シャルル・ルクレールは2019年からフェラーリでF1を戦ってきたが、これまでの5年間でタイトルを獲得できていない。それでも彼は世界チャンピオンを目指す上で他チームへ移籍するつもりはなく、あくまでフェラーリと共に頂点に立つことを望んでいる。
ルクレールは2016年にフェラーリ・ドライバーズ・アカデミーに加入。ザウバーで経験を積み、2019年にフェラーリへ昇格。これまでに8勝を挙げており、ランキングの最高位は2位となっている。
ルクレールはジュニアカテゴリーで結果を残し、F1でも基本的にチームメイトを常に上回り、並外れた実力を発揮してきた。しかしF1世界チャンピオンには手が届いていない。
原因はフェラーリがタイトルを争えるだけのマシンを用意できていないことにある。特に2025年シーズンは苦戦が顕著で、現状のルクレールはランキング5番手……首位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とは159点の大差がついている。
タイトル争いにも加われていない状況が続くが、ルクレールは他チームへの移籍を考えていない。それはなぜなのか? アゼルバイジャンGPでそう問われたルクレールは、こう答えた。
「このチームが大好きだから。それが答えだと思う」
「僕はいつもフェラーリを愛してきたし、その気持ちからモチベーションを得ている。どれだけ時間がかかろうとも、フェラーリを再び頂点に導きたい。信じられる限りは全力を尽くすつもりだ。今も完全にこのプロジェクトに全力を投じているし、それが自分の原動力になっている」
「もちろん、今季序盤にマクラーレンから大きく後れを取っているのを見て落胆したのは事実だ。でもリセットして、新しい目標や別のゴールにモチベーションを見出した。今は今年1勝でも挙げることがその目標だ」
「理想には遠いけれど、それが現状だ。ドライバーとしては、この状況を最大限に生かさなければならない。チームのためだけでなく、自分自身のためにもね。僕はとても競争心が強いし、チームメイトがいることが、常にベストを尽くして進化し続けるモチベーションになっている」
フェラーリというチームは、その歴史と熱狂的なファンの存在から、他のチーム以上に高い期待を背負っている。特に今年は2024年のコンストラクターズランキング2位という結果から、さらに前進する事が期待された。しかしそれは叶わず、ルクレールも新加入のルイス・ハミルトンも未だに勝利できていない。
そうした中では、周囲の雑音を遮断することが重要だとルクレールは話した。
「チームに入ってからずっとそうしてきた」とルクレールは言う。
「2019年は少し難しかった。僕も若かったし、全てが新鮮だったからね。僕への期待が大きかったのもある。F1の2年目でフェラーリの赤いマシンで戦うのは特別なことだった」
「でもそれ以降は、一歩引いて、感情や外野の声に反応しすぎないことが大事だと思うようになった。集中し続けることが重要で、その点ではうまくやれている。でも十分ではない。早く勝利を取り戻さないといけないからね」
2026年シーズンには、F1のレギュレーションが大きく変更される。そのため勝利に向けた新たなチャンスになるが、新マシンにルクレールは以前懐疑的な見方を示していた。
しかし、シミュレータでのセッションを進めていくうちに、その考えにも変化が見られている。
「進化のスピードはすごく印象的だ」とルクレールは言う。
「どのチームも毎週大きな進歩を遂げていると思う。以前、僕がコメントしたときよりも状況は着実に良くなっている。いいことだ」
「それでも大きな変化であることは確かで、解決が難しい部分も残るだろう。新しいクルマに順応していく必要があるし、戦い方も非常に難しくなると思う」
「でもそれは挑戦として受け止めているんだ。もし勝てれば、このレギュレーションを心から好きになるはずだ。勝てなければ、次の変更までの4年間はとても長く感じるかもしれない」

