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音楽好きにおすすめしたい「ミュージックバー」の飲み歩き / その夜にたどり着いた最高の1曲【ぼっち忘年会最強プラン決定戦】

音楽好きにおすすめしたい「ミュージックバー」の飲み歩き / その夜にたどり着いた最高の1曲【ぼっち忘年会最強プラン決定戦】

・GODZ

次はMOTHERからすぐのところにあるメタル寄りのお店「GODZ」。どちらのお店もチャージがないから助かるんだよなあ。一応予算は5000円ってことなので、極力お酒に費やしたいところ。

さて、こちらはMOTHERほど足繁く通ったわけではないのだが、とにかく音がデカいので気に入っている。店内はメタル一色で、MOTHERよりも広くて明るいためか、外国人人気が高い。以前来たときは、自分以外全員外国人観光客なんてことがあったな。今日は日本人客もちらほら。

巨大なテレビの前のテーブル席に腰かけて、ビール(税込1000円)を1杯頂く。

店の雰囲気は好きだし、音がデカいのも気に入ってるけど、いかんせん、私はメタルの分野に明るくない。せいぜいメタリカ・メガデスを聞いて育ったものの、これらをメタルとくくると怒られそうだが、そのくらい疎い。店内で流れる曲も、聞いたことはあるけど曲名もバンド名もわからない。けど、やっぱ爆音は気持ちいいもんだな。小さくつま先でリズムをとってるだけでも気分が良くなってしまうよ。

えっとこの今、流れてる曲、聞いたことがあるし好きなんだけど、なんてバンドだろう。お店の人に聞くに聞けず、周りは外国人なので、英語でなんと言ったらいいのやら……。気軽に尋ねるにはもう少しお酒が足りないな。とりあえず、次の店に行こうか。

サビ終わりに「ラララ、ララララ、ラララ~」って入ってる曲のタイトルがわかる方、教えてください。たぶん5人組で2000年代に流行った曲だったと思います。結構ヘビーな演奏なのに、そのラララが似つかわしくないなと昔から思ってました。わかる方、お願いします。手がかりが雑ですみません……。

・ジャズ喫茶ナルシス

メタルで少し疲れたので、気持ちを落ち着けるために「ジャズ喫茶ナルシス」へ。

ここをご存知の方も多いだろう。古くからある老舗中の老舗で、歌舞伎町のド真ん中にありながらも、ここだけ異世界に感じる喫茶店である。

店内には膨大な数のレコードが収蔵されており、それを聞かせてくれる。ジャズのアナログ盤を聞ける貴重なお店だ。カウンター席にはこの場で出会ったと思われる外国人観光客が数名いて、英語で盛り上がっている。テーブル席には1組のカップルと1人の私。軽やかなピアノジャズを聞きつつ、キリンの小瓶(1100円)を傾けた。

そのアルバムが終わったところで、ママさんがレコードを変える。やけに親しみのあるしゃがれたボーカル。時折、話しかけるような調子で歌うその声に、聞き覚えがあった。

Louis Armstrongだ。軽やかなスウィングのビートに歌声が踊っている。あとからわかったが、ピアノはDuke Ellingtonだったようだ。ママが英語で外国人に説明しているのが聞こえてくる。

すると、その男性は手帳らしきものから1枚の写真を見せている。それは幼少期の自身のもので、日本とアメリカ人のクォーターであることを伝えていた。おそらく祖父母との写真なのだろう。

写真を見て「かわいい」と連呼するママ、その隣で恥ずかしそうに笑う男性。バックにはSatchmo・Ellington。まるで映画やドラマのワンシーンを見ているようで、なぜか私は妙に感動していた。劇場の特等席に座って、一夜限りの即興劇を見ている気分。

いよいよ酔いがまわって、いい感じになり始めている。外国人たちが帰るタイミングで私も小瓶を飲み干して席を立つ。すると誰の演奏かわからないけど、『朝日のごとくさわやかに』が流れ始めた。明日の朝がさわやかであるかどうか、今日のこれからにかかっているな。

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