礼から敬礼。そしてバックステージへと姿を消した。23年間の長きにわたってWWEのトップ戦線で活躍してきたシナの引退によって、一つの時代が終わりを告げた。

