4章【実践】:百聞は一見にしかず! Web3の透明性を体感しよう
AI先生:言葉で聞くより、実際に見てみるのが一番分かりやすいかもしれませんね。では、一つ具体例を挙げてみましょう。
世界で利用されているブロックチェーン「イーサリアム」。その創設者であるヴィタリック・ブテリン氏のウォレットアドレスは、「0xd8da6bf26964af9d7eed9e03e53415d37aa96045」として公開されています。
生徒:この文字列がウォレットアドレス……。
AI先生:イーサリアムのブロックエクスプローラー「Etherscan(イーサスキャン)」でこのウォレットアドレスを検索してみてください。
彼の膨大な取引履歴(=透明性)と、世界中から送られてきている大量の知らないトークン(=スパムトークン)が、まさに今説明した「擬似匿名性」と「スパム」をリアルに体感させてくれるはずですよ。
生徒:なるほど、有名な人のお財布の中身を、今すぐ見ることができるんですね! それはすごい……。後で早速やってみます!
⚠暗号資産に関するトラブルにご注意ください!
AI先生:おっと、ここで一つ大事な補足があります。
暗号資産を手に入れるために利用する「暗号資産取引所」ですが、日本で利用する際は、必ず「金融庁に登録された事業者」を選ぶようにしてください。
というのも、登録業者は利用者の資産を守るための厳しいルール(顧客資産の分別管理やセキュリティ対策、本人確認「KYC」など)を守る義務があるからです。
安全のためにも、取引を始める前に金融庁のウェブサイトで登録済みかどうかを確認するのがおすすめですよ。
生徒:あー、なるほど! そういえばSNSで「絶対に儲かる!」とか「有名人の〇〇さんも推薦!」といった暗号資産関連の怪しい広告も見かけます。利用する前に、ちゃんと金融庁のウェブサイトで登録済みか確認しなくてはいけませんね。
金融庁ウェブサイト:暗号資産に関するトラブルにご注意ください!
https://www.fsa.go.jp/news/r2/virtual_currency/20210407.html
5章【思想】:誰でも「参加」できる世界〜Web3の自由と自己責任
銀行員として知っておきたい「税金」の話
生徒:……でも、銀行員として現実的な話も気になります。これだけ取引履歴が全部記録されていて、誰でも見られるなら、もし暗号資産の取引で利益が出た場合、税金の申告はどのようになるのでしょうか?
AI先生:銀行員らしい良い質問ですね! そこがWeb3の「自己責任」を象徴する部分でもあります。日本では、暗号資産の売買で得た利益は原則として「雑所得」として課税対象になります。利益によっては税率が最大 55%にもなるんですよ。
【税金の補足】 日本では、暗号資産の売買益は原則として雑所得として課税されます。詳しくは国税庁や金融庁のウェブサイトを確認し、税務申告に備えましょう。
リンク先:国税庁サイト「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和6年12月)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/index.htm」
AI先生:では、どうやって計算するのか。実務上は、利用している暗号資産取引所が提供する、年間の取引履歴をまとめたファイル(CSVファイルなど)をダウンロードして計算するのが一般的です。
生徒:なんだ、それなら証券会社などで発行される「年間取引報告書」みたいなものですね。少し安心しました。
AI先生:ええ。しかし、ここでもブロックチェーンの「透明性」が重要になります。
そうした取引所のデータの大元となる記録は、すべてブロックチェーン上に存在するため、理論上はブロックエクスプローラーで誰でも検証が可能です。つまり「ごまかしがきかない」世界だということ。だからこそ、ご自身で取引所のデータを基に正確に計算し、申告する必要があるのです。
特に、複数の取引所やウォレットをまたいで取引している場合、ご自身での損益計算は非常に複雑になりやすいという課題もあります。
生徒:なるほど……! 計算自体は取引所のデータを使うのが便利だけど、その大元となる記録がすべて公開されているから、ごまかせない。だからこそ「自己責任」で正直に申告する必要がある、ということなんですね。
税金まで自己責任……身が引き締まる思いです!
「自己責任」と表裏一体の「パーミッションレス」という思想
AI先生:はい。そして、その「自己責任」は、Web3の「パーミッションレス(許可不要)」という重要な思想の裏返しでもあるんです。
下の図3を見ていきましょう。Web3の世界では、Web2のサービス……例えば銀行で口座を開設する時のような、申込みや審査を待つ必要がありません。ウォレットを接続するだけで、誰でも自由にサービスに参加し、取引できる。これがブロックチェーンの基本的な考え方なんです。
▲図3:Web1、Web2、Web3のログイン方法の比較
生徒:誰でも自由に……ですか。銀行振込だと、お金を「送る側」も「受け取る側」も銀行のシステムを使う「許可」が必要ですが、Web3ではそういう手続きも要らないんですかね。
規制と許可が前提の世界で働く銀行員の自分(Web2脳)にとっては、にわかには信じがたい、衝撃的な概念です。
……ということは、もしかして、自由にサービスに参加するだけじゃなくて、「トークンを発行する」みたいなことも、誰でも自由にできちゃうんですか?
AI先生:その通り! 素晴らしい着眼点です。技術的には、まさに「YES」、誰でもトークンを発行できます。
生徒:えっ、誰でもトークンを発行できるんですか!? 株式や債券の発行には厳格な規制があるのが当然の世界なので……それは驚きです。法的な問題はないのでしょうか?
AI先生:ただ、重要なのはそこから先。誰でもWebサイトを作れますが、人気サイトにするのが難しいのと同じで、トークンも発行は簡単でも、それに「価値」や「信用」を持たせるのが非常に難しいのです。
日本では法律による規制もあるので注意が必要ですが、そこにはコミュニティの力や、プロジェクトの魅力が必要不可欠になります。
