『FANTASTIC GATE 2025』後楽園ホール(2025年12月16日)
オープン・ザ・お笑いゲート選手権試合 ○新橋二郎vsウルティモ・ドラゴン×
ウルティモが新橋を観客判定で破り、まさかのお笑いゲート王座初戴冠を果たしたものの、「このベルトは今の私には重すぎる」と即返上。新橋に新王者決定戦出場を促した。
サラリーマンレスラー・新橋はデビュー戦となった11・2大阪大会において、観客判定でくいしんぼう仮面を破り、お笑いゲート王座を戴冠。その後、先輩相手に連戦連敗が続いていたが、今宵はお笑いゲート王座初防衛戦として、当日発表となる“X"との対戦に臨んだ。
先に入場した王者・新橋は「皆様、お疲れ様でございます。わたくし、戦うサラリーマン、新橋二郎と申します。今年最後の後楽園ホール大会、お笑いゲート戦。X…どなたかは存じ上げませんが、どなたが来ても必ずベルトを守り抜いて、2025年を終わりたいと思いますので、皆様ぜひ熱いご声援をよろしくお願いします」とアピールして挑戦者を招き入れた。
すると、聖地・後楽園ホールには『セパラドス』が鳴り響き、DRAGONGATEの創始者ウルティモが入場。まさかの対戦相手を前にした新橋は、リングサイト席に座って観客と一体になり、テーマ曲に合わせて手拍子を送った。
ウルティモは斎藤GMから「凄い試合を組んだ」と連絡を受けて今朝メキシコから帰国したことを明かし、「遠いところから来たのにこれか?」と問いかける。しかし、斎藤GMが「お笑いゲートに校長が挑戦するなんて、こんな貴重なことはないから」と説得。気を取り直したウルティモはタイトルマッチに臨んだ。
試合開始前に、八木レフェリーが新橋のスマートフォンを没収しようとするが、ウルティモは「携帯ぐらいいいだろ。仕事で必要だろ」と止めに入る。ゴングが鳴ると、新橋は名刺を渡して改めてウルティモにあいさつした。
ウルティモは容赦なく蹴りを浴びせて先手を取ると、パワーボムの構えに入るが、ここで新橋のスマートフォンが鳴り響く。その体勢のまま電話に応対した新橋は、優しく叩きつけられると2カウントで肩を上げ、手首を固めてからビニール傘片手にロープ渡りへ。しかし、バランスを崩して股間からトップロープに落下した。
ウルティモが追撃に出ると、新橋はビニール傘を使ってロープにエスケープ。怒ったウルティモが傘を投げ捨てると、「校長とはいえ、許せません!」とブチ切れた新橋は、上半身裸になって襲いかかる。「傘の恨み、晴らさせてもらいます」とカバンを振り上げるが、ウルティモが抵抗すると、八木レフェリーに激突。すると、新橋は態度を豹変させて、「カバンをお持ちいただいてもよろしいでしょうか?」と礼儀正しく提案。ウルティモがそれに乗ってカバンを手にすると、新橋は突然、頭を押さえてうずくまり、凶器攻撃を偽装。意識を取り戻した八木レフェリーが試合をストップし、ウルティモの反則負けとなった。
しかし、お笑いゲート王座は試合の勝敗に関係なく、あくまで「どちらが面白かったのか?」を観客が拍手によって判定し、ベルトの行方が決まるのが習わし。試合に負けたからとさっさとリングを去ろうとするウルティモだったが、斎藤GMが呼び止めて、強引にリングインさせる。
お笑いゲート王座に興味のないウルティモは斎藤GMや八木レフェリーに耳を塞ぐよう要請すると、「皆さん拍手の件ですけど、あまり大きな声で言えないですが、自分の時はあまり大きな拍手をしないように。くれぐれも、くれぐれも小さい拍手で」と観客に呼びかける。しかし、観客判定の結果はウルティモに軍配。お笑いゲート王座は18年の歴史があるが、ウルティモが戴冠するのは初めて。数々のベルトを腰に巻いてきたウルティモだったが、その経歴に妙なタイトルが加わった。
困惑するばかりのウルティモは「ベルトなんて8冠以来だよ。わかった。受け取ります」と仕方なくお笑いゲートのベルトを受け取るが、「ただ、ちょっとこのベルトは、今の私には重すぎます。もうお笑いもスベりまくりなので、せっかく今日チャンピオンになりましたが、皆さんには大変申し訳ありませんが、この場で返上させていただきます」と返上を表明。場内は打って変わってブーイングに包まれた。
ウルティモは「新橋、次の後楽園でもどこでもいい。お前はこのお笑いゲートを懸けて、誰かお前が指名して、王者決定戦をやってくれ」と新橋に要請すると、新橋は「校長、承知いたしました」と受諾。ウルティモは「新橋、試合ではお前が勝った。お客さんの拍手は俺が勝った。ということは、今日の試合は引き分けだ。また次回、どこでやる? ただ、次回と言っても、お笑いゲートはもう懸けないけどな」とお笑いゲート王座を懸けない形での再戦をアピールし、握手を交わした。

