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魔の500メートルバンクに全敗! 涙の「回収率0割」を救った大宮南銀の立ち飲み名店

魔の500メートルバンクに全敗! 涙の「回収率0割」を救った大宮南銀の立ち飲み名店

大宮競輪場

【漢(オヤジ)の旅 埼玉県さいたま市編(2)】
『週刊実話 ザ・タブー』で連載中の藤木TDC氏による「漢(オヤジ)の旅」は、全国の公営ギャンブルをめぐるディープツアーガイド。金はないけど飲む・打つ・買う。今回は、埼玉県大宮競輪体験記をお届けする。

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魔物の仕業かカスリもせず

こんなときは、メシを食って気分転換。鉄板過ぎて番組に問題ありのレディース予選2レースを見してスタンドの外へ。かつては賑わっていた場外の屋台ふう飲食売店も、今や2軒が寂しく営業するのみ。売り物もおにぎり、やきそば、おでん、そしてふかし芋。本日はQUOカードも当たったので景気よく500円のやきそばを奮発。といっても埼玉県らしく何の個性も工夫もないやきそばだったが…。

メシ後の車券は当たるのか? やっぱり当たらない。S級予選に変わって8R、見方を変えて地元所属の逃げ屋①が別線3番手にハマって絶好の位置だが、なぜか差しきれず2着。⑦①の裏は持っていたがハズレはハズレ。

9Rはまったくカスリもせず。10Rは見方を改め、逃げ屋の①から別線⑤の裏表。最終3角、逃げる①に⑤が猛追、4角回って「よし、できた」とトンと机を叩いたが、最後の2メートルで①はズブズブ後退し5着に。これが恐怖の500バンクゴール前である。それじゃ前半の逃げ残りレースはなんだったんだよォ~と涙目。

11Rも買って、無惨に負けたところで本日は撤退。この日の配当は2連単2000円以上、3連単8000円以上が5レースずつあり、最高配当は11Rの3連単6万4230円である。まさに魔物…。

ゲン直しは大都会、大宮の歌舞伎町こと南銀へ。駅出口から線路沿いに南北へ長く伸びる大宮区の繁華街は、北側の北銀にはソープ街(かつてはピンク映画館やストリップ劇場も)があるが、やや衰退気味。勢いがあるのは南銀だ。

漢(オヤジ)の旅】アーカイブ

落語の「芝浜」にあやかって景気づけ

クラフトビールの店『KAERU』

大宮の顔といえる駅前の老舗センベロ居酒屋『いずみや』が南銀入口にあるが、当日は週末で激混み。諦めて南側に長~く続く居酒屋街を50メートル過ぎたあたりから店舗がガールズバーやラウンジ系に変わり、さらにその奥や東側の横丁に新宿ゴールデン街ふうのスナック&バー街がある。

ふらふら歩き回った果てにボロビル2階にあるクラフトビールの店『KAERU』へ漂着。この店で競輪のツキを“かえる”ってことだな。

おっさんには似合わないお洒落な突き出し「干し柿とクリームチーズのカナッペ」を突っつきつつ、ビールは東京・港区の醸造所が作る湯村輝彦画伯のラベルが素晴らしいウエストコーストIPA「芝浜」をチョイス。たしか「芝浜」って落語は酒好きの旦那が大金の入った財布を拾う噺。

「こいつは縁起いいじゃねえか、一本くんな」とグビグビ飲んで明日のリベンジ一攫千金を夢見る。よし、景気づけにもう一軒…よそう。夢になるといけねえ、と格安カプセルホテルに帰還する。

翌日は雨だった。雨の500バンクか、これまた難儀そうな…。

2R一般戦、またも先行ライン⑦⑤が残ってハズレ。3R準決、4角3番手から追い込んだ⑤③のスジ車券だが2連単1520円もついてハズレ。

4R準決、バック最後方からまくりきった①⑦で2連単は一番人気の320円、これに切り替えた③が乗っかって3連単は1480円。ハズレ。このぐらいの穴が取れないと勝ち目はなさそうだ。

5R、スジ違いの追い込みワンツーに夢を託し①②の2連単裏表勝負だが、カスリもせず。⑦③④3連単5万4250円、いよいよ魔物の登場だ。
回収率0割0分0厘のボロ負け状態

立ち飲みの名店『なごみ』

6~7Rはレディースなので見、これが見事に2レースとも一番人気、2連単250円、270円なら躊躇なく全財産ぶっこめば黒字にはなったろうが、そんな度胸がありゃ苦労しないよ。

雨に濡れながら昨日と同じ売店に行って本日はセコくふかし芋200円。貧乏人は芋を食え、を実践。かつて競輪場といえば通路で台車販売するオバチャンから芋やらみかんやら大福やらを買ってモゴモゴ食いながら打ったもの。そんな懐かし食品ふかし芋のある大宮競輪だが、往年のような場内の活気はないのが寂しい。

8RS級一般。当たらないので、ついに2車複車券に落ちぶれた。荒れるのを期待したが当たってはくれず、9R一般、鉄板①⑦から弱気の三連複だがよもやドベ⑥が3着でハズレ。

負け戦おそるべし、3連複でも670円。10RS級準決はかすりもせず。神様にお祈りした11R、車券は3連複①③④、①④⑦、4角出るまで①④⑦が、直線でズルズル後退して結果①③⑥。また⑥かよ…。

やはり500バンクは魔物だった。配当は比較的穏当だったが、当たらないものは当たらない。2日間、17レース購入、勝率0割0分0厘、回収率0割0分0厘。そぼ降る小雨に濡れながら競輪場を後にした。
大宮駅前に戻り、ひとり敗戦の反省会をするのは南銀入口近く、脇道に入ったところにある立ち飲みの名店『なごみ』だ。

酒とつまみはチケット式、ビール大瓶580円、煮込み130円にイカリング270円。テーブルに並ぶオッサン客はみな孤独で無口に飲んでいる。筆者も寡黙に立ち飲み、敗北の苦しみを噛みしめつつハードボイルド気分に浸る。

こういう空間があるところが大都市・大宮の良いところだ。車券が全敗でも、立ち飲みの980円ぐらい、いいじゃないか。大瓶ビールでほどよく酔ったところで、大宮駅から都内へ帰宅。交通費約500円。それでいいのだ。小説や夢じゃなく、これが現実というものだ。

「週刊実話タブー」1月9日号より

配信元: 週刊実話WEB

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