プロ野球オフの移籍市場に、思わず二度見してしまうようなニュースが飛び込んできた。元阪神の右腕ジョン・デュプランティエのDeNAへ移籍が決定的となったからだ。
阪神と交渉決裂後は、ソフトバンクと合意間近だと報じられた条件面での話はかなり進んでいるとみられたが、一転してDeNAが登場。いったい何が起きたのか、という急展開だった。
今季のデュプランティエは6勝3敗、防御率1.39と安定した数字を残し、来日1年目ながら先発ローテーションの一角を担った。一方で8月中旬にコンディションを崩して長期離脱し、シーズンを通して投げ切れなかった点は、不安材料として指摘されている。
それでもシーズン全体を見れば安定した投球を続けており、日本シリーズ第2戦で2回途中7失点と崩れた1試合だけで、評価が大きく変わることはなかろう。
DeNAは阪神と同一リーグ、それも優勝争いのライバルとなりうる存在だ。「そこだけは避けてほしかった」「よりによって横浜とは」と、阪神ファンの落胆の声が聞こえてくる。
このケースで思い出すのは、かつて日本ハムからFA宣言した近藤健介の電撃移籍だ。移籍交渉の過程では「西武入りへ」との報道が流れ、少年時代からのファンであることや、松井稼頭央監督の直接出馬が決め手と伝えられた。ところが最終的には7年総額50億円という大型契約で、大逆転のソフトバンク入りが決定した。
今回のデュプランティエの移籍もこれと同様、有力とみられていた行き先が土壇場で変わった。大型補強を狙ったソフトバンクが獲得を逃したことで、その影響はいかほどか。
移籍交渉が繰り広げられるさなか、阪神の正捕手・坂本誠志郎は次のように語っている。
「日本にいるなら、ウチ以外の時に頑張って」
ソフトバンク移籍を踏まえ、日本シリーズでの再戦を意識した発言だったとようだが、まさか同じリーグでシーズンを通して対戦することになるとは、この時は想像していなかっただろう。
来季に展開される「遺恨バトル」が見ものになってきた。
(ケン高田)

