高橋留美子原作の完全新作TVアニメ「らんま1/2」の第18話が11月9日に放送された。無差別格闘流の開祖で、あかねや乱馬の父たちの師匠。色んな意味で作中最強と謳われる八宝斉の満を持しての登場に視聴者が沸いた。(以降、ネタバレを含みます)
■「らんま1/2」
原作は、1987年から1996年まで「週刊少年サンデー」(小学館)で連載されていた高橋留美子による同名漫画。水をかぶると女の子になってしまう呪いをかけられた早乙女乱馬と、その許婚・天道あかねが繰り広げるドタバタ格闘ラブコメディだ。
最初のTVアニメが1989年から1992年にかけて放送。劇場版アニメやOVAも制作されたほか、2011年に日本テレビで賀来賢人、新垣結衣、夏菜で実写ドラマ化された。そんな「らんま1/2」が約30年ぶりに完全新作アニメ化され、第1期が2024年10～12月に放送された。そして、2025年10月より第2期がスタート。第1期に続き、「呪術廻戦」や「チェンソーマン」などの人気アニメを手がけたMAPPAが制作を担当する。
■生粋の女好き！新キャラ・八宝斉が天道家で大暴れ
学校帰りに父・早雲(CV:大塚明夫)を知る老人から呼び止められ、家に招いたあかね(CV:日高のり子)。その顔を見るなり、早雲と玄馬(CV:チョー）は愕然とする。老人は無差別格闘流の開祖であり、2人のかつての師匠・八宝斉(CV井上和彦)だった。
10年前に八宝斉のもとで修行に励んでいたが、あまりの厳しさに耐えかねた早雲たちは八宝斉を酔わせて眠らせた上で洞窟に封印。しかし、落雷によって封印が解かれ、八宝斉は2人のもとを訪ねてきたのだ。その目的は復讐……ではなく、2人のうちどちらかを差別格闘流の跡継ぎとして鍛えること。玄馬は跡目を譲ったことを理由に、代わりとして乱馬(CV:山口勝平)を推薦し、その日から修行という名目で八宝斉が天道家に居候することになるのだった。
だが、修行はそっちのけで女性をこよなく愛する八宝斉は本能のままに大暴れ。女の姿になったらんま(CV:林原めぐみ)にブラジャーを着せようとしたり、あかねの部屋から下着を盗もうとしたりとけしからぬ行動を繰り返す。挙句には一緒に寝たいという一心で、一晩ぐっすりのツボで眠らせたあかねを連れ去ろうとする八宝斉。これを乱馬と良牙(CV:山寺宏一)は必死に阻止しようとする。
しかし、八宝斉は早雲や玄馬でも敵わないほどの武道の達人。乱馬と良牙をあっさり倒し、あかねにぴったりとくっついて眠ろうとする。ところが、あかねは寝相がひどく、八宝斉はその腕や足を何度も踏まれてボロボロになってしまった。色んな意味でやっぱりあかねは最強だ。
■八宝斉が“女嫌香”で弱体化？玄馬との一騎打ちは意外なオチに
翌朝、あかねたちが学校に着くと八宝斉が一騒ぎを起こしていた。無差別に女子生徒に抱きつく八宝斉を乱馬は止めようとするが、全ての攻撃が軽くいなされる。さらに、八宝斉が放つ凄まじいほどの闘気で吹き飛ばされた乱馬は、「わしがいいと言うまで武者修行でもしてこい」と天道家から追い出されてしまった。
このままやられっぱなしでは気がすまない乱馬は、ある作戦を思いつく。乱馬に頼まれ、八宝斉の服の背中にアップリケを縫い付けたあかね。浮かれ気分で街へ繰り出した八宝斉は様々な女性に声をかけるが、なぜかことごとく逃げられて戸惑う。実は、あかねに縫い付けられたアップリケには、女性にだけ有効な臭気を放つ「女嫌香」が仕込まれていたのだ。
そのせいで女体にありつけなくなった八宝斉はどんどん弱っていき、ついには禁断症状で息ができなくなってしまう。早雲と玄馬はこれ幸いにとダンボールに八宝斉を詰め、北極に送ろうとする。しかし、乱馬は八宝斉がかわいそうに思えたのだろう。2人から八宝斉を助け出し、女嫌香を取ってあげようとするが、その優しさが仇に。雨に濡れて女になったらんまに復讐として女嫌香をつけた体で抱きつき、弱体化させた上でブラジャーをつけた姿を写真に収めようとする。
だが、らんまを男に戻すお湯を飲み干そうとやかんに入ったところ、抜けなくなってしまった八宝斉。最後はトドメを刺そうとする玄馬との一騎打ちに。八宝斉は闘気で巨大化。玄馬も負けじとパンダの姿で巨大化するが、どちらも闘気を使い果たして戦闘不能になるというオチだった。
キャラの濃さ、強さともに作中最強と言っても過言ではない八宝斉の登場に、視聴者は「とうとう八宝斉が出てきてしまった…」「なにが面白いって令和に八宝斉をほぼ原作通りに出してるのが一番面白い」「八宝斉師匠、最高にウザくて最高でした」「井上さんの八宝斉、邪悪な部分もありつつ愛嬌があって可愛い〜」と沸いていた。
※日高のり子の高は、正しくは「はしごだか」
■文／苫とり子
