開催中の大相撲秋場所は、11日目の取組を終えて豊昇龍が全勝を守り、大の里は高安に攻め込まれたが、1敗を堅持した。優勝争いはこの2人を中心に進むとみられる。
優勝争いとはいかないが、幕内上位陣で目を引くのは王鵬だと、相撲ライターは言う。
「11日目の伯桜鵬戦は、立ってすぐ伯桜鵬が得意とする左四つになりましたが、簡単に勝負を諦めず、右を巻き替えた。窮屈な体勢ながらもろ差しになり、体をあおって再三寄り立てるも、両まわしを引いた伯桜鵬に残されました。両者の呼吸が乱れる中、王鵬は頭をつけてきた伯桜鵬をひねって崩し、はたき込んで勝負を決めた。熱戦でした」
力を出し切った46秒の攻防を、王鵬は取組後にこう振り返っている。
「しっかり我慢できた。どんな形になっても引かないように、と思っていたので」
今場所で、師匠の大嶽親方は定年となる。角界関係者が事情を語る。
「王鵬の父親は、あの元関脇・貴闘力です。現在の師匠は元十両・大竜。十両力士は特段の事情がない限り、親方にはならないことから、親方就任要請は2度も断ったそうです。しかし、最終的に受けることに。王鵬は将来的に大関、横綱を狙える大器に成長しましたね」
問題を起こしたり、弟子をうまく育てられなかったりと、ふがいない親方が少なくない中で、元十両力士が立派な仕事をしたということか。
(蓮見茂)

