■クラブの用心棒からアームレスラーに!

女性のウエストほどもあろうかというたくましい腕が自慢のドンソクが、数々の敵をなぎ倒してきたその剛腕を存分に活かしているのが『ファイティン!』(18)。演じたのは、養子に出された先のアメリカで、アームレスリング界のトップを目指していたが、八百長の濡れ衣により業界を追放され、クラブのセキュリティとして働くマーク。しかし、賭け腕相撲で手加減せずに客を怒らせたことから店をクビになってしまい、韓国でアームレスラーとして再起を誓うという役どころだ。
ひょんなことから存在すら知らなかった妹とその子どもたちと生活を共にすることになり、家族のために奮闘する心優しき男マーク。アメリカで生きたアジア人という、ドンソク自身の経験ともリンクする哀愁や腕相撲しかない不器用な男の生き様はまさにハマり役。なによりも腕っぷし一つで大男を次々と倒していく姿は豪快で爽快だ。
■女子高生には敵わない…腰の低い体育教師に
『守護教師』(18)で演じたのは、タイトルからもわかる通り高校教師のギチョル。元東洋チャンピオンのボクサーだったが八百長に嫌気が差し、心機一転、体育教師として女子校に赴任した彼は、ある生徒の失踪事件の闇に迫っていく。
赴任早々、未払いの授業料を回収するという厄介事を押し付けられたり、喫煙を注意した女子高生たちからは「吸った証拠は?」と煙に巻かれたり…と、お得意の拳を封じられタジタジな様子がなんともかわいらしい。そんな学校で溜まった鬱憤を晴らすかのように、悪を暴力で成敗するいつもの魅力も味わえるのがうれしい1作だ。
■華やかなファッションでキメたスタイリストもお手のもの
キム・ヘス主演のコメディ『グッバイ・シングル』(16)で演じたのは、落ち目の女優ジュヨン(ヘス)の専属スタイリストで友人のピョング。注目を集めるために架空の妊娠を発表するお騒がせな主人公のお世話に奔走する苦労人なキャラクターだ。

大手からの引き抜きの声がかかりながらも弱小事務所で雑務までこなし、たびたびジュヨンとぶつかり合いながらも、彼女のそばに居続ける義理人情に厚い男。しゃべり方や振る舞いはいつも通り(?)荒っぽいが、スタイリストという役柄だけあり、太縁のメガネやハット、パステルカラーのシャツなど華やかファッションに身を包んだ姿が新鮮だ。
■すぐに手が出るおかっぱ頭の危なすぎる料理人
現実離れした存在感を笑いにも生かしており、コメディにも引っ張りだこのドンソクだが、近年強烈だったのが、『スタートアップ!』(19)で演じた謎の料理人だ。家族と喧嘩し当てもなく家を飛びだした不良少年テギル(パク・ジョンミン)が、偶然入った食堂での出会いをきっかけに社会を学んでいくという内容で、ドンソクは食堂の料理人コソクを演じている。
おかっぱのボブヘアというビジュアルでシェフのコソクを嬉々として演じており、一心不乱に鍋を振る料理人ぶりに加え、生意気なテギルを鉄拳制裁で教育(?)する兄貴分な一面まで、強烈な存在感を披露。さらには目をかっ開いた不気味な顔で眠ったり、ノリノリでTWICEの曲を踊ったり…とやりたい放題。思わず爆笑せずにはいられない怪演を見せている。
■体より頭をフル活用!未曾有の危機に立ち向かう大学教授
イ・ビョンホン、ハ・ジョンウという韓国を代表するスターと共に出演したディザスタームービー『白頭山大噴火』(19)。 北朝鮮と中国の国境付近に位置する白頭山で発生した大規模な噴火&地震に立ち向かうべく、韓国の特殊部隊が北朝鮮に潜入。火山鎮静化作戦が描かれる本作で、ドンソクは大学教授のカンというインテリ役にチャレンジ。
かねてから噴火を警告していたものの冷ややかな反応を浴びせられてきたことから、国籍のあるアメリカへ退避しようとしていたところ、対策会議に参加させられることになるカン教授。会議室では、専門用語を並べながら冷静に対処法を提案するなど、腕力ではなく頭脳が武器の役どころで新境地を開拓した。
■拳一つで悪魔を追い払うエクソシズム専門会社を経営!

そして最新作となる『悪魔祓い株式会社』では、タイトルの通り、悪魔祓いを生業とする会社を経営するバウを演じる。悪魔を崇拝するカルト集団の台頭により社会が混乱に陥るなか、異常行動を繰り返す妹を助けてほしいという姉からの依頼に応じ、強大な存在との死闘を繰り広げていく。

エクソシストのシャロン(ソヒョン)、情報収集を担当するキム(イ・デヴィッド)、そしてバウの3人からなる少数精鋭の悪魔祓い会社「ホーリーナイト」。社長であるバウの役目はシャロンの悪魔祓いを妨害しようとする信者たちの阻止であり、矢面に立ちながら次々と迫り来る敵たちを拳一つで沈めていく姿は、まさに頼れるボスといったところ。

額の傷から歴戦の猛者であることが伝わってくるが、その一方で依頼者に対して出されたお茶を飲んでしまう抜けたところや、紹介者である刑事にギャラからお小遣いを弾む大雑把さ、モラル意識など、経営者として心配になるような一面も。そのせいもあってかシャロンからはぞんざいに扱われており、実はあまり信頼されていないようだ。
このほかにも特別出演も多く、ゴリラが野球選手になる『ミスターGO!』(13)ではゴリラではなく野球解説者に、『ローラーコースター』(13)では羽田空港の職員、『ザ・メイヤー 特別市民』(17)では劇中CMで神父に扮するなど様々なお仕事に就いてきたマ・ドンソク。最新作での彼の仕事ぶりも必見だ。
文/サンクレイオ翼
