2025年度(1月~12月)に反響の大きかったスポーツ記事ベスト5をお届けする。第1位は、毎年数々のドラマが生まれる夏の甲子園。そんな甲子園に出場する高校のユニフォームを取材した記事だった(初公開日:2025年8月9日)。
熱戦続く夏の甲子園大会。その開会式でひときわ観衆の目を惹いたのは、栃木県代表の青藍泰斗のユニホーム。上下とも鮮やかな青地に白いストライプは「あ、青すぎる」と話題になった。だが、高校野球界における“独自路線すぎる”ユニホームは、これだけではなかった。
高校野球のユニホームに色の規定なし
甲子園の開会式。それは厳かな式典であると同時に、出場校のユニホームお披露目のファッションショーでもある。
8月5日に阪神甲子園球場で開幕した第107回全国高校野球選手権大会。開会式でひときわ観衆の目を惹いたチームがあった。それは栃木県代表の青藍泰斗(せいらんたいと)である。
上下とも鮮やかな青地に、白いストライプが走る。胸には白文字で「青藍泰斗」の刺繍が施されている。甲子園に集まった高校野球ファンはどよめき、インターネットユーザーは「青すぎる」と沸き立った。
青藍泰斗が甲子園に出場するのは、旧校名・葛生(くずう)時代から数えて35年ぶり。ただし、ユニホームの歴史は浅い。
スクールカラーが青ということから、昨秋にユニホームのデザインを一新した。8月9日には佐賀北(佐賀)と甲子園初戦(1回戦)を戦う。青藍泰斗のユニホームは大きな話題になるだろう。
意外と知られていないことだが、高校野球のユニホームに色の規定はない。ただし、日本高校野球連盟が定めた「高校野球用具の使用制限」には、次の一文がある。
〈シャツとパンツは同一カラーでなければならない。(ツートンカラーは使用できない。)〉
つまり、シャツとパンツで色を変えることができないのだ。
過去の甲子園出場校のなかにも、ユニークなユニホームが登場してきた。特に新興勢力は学校自体をアピールしたい思惑もあってか、個性的なデザインになりやすい印象だ。
野球部創部1年4カ月で2002年夏に甲子園初出場を果たした遊学館(石川)。「サンドピンク」と呼ばれる薄いピンク地のユニホームは、異彩を放った。なお、当時は胸のマークを刺繍にするチームが主流だったが、汗や雨を吸うと重くなるデメリットがあった。遊学館は胸の「遊学館」の文字をプリントにした点も革新的だった。
その後、遊学館のユニホームはサンドピンクからシャンパンゴールドにリニューアルしたものの、傍目には変化が感じ取りにくかった。石川県の高校野球ファン複数人に聞き取りをしたが、今も「ピンク」と認識している人が多いようだ。
すでにデザインは変更されているが、青藍泰斗よりも早く「真っ青スタイル」を導入したのは文徳(熊本)だった。1997年夏に甲子園に颯爽と登場。上下とも青地で、胸に白文字で「文徳」と入っていた。当時も野球ファンに奇抜な印象を与え、いまだに記憶している人も多いだろう。
プロ球団を模したユニホームで有名なのは、横浜隼人(神奈川)だ。水谷哲也監督が熱心な阪神ファンということもあり、白地に黒のストライプと黄色のラインが入ったデザイン。帽子のY(横浜)H(隼人)をあしらったロゴマークは、本家のH(阪神)T(タイガース)のマークとうり二つだ。
”ほぼメジャー仕様”ユニ
オールドファンを歓喜させたのは、2023年に甲子園春夏連続出場するなど躍進した北陸(福井)。白地に赤と黒のラインが入るデザインは、かつてパ・リーグに存在した阪急ブレーブスにそっくり。
同校の林孝臣監督がオリックスの選手が着用した復刻ユニホームを見て、デザインを気に入り導入したという。
また、MLB・ダイヤモンドバックスのかつてのユニホームを参考にデザインされたのは、浜松開誠館(静岡)だ。高校野球では見慣れない、チャコールグレー地のユニホーム。
帽子、胸マーク、ソックスは赤で統一され、高校野球ファンの間で「格好いい」と話題になった。なお、新ユニホームを導入した佐野心監督は、常葉学園菊川(静岡)在任時にはMLB・ヤンキースと酷似したユニホームを取り入れている。
今後の甲子園出場が期待される新興勢力のなかでは、オイスカ浜松国際(静岡)のインパクトがずば抜けている。
基調となる色は、なんと紫。2022年度に学校名がオイスカからオイスカ浜松国際に変更になるにあたりデザインを一新。広島県の企業チーム・伯和ビクトリーズの紫地のユニホームを参考に作られたという。
なお、今夏の同校には大橋令和(れお)というドラフト候補が出現し、その名前とともに新時代の到来を感じさせた。
歴史のある伝統校のなかには、地元ファンは見慣れていても、初めて見る人に衝撃を与える例も珍しくない。

