ランド・ノリスの初戴冠で幕を閉じた2025年F1。マクラーレンはこの英国人ドライバーによるドライバーチャンピオンシップだけでなく、チームとしてもコンストラクターズチャンピオンシップも2年連続で勝ち取った。
これは、この英国籍チームが総合力で他チームに勝ったことの証明だと言える。ドライバーランキングで3位につけたオスカー・ピアストリは、シーズン中盤にはノリスに大きな差をつけてトップを走っており、チームメイト同士による熾烈なタイトル争いは、時に首脳陣に悩ませながらも、結果的にライバルが追随できないほど多くのポイントをチームにもたらしたのだった。
対して、まさに孤軍奮闘での戦いを強いられたのが、終盤の猛追で最多の8勝を挙げ、ピアストリを抜き去り、ノリスにも2ポイント差まで迫ったマックス・フェルスタッペンだ。5連覇の夢は潰えたものの、マシンの性能を極限まで引き出しての異次元のドライビング、何にも動じない強靭な精神力によって成し得た数々の印象的な勝利は、彼の価値をさらに高めるものとなった。
スポーツ専門メディア『sportskeeda』は、今季24戦における独自の指標による各ドライバーへの採点(10点満点)を用い、チーム単位で平均採点を算出してランク付けしているが、マクラーレンは「7.79」でトップとなり、「ノリスとピアストリとのコンビは、最高のドライバーラインアップとしてシーズンを終えた。それもそのはずで、彼らはコンストラクターチャンピオンシップも制している。このパートナーシップが2026年に向け、いかに進化していくのか、非常に興味深いところだ」と寸評を綴っている。
対して、レッドブルはマクラーレンの他、フェラーリ、メルセデスの後塵を拝しての4位。実際のコンストラクターランキング(3位)を下回ったが、同メディアは「最終的な平均評価において角田裕毅の貢献があまり大きくなかったにもかかわらず、ランキングを4位まで引き上げたという事実は、フェルスタッペンがいかに優れたドライバーであるかを雄弁に物語っている」と、オランダ人ドライバーの働きを称賛した。
ここでも指摘されたように、フェルスタッペンの神懸かり的なドライビングは、同時にチームメイトの不甲斐なさを際立たせることにもなった。2戦目からリアム・ローソンに代わってレーシングブルズから昇格した角田は、22回の週末を終えて獲得したポイントはチームメイト(421点)の10分の1にも満たない30点止まり。シーズン途中の昇格、適応の難しいマシン、チームのミスなど、同情すべき点は多々ありながらも、それを差し引いたとしても、トップチームでのこの成績はあまりに物足りないと言うしかない。
英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、各ドライバーの今季を総括する中で、角田については「好調なスタートを切っていたレーシングブルズに残留していたら、彼のシーズンはどれほど違ったものになっていただろうか……。フェルスタッペンと並ぶ立場になると、角田は酷く苦しんだ。前進しているように見えた瞬間もあったが、予選でチームメイトとの差が0.3秒以内に収まったのは5回に止まり、進歩が継続することは決してなかった」と、厳しく振り返っている。
対してモータースポーツ専門誌『MOTOR SPORT』は、「角田の不振なシーズンは、その多くがレッドブルによってもたらされたものだった」との見解を示し、「フェルスタッペンだけが乗りこなせる『RB21』に苦しめられ、さらに戦略の失敗、拙い予選戦術、そしてアップデート投入の遅れにも悩まされた。彼はレッドブルの新たな『使い捨ての弾』となってしまった。個性を持ったドライバーだけに、彼がグリッドから姿を消すことはF1にとっての損失だと言える」と同情し、来季の不在を惜しんだ。
そしてF1専門サイト『PLANETF1.COM』では、FIA公認のジャーナリストであるトーマス・マハー氏が「確かに、レッドブルのマシンは特異なまでに扱いづらい可能性があり、また彼にとっては短い準備期間で急きょ放り込まれたシーズンだったのも事実だ」としながらも、「彼はF1参戦5年目であるにもかかわらず、8か月の間にRB21の癖にどう適応すべきかを最後まで見出せなかった」と評している。
「序盤のレーシングブルズにおける彼の走りは、よりドライビングが快適なマシンであれば素晴らしいシーズンを送れた可能性を示唆しているが、角田はもはや『補助輪』が必要な段階を過ぎていた。チームメイトが再びタイトルを獲得しかけた――すなわちその潜在的な性能が疑いようもなく証明されたマシンを、彼は全く乗りこなせなかった。結果、ポイント獲得は極めて稀で、フェルスタッペンに対しても、ほとんど何の助けにもなれなかった。どの指標を見ても、これは不出来と言わざるを得ない」
同氏は、今季のレッドブルにおけるチームメイト間のポイント差がF1の歴史において史上最多となったことを紹介し、改めてチーム内でのバランスがあまりに不均衡だったことを強調。「角田自身は、ペース面ではフェルスタッペンとの差を縮めたと懸命に主張しているが、安定性や結果という点で、改善の証拠はほとんどなかった」と切り捨てた。
構成●THE DIGEST編集部
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