
「犬や猫、ネズミ、鳥が眠っている時にピクピク動く様子を見たことがある人は多いでしょう。こうした動きは夢を見ている証拠と考えられます。しかし、動きがないからといって夢を見ていないわけではありません。多くの野生動物は、捕食者に気づかれる恐れがあるため、睡眠中にあまり動かないように進化した可能性があります」
睡眠中の脳活動を調査した研究を通して、動物と人間の間に驚くべき類似点が見つかったとしてフーパー氏はこう続ける。
「脳活動の分析が始まっています。睡眠中の動物の脳活動が覚醒時の脳活動を反映している場合、それは夢を見ていることを示しています。睡眠中の脳活動を詳細に観察することで、動物が何を夢見ているのかを正確に解明できるのです」
ラットの研究では、睡眠中に以前探索した迷路など特定の場所を精神的に再訪することが示されており、犬も人間の夢に関わる脳領域が活性化することがわかってきた。
英国の動物福祉団体ブルークロスは、「人間と同様、犬も睡眠中に異なる段階を経験します。夢を見るのはレム睡眠(急速眼球運動睡眠)段階が最も可能性が高いです」と説明。犬が夢を見ている典型的な兆候には、足の痙攣、まばたき、呼吸の変化、唸り声、尻尾の振りなどがあるという。
