2016年のF1王者であるニコ・ロズベルグは、メルセデスでチームメイトだったルイス・ハミルトンとその年のスペインGPで接触した結果、72万ユーロ(当時のレート1ユーロ=123円で約8856万円)の修理費用を折半することになったと明かした。
当時はメルセデスが圧倒的な強さを誇っており、ロズベルグとハミルトンがチームメイトと激しくタイトル争いを演じていたが、メルセデスのトト・ウルフ代表はドライバー同士の衝突を防ぐため、ふたりのバトルがクラッシュにつながった場合の修理費用を負担することを契約に盛り込んだ。
しかしスペインGPでは、恐れていた同士討ちが起こってしまった。1周目の1コーナーでロズベルグがポールシッターのハミルトンをオーバーテイク。ハミルトンがポジション奪還を試みて、ロズベルグがそれを阻止しようとした結果、ハミルトンはグラベルに押し出されスピンを喫した。
そしてハミルトンのマシンがロズベルグのマシンと絡み合い、2台がリタイアに終わってしまった。最有力候補ふたりがいなくなったこのレースを制したのは、マックス・フェルスタッペン。トロロッソからレッドブルに昇格した1戦目に、記念すべきF1キャリア初優勝を飾っており、F1ファンの記憶にも強く刻まれたレースとなった。
マクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリがタイトルを争った2025年シーズンと比べ、2016年シーズンはどうだったかと問われたロズベルグは、当時の舞台裏を明かした。
「僕たちがチームメイトとしてクラッシュした場合、50対50で支払いを分担するという契約にサインしなければならなかった」
そうロズベルグはスカイスポーツF1に語った。
「バルセロナの請求額は僕たちが負担した。痛かったね」と彼は語り、自分の分は「36万ユーロ」だったと付け加えた。つまり、合計請求額はなんと72万ユーロだったのだ。
チームメイト同士の接触を禁じるという意味では、当時のメルセデスと今季のマクラーレンは共通している。マクラーレンの”パパイヤ・ルール”は両ドライバーに、互いに衝突してはならないという唯一の条件付きで、自由にレースをすることを許可した。そして、彼らは数件の例外を除いて、この条件を守り抜いた。
メルセデスの金銭的なペナルティは、一定の抑止力はあるものの、タイトル争いの中で絶対的なモノだとは言えないだろう。マクラーレンも詳細は明かしていないものの、シンガポールGPでピアストリと接触したノリスに、何らかのペナルティを加えたと示唆していたが、その詳細は年月が経ってから明かされるかもしれない。

