師走を迎えて、ヤクザ業界も慌ただしく動いている。12月初頭の3日間、全国の親戚・友好団体が、六代目山口組・司忍組長のもとを訪れたのだ。分裂抗争が今年4月に幕引きとなった今、「抗争なき2026年」に向け、ヤクザ組織の首領たちは、いかなる会談をもったのか。その模様を完全レポートする。
六代目山口組にとって年2回行われる親戚・友好団体の訪問行事は、司忍組長が推進するヤクザ社会の「平和共存」を象徴するものとなっている。
その初日となる12月1日は、東日本の団体が、静岡市の直系組織、六代目清水一家(総長=高木康男舎弟)本部を訪れることになっていた。静岡駅構内の改札口付近で捜査員が警戒して、来客の到着を待ち構えていた。
そこへ六代目山口組の佐藤光男若頭補佐(落合金町連合会長)、直参の二代目浜尾組・浜田重正組長が姿を現した。改札内へと進み、出迎えの態勢を整える。
そして午前10時過ぎ、最初の客人である稲川会(東京)一行が到着。内堀和也会長を先頭に貞方留義理事長、池田龍治総本部本部長、小林稔組織委員長、沖勝彦懲罰委員長が続く。佐藤若頭補佐らのアテンドを受け、改札を出た一行は駅構内をぐるりと迂回し、南口ロータリーの東端に停車している送迎車に乗り込んだ。
午前11時前には松葉会(東京・伊藤芳将会長)最高幹部らも到着。そのメンバーは関孝司理事長、河基真治幹事長、郡司東光本部長、小林富佐男総務委員長、佐竹常機総本部局長だった。六代目山口組側は生野靖道若頭補佐(四代目石井一家総長)、竹嶋利王幹部(二代目良知組組長)が出迎えた。
続いて、双愛会(千葉)一行が姿を見せる。椎塚宣会長、荻野典昭理事長、吉井勝明幹事長、小髙政司本部長、海老澤敏己総本部事務局長が、出迎え役の六代目山口組・中田浩司若頭補佐(五代目山健組組長)、四代目益田組・水島秀章組長に導かれるまま、双愛会一行は司組長の待つ清水一家本部に向け出発した。
静岡駅での様子を見届けた本誌が清水一家本部前に移動すると、ちょうど客人の退出準備が始まったところだった。六代目山口組の直参衆が送迎車の周囲で待機する中、双愛会一行が本部内から出てくる。司組長も姿を見せ、椎塚会長らが乗り込んだ車内に視線を送る。静かに発車し、直参衆が深く頭を垂れ、客人を見送った。司組長は終始上機嫌で笑みもこぼれていた。
「例年であれば最後に、東声会(東京・早野泰会長)の一行が訪れ、初日の客人の締めを飾っていたが、この日は諸般の事情により不参加となったようで、その姿を確認することができなかった」(地元関係者)
東声会には今年10月、弘道会の小澤達夫若頭補佐が、早野会長と兄舎弟盃を交わしたうえで東声会に移籍した。その後の状況には業界中が注目の視線を向けている。

