頚椎を「胸椎の延長線上」に置く

スイング中における頭の位置についてですが、基本的には首の軸(頸椎)をスイングの軸に沿わせることを優先します。 アドレス時には、軽くアゴを引いた状態で胸椎の延長線上に頭を置きます。バックスイングでは左のワキ腹を縮めた状態で、胸椎が左にカーブしているので、首も少し左に傾きます。
そこからインパクト、フォローにかけては胸椎が右にカーブしているので、首も少し右に傾き、フィニッシュでも伸展した胸椎の上で頭の位置は少し後ろへ、そしてアゴが上がらないようにしておきます。頭は体重の約10%の重さを占めると言われ、5〜7キロの重量があるため、重心の位置に大きく影響を与えます。

その重さは、胸椎でつくったカーブの上に正しく乗せておくことで、フォローでの遠心力にも対応して軸を保つことができます。場面ごとに頭の位置を意識することはむずかしいですが、逆に「目線を水平にしなければならない」という先入観などで首の位置が崩れてしまっている場合もあります。
体の動きに合わせて自然な位置に置くということを優先して考えておくと、軸が崩れにくく安定したスイングを行うことができます。スイングによって首を痛めてしまう方は、軸の上に頭がなく、首のところで軸が折れた状態になっている場合が多いため、首の置き方をチェックしてみるとよいでしょう。
いかがでしたか? ぜひ、解説を参考にして、練習してみてください。
解説 = 小澤康祐
●おざわ・こうすけ/1987年生まれ、長野県出身。運動学、物理学などの視点でゴルフスイングを独自に研究。2015年よりYouTubeにて「ゴルフスイング物理学」のタイトルでレッスン動画を配信。チャンネル登録者は約5万4000人、視聴回数はのべ1000万再生以上を超える。アマチュアへの指導のほか、ティーチングプロの講習、ツアープロの動作改善指導なども行っている。
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写真=高橋淳司

