ATP（男子テニス協会）は、11日に公式サイトにて2025年のATPアワード年間最優秀コーチ賞を発表。男子テニス世界ランキング１位のカルロス・アルカラス（スペイン）のコーチを務めるホアン・カルロス・フェレーロ氏とサミュエル・ロペス氏が受賞した。
アルカラスは今シーズン、全仏オープンや全米オープンを含む８タイトルを獲得。その活躍を支えたフェレーロ氏は３年ぶり２度目の最優秀コーチ賞を受賞となった。ATP公式サイトによると、「正直なところ、このプロジェクトを始めた当初は最優秀コーチ賞を目標としていなかった」と明かすフェレーロ氏だが、「私たちと同じようにこの仕事の難しさを理解しているコーチたちから仕事を認められたこと、２度も受賞できたことは大きな意味を持つ」と喜びを明かした。
チームの方針について「ハードワークと規律を重んじると同時に楽しみと喜びを大切にする」と明かしたフェレーロ氏は、自身の指導について「少し厳しく真面目な方かもしれない」としたが、その点を補っているのが「ユーモアの達人で、よりオープンな性格」というロペス氏のようだ。
今シーズンの開幕前にチームに合流したロペス氏は、「フェレーロが７年間付き添ってきたのに対して、私は新参者として新たな風を吹き込んだかもしれない。チームは互いを理解し合っていて全員が等しく貢献しているが、その方法はそれぞれ異なる。私は何よりも、練習は楽しむべきだと強く主張してきた」と明かす。
ロペス氏は来シーズンの目標として「彼（アルカラス）の野心を燃え続けさせること」を掲げる。これに続けてフェレーロ氏は「これまでに成し遂げた成果に安住してはならない。これからはそのモチベーションをさらに高め、ごく少数の者しか手が届かない偉業を求め続け、常にさらなる高みを目指す姿勢を保たねばならない。その姿勢は我々全員に伝染するのだから」とした。
充実のシーズンを送ったアルカラスだが、まだまだモチベーションが尽きるような選手ではないだろう。両コーチの生み出す緊張と緩和の化学反応が、来シーズンのアルカラスにさらなる飛躍をもたらすことを期待したい。
構成●スマッシュ編集部
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