Apple銀座が、3年あまりの休業・仮設店舗での営業を経て、2025年9月26日(金)午前10時にリニューアルオープンする。本日(24日)メディア向けの内覧会が開催されたので、取材してきた。オープン時には記念品(トートバッグとピンズ)が配布される。もしかしたら、CEOであるティム・クック氏や、Apple 直営店担当SVPのディアドラ・オブライエン氏も来場するかもしれない。

Apple銀座、建て替えのための仮店舗が8丁目にオープン
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2022年08月30日

Apple Store日本で20周年。ディアドラ・オブライエンが今後の改修計画を発表
2023年12月01日
ジョブズが拓いた店だから
Apple銀座は特別な店だ。
今でこそ、世界中に500以上存在するApple Storeだが、2001年5月にアメリカで2店舗が開店して以来、初めてアメリカ以外にオープンした店舗だった。
2003年11月30日にApple Store銀座がオープンした時には、なんとあのスティーブ・ジョブズ自身がやってきて挨拶をした。筆者は関係者から当時の映像を見せてもらったことがあるが、「I’m Steve Jobs」と自己紹介しているのが印象的だった。当時はまだ、iPodがブームになり始めたぐらいで、iPhoneは影もカタチもなく、取材に来たテレビや新聞の記者たちは、スティーブ・ジョブズのことを知らなかったのだ。
その時に、当時のアップルの広報部が一番聞かれた質問は、「『ジョブ“ズ”』ですか? 『ジョブ“ス”』ですか?」というものだったというほどだ。
筆者は当時、別のカテゴリーの雑誌を作っていたが、アップルが秋葉原でなく、銀座にリテールストアを作ったのが不思議でならなかった。パソコンや、ミュージックプレイヤーを買う人は、秋葉原に行く。なのに、なぜ銀座に店を出すのか? 銀座に行く人はパソコンなんて使わない、ファッションにしか興味のない人じゃないか? ……と思っていた。
その疑問がお門違いで、アップルのリテールストア戦略が正しかったことはみなさん御存じのとおり。「アップルは、ルイ・ヴィトンやシャネル、エルメスのようなブランドになるのだ」という意思表示だったのだが、いまやそれを誰も不思議に思わないだろう(当時は絵空事のように感じた)。
ともあれ、そんな記念すべき店を改装するのに、アップルは3年あまりをかけ、ついに今週末オープンすることになった。米国外進出の皮切りになった店で、ジョブズがオープンの挨拶をした店。ティム・クックがオープンを祝うために来日したとしたも不思議はないだろう。
内部構造も含め、まったく新しく作られた
多くの人が御存じのように、このビルは『サエグサ本館ビル』という名称でアップル所有ではない。現在、ストアも1〜4階が店舗となっており、上層階には別のテナントが入っている。それでも、店舗デザインにはかなりアップルの意向が強力に入っている。

以前の店舗はシルバーの壁に覆われ、ほぼ窓のない構造だったが、新店舗は北東側にエレベーターを含めた構造物を集約。3方を窓にすることにして銀座の街並みと繋がった空間を創出することに成功した。

1階と2階、3階と4階の南角は吹き抜けになっており、広がりを感じさせる設計となっている。

入ってすぐの右側にはエレベーターが用意されており、車イスの方でもスムーズに各階に向かうことができるようになっている。

以前の、Apple銀座のエレベーターはボタンがない(全フロアに止まる)ことで知られていたが、新しいビルにはちゃんとボタンが設けられている。
