
アイドルグループのラフ×ラフが12月8日に結成から4年目に突入。12月17日には1stアルバム「わたしファンファーレ」をリリースした。ラフ×ラフはテレビプロデューサーの佐久間宣行が総合プロデュースする異色のグループ。公式YouTubeチャンネルでは様々なバラエティー企画に挑戦し、芸人修行のような大喜利企画でも人気を掴んでいる。順調な歩みで来ているが、ここからのさらなる飛躍はどう考えているのか。3年間の振り返りと共に、メンバーの齋藤有紗、佐々木楓菜、高梨結、永松波留、夏目涼風、日比野芽奈、藤崎未来に目指しているものを聞いた。(※吉村萌南は学業専念のため活動休止中)
■異色アイドルとしての葛藤と“バラエティーの鬼”佐久間Pとの関係性
――活動4年目に入りました。今の思いからお聞かせください。
齋藤:やっぱりやっていることが異色なので、「自分たちの活動は正しいのか?」と全員で悩む時期もありました。でも、地道にやってきたことが実を結んで、それこそ大喜利イベントを続けて開催できたり、パフォーマンスも練習してきたものが評価されて、イベントではトップバッターやトリを任されたり。どんどんレベルアップしてきた3年間だったと思います。

――異色ということで、想像していたアイドル像と違ったという方はいらっしゃいますか?
藤崎:キラキラしたアイドルになりたくてオーディションを受けたのに、最初の4か月はYouTubeでバラエティー企画(ラフ×ラフ公式YouTube番組)だけ。その後ステージデビューって、順序が逆ですよね。マイクを持たず、大喜利をやっている私は一体何者なんだろうと葛藤しました。でも、それを楽しいとか、大喜利イベントができる喜びを感じられるようになったとき、心境が変化しました。大喜利やバラエティーを武器として認めてあげられたというか、武器の一つに過ぎず、私はやっぱりアイドルなんだと思えたことが、この3年間で自分的に一番大きいです。

高梨:私は佐久間さんプロデュースということに惹かれてオーディションを受けたので、バラエティーはやるよねって感じでした。それでも1年目は想像以上にバラエティー一色で。「佐久間さんって、やっぱバラエティーの鬼だな」と思いました(笑)。でも2年目以降から徐々にアイドルらしい活動が始まって、今すごく楽しいです。

永松:私は大喜利で泣くことが多かったのですが、ウケる喜びを知ってからは歌やダンスと同じくらい楽しめるようになりました。歌に対する姿勢とバラエティーに向き合う姿勢、その差がなくなったのは大きな変化です。

――やはりキーとして佐久間さんの名前が出てきますね。佐久間さんは皆さんにとってどんな存在ですか?
夏目:オーディションで初めてお会いしたとき、全部を見透かされているようで怖かったです。でも歌唱審査のとき、目が合ったらずっと見つめてくださって。そこで緊張がほぐれて安心したんです。緊張する存在から、今では安心するお父さんのような存在です。
日比野:私は「青春高校3年C組」(佐久間氏が手掛けたバラエティー番組。日比野、齋藤が参加)から7年目の間柄になるので、恩師であり、期待に応えたい相手です。「お父さんに早く認めてもらいたい!」みたいな気持ちが大きかったんですけど、最近はやっと佐久間さんを前にしてもあまり緊張しなくなってきました。お父さんを通り越して普通のおじさんになってきたし(笑)、逆に今まで縮こまりすぎていたなと思います。

■ “泣き虫キャラ”の変遷に見るメンバーの精神的成長
――3年経って、グループの雰囲気も変わったと思います。ターニングポイントになった出来事はありますか?
藤崎:「FNS歌謡祭」の出演をかけたイベント、「TIF×FNS歌謡祭コラボ企画」があって、私たちは負けてしまったけど、グループがいい方向に向いたのがそこなのかなと思います。大喜利の曲で勝負したから精神的に擦り減った部分もありましたけど、結果的にラフ×ラフを知ってもらえたし、グループにももっと頑張りたいという強い気持ちが芽生えたと思います。
夏目:今年、日比野がPR大使を務めたTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL2025)も大きかったです。このステージで何を表現するかをメンバーだけで遅くまで話し合いました。TIFでも佐久間さん、クロちゃんさんとの大喜利企画があって、ラフ×ラフを他のアイドルファンにも知っていただけた期間だったと思います。
――バラエティー面では公式YouTubeで様々なことにチャレンジしています。メンバー間ではこの子の成長はすごかったと思う方はいますか?
永松:私、めっちゃ日比野に成長を感じます。ネガティブを企画にされるぐらい超ネガティブだったのに、今は「あれ嘘だった?」というくらい前向きになったと感じます。何かにつけて「不安だ」と泣いていたのに、今はみんなが躊躇しているときに「やろうよ」と言ってくれたり、物怖じしなくなりましたね。

藤崎:確かに、いつも泣いていたと思う。
――藤崎さん、人のことは言えないですよね(笑)。
藤崎:でも、日比野は芸歴15年ですよ。私は日比野が泣かなくなってから泣き出した感じです。人が泣いているのを見ると逆に冷静になるじゃないですか。それがなくなっちゃったから。
高梨:でもそれからの藤崎は感情をよく表すようになったと思います。オーディションのときはクールに見えたけど、今はもう本当に表情豊かで、誰よりも感情を真っすぐぶつけられるところが素敵だなって。どんどん成長していると思います。
■作詞作曲から衣装制作まで…クリエイティブな才能と現在の大喜利戦闘力
――この記事を読む人に、公式YouTubeで見てほしいイチオシを挙げてください。
日比野:佐々木の作詞作曲企画が大好きです。これ、本当に皆さんに見てほしいです。成長というところでもすごい。今もですけど、ふーちゃん(佐々木)はあまり喋らないんですよ。でもこの企画のときは別人みたいです。
――あの企画は私も佐々木さんへの見る目が変わりました。人気作曲家の遠藤ナオキさんにしっかり意見を言っている。
日比野:そうなんですよ。遠藤さんが作ってくれたものに「イメージと違うんです」と意見を言っていて。すごいと思ったし、一曲が作られていく過程を見られて勉強にもなりました。
――作曲の裏側はなかなか見る機会はないですよね。それと同じで、藤崎さんの衣装作りの企画も。衣装デザイナーはデザイン以上に作る技術が大事というのが分かります。
藤崎:衣装作りの企画は一年くらいお休みしていますけど、今年の生誕祭のときの衣装は自分で作ったもので、個人としては練習を続けています。また機会があれば企画でチャレンジしたいです。
――バラエティー企画では佐久間さんに大喜利を鍛えられています。初期の戦闘力をゼロとして、今どれくらいまで上がりましたか?
藤崎:じゃあ、マックス値を1000にしますね。いい? せーので!
日比野・齋藤:1200!
藤崎・佐々木・永松・高梨・夏目:400!
――割れましたね。
齋藤:私は手応えを掴むことが多くなってきて、限界と思っていた地点を超えだしている気持ちがあります。
日比野:私も同じ感触です。
永松:私はまだとてもそこまでは…。
藤崎:泣くことが多い…。
永松:だよね。青春高校組は頼もしいな。
日比野:ガンガン頑張ります!

■ 3年間の集大成となる1stアルバム、メンバー作詞作曲の新曲に込めた8人の絆
――3年間の集大成として、1stアルバムがリリースされました。どんな作品に仕上がったのか解説をお願いします。
高梨:まず、1stアルバムは収録曲と特典映像の違う3形態でのリリースです。どのタイプを取ってもラフ×ラフの今までの全てが詰まっている魅力的なアルバムに仕上がりました。ラフ×ラフは9人体制から始まっていて、その当時の曲は今の8人で聴いてもらうために録り直しを行っています。特典映像では佐久間さんのインタビューもあるので、佐久間さんファンも楽しめること間違いなしです。
――4曲の新曲についても教えてください。
高梨:「何満開」は、田村歩美(たむらぱん)さんに作詞作曲していただいた曲です。今のラフ×ラフの「頑張って立ち向かっている姿勢」が目一杯表現されていて、ラスサビの明るく元気に終わる感じがラフ×ラフっぽくていいとライブで評判です。
「On Your Mark」は、「Choo Choo TRAIN」の中西圭三さんの作詞作曲です。初めて聴いたとき、「これを私たちが歌うのか」とびっくりしました。今までの「面白い」「可愛い」「元気」といった曲とは違った、ラフ×ラフ初のロック調。アイドルソングには興味が持てないという方にこそ聴いてもらいたい曲です。
――「一期八会」と「消えたくなるほど君が好きだ。」は、佐々木さんが作詞作曲を担当した曲ですね。
佐々木:「一期八会」は、佐久間さんに「メンバーに向けた曲を作ってほしい」と宿題を出されて作った、みんなへの想いを込めて書いた曲です。「消えたくなるほど君が好きだ。」は、佐久間さんが「おじさんが女の子受けを考えて作るより、女の子が女の子の気持ちを作るほうが絶対にいいから。佐々木にはそういう曲を作ってほしい」と言ってくださったのがきっかけでできた楽曲です。

齋藤:両方ともすごい大好き。私、ふーちゃんが作ってくれる曲が大好きです。
佐々木:新曲4曲には学業で活動休止中の吉村萌南ちゃんは参加していないけど、やっぱり8人でラフ×ラフなので、そこをどうしても大切にしたいと思いました。「一期八会」の2番の歌詞は萌南ちゃんへのメッセージになっているし、私からみんなへのメッセージをギュギュッと、欲張りなくらい詰め込んだ楽曲です。
――「消えたくなるほど君が好きだ。」は女の子の気持ちとして恋愛ソングに決めたわけですか?
佐々木:ラフ×ラフになかったジャンルの曲って何だろう?と考えたとき、恋について歌った曲がなかったんですよね。唯一、メンバーへのドッキリアンケートで作られた「恋って線香花火みたい」はありましたが、一から作詞された曲とは違うので。私自身初めてのジャンルに挑戦してみたかったのと、女の子がカラオケで歌いたくなるような、女の子の揺れ動く感情を表した、私の思う「女の子がつい聴きたくなってしまう曲」を書きました。
――アルバムのTYPE-Bにはこの新曲も含め、ラフ×ラフの全23曲が収録されています。この中から「これがラフ×ラフだ」という曲を2曲挙げていただけますか。
夏目:はい、8人の総意として私が紹介します! 一曲目が「考える時間をください」です。パフォーマンスの中で大喜利をやる曲で、ラフ×ラフはバラエティーもできるアイドルだというのを一曲で伝えられる私たちの名刺代わりの曲です。対バンのときは必須で入れていて、この3年間とても大事にしてきた曲でもあります。
もう一曲が「何満開」。先ほど高梨が紹介したように今までラフ×ラフになかった楽曲で、表現の幅がぐっと広がりました。私たちに必要だったピースの一つだったと思います。「TIF×FNS歌謡祭コラボ企画」の決勝でも歌った曲で、特にパフォーマンスにこだわってきました。公式YouTubeにパフォーマンス動画が上がっているので、そちらもぜひ見てほしいです。
■バラエティーか音楽か? 佐々木に期待したい“ラフ×ラフの音”
――バラエティーと楽曲について聞いてきましたが、ここからさらにラフ×ラフが売れるためにどうしていきたいか、という考えは何かありますか?
齋藤:音楽面では、王道からロックまでバラエティーに富んだ曲が揃っているので、その色々な面を一つのライブで見せていければ私たちのカラーがもっと作れていくんじゃないのかなと思います。バラエティー面ではみんなの戦う気持ちがどんどん強くなってきているので、あとは自信を持つこと。そうすれば戦闘力はもっと上がっていくと思います。
――ちなみに、バラエティーで売れていきたいか、音楽面で売れていきたいか、考えたことがある方はいますか?
日比野:私はバラエティーかなって思い始めています。もちろん、アイドルとしてバズりたいですけど、佐久間さんの強みを借りるなら、私のキャラクター的にもそっちの方が現実味を帯びているなと感じています。
佐々木:(他のメンバーが迷う中)私は断然音楽です。というか、私はバラエティーには向いていないので、音楽で結果を残したいです。今アイドルになる子って、将来女優に、モデルにって、そういう夢を持ってこの世界に入ってくると思うんです。でも私はアイドルになりたくて、音楽をやりたくて今ここにいます。だから、もうゴールにはいるんです。あとはゴールを突っ切って、大袈裟かもしれないけど、アイドルとして格好いい生き様を見せられる人間になりたいです。
――佐々木さんはほぼ喋りませんが、意思は一番明確ですね。これから「ラフ×ラフの音」を作ってほしいと期待しています。
佐々木:曲ですか?
――「ハロプロっぽい曲」「AKBっぽい曲」と同じで、「ラフ×ラフっぽい曲」が分かる音、ボーカルの世界。ものすごく難しいことですが、今、しっかりした意思を感じたのでそう思いました。
佐々木:ありがとうございます。もっといい曲を作って、ラフ×ラフに貢献できようになります。

■3年を経て明確になった、メンバーそれぞれの4年目の目標
――ラフ×ラフ4年目の活動で、個人の目標としていることを教えてください。
夏目:ラフ×ラフのメンバーでバンドを組みたいです。小・中学生の頃から大好きで、バンドをやりたいと初期の頃から言っているんです。エレキが弾けて、楽器に触れることが大好きなので、これを表現のお仕事に繋げたいです。
藤崎:私は趣味のアニメ視聴をなんとかお仕事に繋げたい。コスプレも好きで、最近事務所の許可を得られたので、Xに少し載せています。これもお仕事に繋げていきたいです。
永松:私は演技です。佐久間さんが「やるなら朝ドラに出るぐらいになってほしい」と言ってくださったのが忘れられないので、オーディションも受けていきたいです。
高梨:私はYouTubeの企画でもやっていますが、株や経済を勉強中です。そこで有名なアイドルはまだいないので頑張りたい。佐久間さんに「やるなら極めろ」と言ってもらえましたし、資格取得も目指しています。少しずつお仕事に繋がっているので、「株のアイドル」として名を馳せたいです。
齋藤:ライブに通ったり、空き時間は配信やラジオで楽しんでいるくらいお笑いが大好きなので、賞レース番組に関われる人材になりたいです。もちろん、賞レースに出て勝ち抜くのも目標です。
佐々木:私はやっぱり音楽です。曲を作ったとき、レコーディングディレクション、ジャケットや衣装のコーディネートもさせてもらって、やってみて分かるメンバーのよさもありました。そうしたところをもっと発見して、メンバーのことを世間に発信していきたいです。
日比野:私は15年やってきて、周りから女優をやるといいよ、幅が広がるからとか言われすぎて嫌になってしまったことがあって。やりたいことを言わなかった自分のせいでもあるので、今は「何でもやります」と言っています。もともと器用なタイプなので、「全部やります」と言わせてください。
――ラフ×ラフとして、2026年上半期の目標を教えてください。
齋藤:一つは2月12日に開催する「アイドル天下一大喜利武闘会~Round3~」で二連覇を果たすことです。前回は延長戦がなかったら2位だったので、今回は断トツの完全勝利を目指します。そして、3月9日に開催するラフ×ラフの3周年記念ワンマン「ラフ×ラフ 3rd Anniversary LIVE」を絶対成功させます! 会場は今までで一番大きい、KT Zepp Yokohama(神奈川・横浜)です。満員になった光景を絶対見たいので、このインタビューでラフ×ラフに興味を持ってくれた方も、ぜひ足を運んでください!!
◆取材・文=鈴木康道

