・Rock Bar Mother再び
帰ってきたよ! Motherに!!
さっきは時間も早かったから割と静かだったけど、もう22時過ぎてるから、店内が騒がしいぞ。Black Sabbathの『War Pig』が階段の外まで聞こえてきてるじゃないか。追悼だな、複数名の叫ぶ声が聞こえてる。いいぞ、俺も混ぜろ!
エビス(税込800円)を頼んで、私もロックパーティーに参戦! 次から次へとかかる定番ロックナンバーに、店内全員大盛り上がり! 日本人も外国人も関係ない。同じバンド、同じ曲を好きな仲間だ!
Rage Against the Machineの『Killing in the Name』に全員頭振る! 合間で私が「ナゲット割って父ちゃん」って言っても誰も気づきもしない。だって爆音だからね!
Metallicaの『Battery』で全員拳をあげる! イントロから大合唱です。テレレ~テ~レレ~♪ ってみんながそれぞれの “口ギター” を炸裂!
もう最高だな! やっぱ音楽があればツマミはいらねえ。ロックが好きならみんな仲良し。英語話せなくても通じ合えるものがあるよね、ね! それでも多少、気の利いた冗談くらい言いたいので、英語はしゃべれた方がいいけどね。
・真っすぐ帰ら……ない!
さすがにそろそろ疲れてきたので、帰路についた。
が!
私の忘年会はまだ終わらない。実は家の近くにごきげんなバーがあるのですよ。そのお店というのは「Bar プードル」。
このお店は、広告やPRの企画制作を手掛ける「株式会社おくりバント」の高山洋平さんのお店なのである。高山さんは「プロ飲み師」を自称しており、業界の有名人なのである。2025年4月にオープンしたこのお店はホントにうちの近所で、徒歩3分の距離にある。締めにここで1杯頂いて帰るとしよう。
「こんばんは~」と入ると、いつも元気な高山さんが出迎えてくれた。
「あれ? どうしたんすか。こんな時間に珍しいですね」
時計はすでに0時を過ぎているが、忘年会の最後はここで迎えたかった。
「今日は音楽をテーマに1人飲みしてたんですよ」
「なら僕の曲を聞いていってくださいよ」
スーズトニック(税込1000円)を頂きつつ、高山さんのスマホから曲が流れるのを待った。
実は高山さん、ワールドJポップ専門の「DJマリアージュ」名義で活動もしている。ワールドJポップとは、海外のアーティストが日本語で歌う歌謡曲のことを指す。それを専門的に扱うDJは、高山さんしかいないだろう。
音楽の制作も行っており、なんと中野区のシティプロモーションソングも制作しているのだ。その曲「ナカーノ」はデトロイト出身のシンガー「メアリー・スミス」とのデュエット。彼がかけてくれたこの曲の歌詞の一節を紹介しよう。
これがナカーノ さすがナカーノ 世界の中のナカーノ
それがナカーノ ふしぎナカーノ 宇宙の中のナカーノ
「これ、高山さんが歌ってるんですよね?」
「そうです、僕です。いい曲でしょ?」
「ステキですね。中野への愛が詰まってます」
その昔、師匠が言っていた言葉を思い出す。「音楽には2つのジャンルしかない。いい音楽と悪い音楽の2つだ」。混じりけのない中野区への愛を歌ったこの曲は、間違いなくいい音楽だ。
ロック・ヘビメタ・ジャズといろいろな曲を聞いて飲み歩いたけど、帰ってきた場所で地元の曲を聞けるなんて素晴らしい。今日は本当に良い夜だった。
予算やお店を決め打ちして楽しむ忘年会もいいけど、行き先を決めずにフラリと飲み歩くのも良いもんですよ。1人忘年会なんだから、気ままにいきましょう。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
