テック3のマーベリック・ビニャーレスは2025年シーズン中に怪我による長期欠場を経験するなど、苦しい時期を過ごした。しかし、メンタル的にかなり成長できたと彼は感じているようだ。
ビニャーレスは昨年までアプリリアに所属していたが、2025年はKTM陣営のテック3に移籍。KTM自体は経営危機からくる財政難に苦しんでしまってはいたものの、彼はシーズン序盤のカタールGPでは2位(後にタイヤ内圧の規定違反で表彰台を失う)を記録するなど、明るい兆しを示していた。
スペインGPやフランスGPでもトップ5フィニッシュを果たすなど、全体的に苦戦気味だったKTM陣営の中でビニャーレスは好調だった。しかし、ドイツGPの転倒で左肩を負傷した結果、彼のシーズンは大きな影響を受けることになった。
夏休み明けのオーストリアGPで一旦復帰したものの、調子が万全ではなく結局レースは不参加。そこからは再び療養が続き、復帰できたのは最終戦バレンシアGPでだった。
ビニャーレスはそんな2025年シーズンを振り返ると、逆境の中で示した自身の精神的な強さを誇りに思っており、今年築いた土台が2026年に実を結ぶと信じていると語った。
「今年は多くの種を蒔いた1年であり、精神的に大きく成長した1年だった」
ビニャーレスはそう語った。
「MotoGPに参戦してきた中で、今年が最もメンタル的に強くなった年だ。それが来年に向けて大きな力を与えてくれる。来年が本当に楽しみだし、もっと向上し、成長し続けたいと思っている」
「もちろん、MotoGPにいる24人すべてのライダーにとって目標は勝つことだ。そして勝つためには、懸命に取り組むことが必要だ」
「シーズン序盤には、どのように取り組むべきかは非常に明確だった。シーズンの初め、周囲に『信じて作業を続けよう』と説得する役割を担っていたのは自分だった。これは僕にとって新しい経験だったが、かなりうまくやれたと思う」
「KTMは進むべき方向を分かっている。ライダーとしてはそれを助ける必要があるし、良いマネージャーであることも必要だ。目標達成に向けて邁進する。それが重要だ」
「今の僕は、しっかりと回復し、2月までに万全の状態にしておくのがとても重要になっている。うまくやれる十分な時間があると思うよ」
ビニャーレスは最終戦バレンシアGPで復帰した際も、体は完璧な状態ではなかった。しかし、そのコンディションでライディングしたことで、KTMのマシンの弱点をより正確に把握することができたのだと語る。
「負傷前はすべての問題をねじ伏せてしまっていた。興味深いことに、今はそれができないからこそ、どこを改善すべきかが非常によく分かるんだ」
「以前は、バイクが止まらなくても問題じゃなかった。すべてのブレーキングで全力で止めていた。でも今は(怪我で)力がないからこそ、どこを改善すべきかがはっきり見える」
「来年に向けて改善したいのはブレーキングだ。今のバイクはリヤタイヤをスライドさせすぎて消耗してしまっている」
「僕の経験からすると、それは適切じゃない。タイヤやブレーキをオーバーヒートさせてしまうし、コーナー脱出時にグリップを得られないからだ」
「自分の目標は、同じ目印を正確にトレースできるような、より一貫性のあるバイクを作ることだ。そうすれば、ライディングスタイルにも集中できる」
「今は正確さが足りない。同じところでブレーキングしてもある時はスライドし、ある時はしない。曲がる時もあれば曲がらない時もある。だからこそ、正確に扱えるバイクが欲しいんだ」

