12月14日、年末の風物詩となったシャティン競馬場において香港国際競走が行なわれ、G1レース4競走に計8頭の日本馬が出走。残念ながら勝利を挙げることはできなかったが、2レースで2着に食い込む健闘を見せた。
最初に行なわれた香港ヴァーズ(G1、芝2400m)には昨年の菊花賞馬アーバンシック(牡4歳/美浦・武井亮厩舎)がエントリー。スタートが遅かったため後ろからの競馬になったが、ペースの遅さを読んだ鞍上のクリストフ・ルメール騎手が促してポジションを上げるが、直線へ入ると手応えがいっぱいになってしまって後退。11頭立ての10着に終わった。
勝ったのはフランスでパリ大賞などG1レースを4勝しているソジー(牡4歳/フランス/A.ファーブル厩舎)。直線の半ばで馬群から力強く抜け出すと、ジアヴェロット(牡6歳/英/M.ボッティ厩舎)、ゴリアット(セン5歳/フランス/F.グラファール厩舎)らの猛追を抑えて勝利を挙げた。走破タイムは2分28秒05、優勝賞金は1456万香港ドル(約2億9000万円)を獲得した。
2レース目は、今年の香港国際競走の目玉と言える絶対王者、実に15連勝中のカーインライジング(セン5歳/香港/D.ヘイズ厩舎)が登場する香港スプリント(G1、芝1200m)。カーインライジングは1番枠から飛び出すとすぐさま先頭を奪い、後続を引き付けながら悠々と逃げて最終コーナーを回る。そして軽く促されるとあっという間に後続を引き離し、持ったままで2着に3馬身3/4もの差を付けて大楽勝。凄まじいまでの怪物ぶりを見せつけ、世界最強スプリンターの称号をダメ押しで裏打ちすることになった。走破タイムは1分07秒70、1着賞金は1568万香港ドル(約3億1000万円)だった。
日本から参戦したサトノレーヴ(牡6歳/美浦・堀宣行厩舎)が9着、ウインカーネリアン(牡8歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)が11着と、一敗地に塗れた。 3レース目は香港マイル(G1、芝1600m)。このレースには昨年のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)を制し、今年のドバイターフ(G1)でロマンチックウォリアー(セン7歳/香/C.シャム厩舎)を破る大金星を挙げた日本のソウルラッシュ(牡7歳/栗東・池江泰寿厩舎)が登場。引退レースとなるこの一戦で、地元・香港のエースであるヴォイッジバブル(セン7歳/香港/P.イウ厩舎)との対決の行方が大きな注目を浴びた。
ヴォイッジバブルはスタート後に2番手まで位置を上げ、対するソウルラッシュは中団を進む。馬群が向正面に達したあたりでソウルラッシュもじわじわと前との差を詰めてヴォイッジバブルに並びかけ、両者が並んで直線へと向く。先に仕掛けたソウルラッシュがいったんは抜け出すが、やや遅れてスパートに入ったヴォイッジバブルが差し返して先頭立つ。前に出られたソウルラッシュは抵抗したものの、最後の数十mで捻じ伏せられて、半馬身差でヴォイッジバブルが栄冠を奪取した。
走破タイムは1分33秒47、1着賞金は2016万香港ドル(約4億円)。決め手比べで後塵を拝したソウルラッシュだが、マイルチャンピオンシップの6着から立て直し、好勝負に持ち込んだ力量はやはり一級品。種牡馬としての大成を祈りたい。
なお、このレースに出走したもう1頭の日本馬、桜花賞(GⅠ)と秋華賞(GⅠ)を制したエンブロイダリー(牝3歳/栗東・森一誠厩舎)は見せ場を作れず、14頭立ての11着に敗れた。
このイベントの掉尾を飾るのは、芝2000mの香港カップ(G1)。7頭立ての少頭数となったが、ここには香港のリヴィングレジェンド、本レース3連覇中のロマンチックウォリアーが登場。この王者に日本から乗り込んだベラジオオペラ(牡5歳/栗東・上村洋行厩舎)とローシャムパーク(牡6歳/美浦・田中博康厩舎)の2頭が挑むという図式となった。
各馬互角のスタートを切ると、先陣争いが落ち着いた第2コーナー過ぎではロマンチックウォリアーが3番手を進み、ベラジオオペラはそれをマークする形で4番手。ローシャムパークは最後方から進んだが、向正面から徐々に位置を上げて先団に並びかけ、馬群は一団となって直線へ向いた。その中からぐいぐいと抜け出してきたのはロマンチックウォリアーで、一瞬にして後続を突き放しにかかる。その外からベラジオオペラも豪快なフットワークで2番手から前を追うが、まったく脚色が衰えないロマンチックウォリアーはそれを寄せ付けず、1馬身3/4差を付けて圧勝した。
走破タイムは2分02秒29、1着賞金は2240万香港ドル(約4億5000万円)。ローシャムパークは昨年のブリーダーズカップ・ターフ(G1、2着)のような目覚ましい走りは見せられず、5着に終わった。
今年の香港国際競走は、4レース中3レースを香港馬が優勝をさらうという香港デーに終わり、カーインライジングを筆頭に、短距離~中距離での強さが目に付いた。日本馬もソウルラッシュ、ベラジオオペラが2着に食い込んだのは、底力の強化を印象付けるものだった。
文●三好達彦
【画像】長澤まさみ、見上愛、松本まりか...全国の競馬場を盛り上げた“美人女優たち”を紹介!

