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多忙極めるキャシディ、WECハイパーカーのドライブは余裕?「フォーミュラEに比べたら、ちょっとした休暇みたいなモンだ!」

多忙極めるキャシディ、WECハイパーカーのドライブは余裕?「フォーミュラEに比べたら、ちょっとした休暇みたいなモンだ!」

ニック・キャシディはWEC(世界耐久選手権)ハイパーカーのシステムがフォーミュラEのマシンと比べると「ちょっとした休暇のようなもの」だと主張。WEC挑戦が容易になったと語った。

 キャシディはジャガーからシトロエン・レーシングに移籍し、フォーミュラEに参戦中。開幕戦サンパウロE-Prixでは3位表彰台を獲得した。また2026年はそれと並行して、プジョーのファクトリーチームでWECハイパーカークラスを戦う予定だ。 キャシディはLM-GTE Amクラスの最終年である2022年にAFコルセでフェラーリ488 GTEを走らせていたが、2026年はWEC参戦自体が2年目にあたる。

 WECハイパーカークラスを走っているLMHおよびLMDh車両は、電気モーターと内燃エンジンを組み合わせたハイブリッドシステムを備えており、かなり複雑なマシンとなっている。しかしキャシディはエネルギー回生、そして広範囲にわたるシステム設定を常に管理するフォーミュラEで5シーズンを過ごしたため、ハイパーカーのソフトウェアを習得するのは比較的簡単なことだったという。

「自信はどんどん深まっていくし、これからもどんどん上達していきたい。でも、まずは自分のレベルに満足している」と、バーレーンでプジョーLMH車両9X8を使った2回目のテストを終えた彼は語った。

「複雑さとシステムに関して言えば、フォーミュラEの30%くらいだろう。だから、システムに関しては、僕にとってはちょっとした休暇のようなものなんだ」

 それに加えてキャシディは、シングルシーターと高ダウンフォースのスポーツカーの両方で豊富な経験を積んでWECに参戦することになる。

 キャシディは日本でスーパーフォーミュラとスーパーGTで活躍。その両方でタイトルを獲得している。スーパーGTで経験した他クラスとの混走、耐久レースの要素や、純粋な速さはWECでも役に立つだろう。

 WEC最高峰クラスはLMP1時代、GT500クラスのマシンと近い速さを持っていたが、現行世代のハイパーカーは明らかに遅くなっている。

 過去にレースを経験したGT500とハイパーカーを比較するよう求められたキャシディは、「トラフィックでの実際の操縦性やGT3とのラップタイム差は似ていると思う」と答えた。

「それ(GT500での経験)がWECのレースへの適応を容易にしてくれることを願っている。その点については、かなり自信を持っている」

「ハイパーカーは、メカニカルグリップ、タイヤグリップ、そしてダウンフォースのレベルがかなり低いんだ。ドライバーとしては、マシンにアタックしているという感覚が全くない。まるで卵の殻の上を走っている(非常にデリケートな状況でドライビングしている)ような感覚だ」

 彼はさらに「最近のハイパーカーのグリップ不足とダウンフォース性能の不足には非常に驚いている」と付け加えた。

「今のハイパーカーを見てみると、ネガティブに聞こえるかもしれないけど、僕がスーパーGTやスーパーフォーミュラで慣れ親しんできたものと比べてみると、全く違う世界だ」

「これまで(日本でレースをした後、初めてフォーミュラEに移籍した時)行なってきた適応よりも、フォーミュラEに近いと言えるだろう。似たようなカテゴリーがふたつあるのは、僕にとってプラスになっている」

 キャシディはWECとフォーミュラEで多忙な1年を過ごすことになるが、フォーミュラEでは来シーズンに第4世代マシンGen4導入を控えている。各メーカーはすでにGen4パワートレインの開発にリソースをシフトし始めており、時間が経つにつれてフォーミュラEへの取り組みが彼の時間をさらに占めることになるだろう。

 キャシディは、2026年に向けて準備を進める中で時間のやりくりが難しい状況にあると認めたが、プジョーがふたつの選手権のバランスを取るのを助けてくれたと感謝した。

「(プジョーには)本当に感動した。一緒に仕事をするのが本当に楽しくて、僕のスケジュールを理解してくれて本当に親切だった。限られた時間の中で、僕に寄り添おうと最善を尽くしてくれた」

「今はふたつのプログラムに全力で集中しようとしている。でも、フォーミュラEのGen4到来と今シーズンのフォーミュラE、そしてその移行で、本当に忙しくなった。もちろん、WECとの両立も必要だしね」

「シミュレータやミーティングなどに使える日数など、時間が足りないんだ。でもこの2ヵ月半、両方の選手権に向けて万全の準備を整えるために、週5日、すべてのプログラムに取り組んでいる」

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