
【工場潜入】17年ぶりに進化した味の素「コンソメ」がもはや“料理そのもの”!? 1粒に13時間かけた製造工程が凄すぎたの画像一覧
みなさん、普段何気なく使っている「コンソメ」のこと、どれくらい知っていますか? 「ポトフに入れるやつ」「便利な固形スープ」……正直、私もそのくらいの“ゆる認識”でした。しかし、今回北海道にある製造工場に潜入して、その考えは完全に覆されました。 結論から言います。コンソメは調味料ではありません。丸鶏と野菜を13時間以上煮込んで作る、れっきとした“料理”でした。17年ぶりのリニューアルでさらに進化した、小さなキューブに詰まった「狂気レベルのこだわり」をレポートします。
【#01 歴史と中身】国民的「コンソメ」の中身は、手間と技術の塊だった! 実は1962年生まれの超ロングセラー
「昔からあるよね〜」のイメージが強い味の素(株)の「コンソメ」ですが、実は1962年生まれ。パン文化が広がりつつあった当時、“パンに合うスープの素”として登場しました。
そして今回いちばん驚いたのは、本気のコンソメ作り。プロのシェフが作ると、火入れ、澄まし、アク取り、味の調整など最低2日はかかるんだとか。家庭では絶対無理なこの手間を、味の素(株)はキューブ1個に凝縮してくれたんです。しかも、溶けやすさと保存性を両立した“キューブ形状”は特許を取るほどの革命。(この技術がのちに「鍋キューブ」「パスタキューブ」へつながるというのも地味に胸アツ♡)
いまやコンソメ・ブイヨン市場でぶっちぎりNo.1(※マーケットシェア82.2%)。年間食数はなんと約4億500万キューブで、横に並べると日本列島1.5個分! 国民、コンソメ好きすぎない?(笑) 中身はシンプルで超本格派。鶏と牛の肉だしに、ニンニク、ショウガ、白菜、玉ねぎと4種類の香味野菜。これらを10時間以上煮込んだ独自エキスが、あのコクを生んでいます。
ちなみに“consommé”はフランス語で「完成された・完遂した」の意味。もともとは宮廷料理で出されていた超手間スープらしい。味の素(株)はこのめちゃくちゃ手間がかかる工程を、現代の設備で精密に再現している。つまり「コンソメ」って、“便利な調味料”というより“手間と技術を凝縮した料理”。これを知っちゃうと、見る目がほんと変わります。
※出典:インテージ SRI+ コンソメ・ブイヨン市場 2024年4月〜2025年3月 販売容量シェア
【#02 リニューアルの裏側】17年ぶりに刷新!構想3年・試作400回、なぜ「完成形」のコンソメをあえて進化させたのか?
そんな「コンソメ」が、17年ぶりにアップデート! 3年かけて約400回の試作……もう執念の世界です。「コンソメってすでに完成形じゃない?」って思っていた自分を殴りたい(笑)。
刷新の理由は“現代の家庭料理の変化”。「具沢山スープが増えた」「コンソメの使用用途が多様化」「とにかく時短で味を決めたい」こうしたニーズに応えるべく、目指したのは「1キューブで味がビシッと決まるコク」。そこで強化されたのが『コクの厚み』『肉だしの深み』『脂のうま味の広がり』。特に牛肉の赤身に着目したことで、肉のコクとうま味がグッと立ちやすくなったんだとか。
新旧のコンソメを飲み比べたら、新バージョンは“濃い”んじゃなくて“厚い”。余韻が長くて、口の中のうま味の滞在時間が伸びている感じ。まるでプロのスープを飲んでいるような、贅沢な後味!「家庭料理の基礎だからこそ、時代に合わせて進化させる」そんな味の素さんの姿勢に完全に心を掴まれました。
