マクラーレンのランド・ノリスに、MotoGPテストライドのオファーが届いた。オファーしたのは、かつてハースF1のチーム代表を務めていたギュンター・シュタイナーである。
シュタイナーはコンソーシアムを率い、2025年9月にMotoGPに参戦するKTM・テック3の完全所有権を取得した。2026年からの新体制では、シュタイナーがCEOに就任し、リチャード・コールマンがチーム代表に就任する予定だ。
シュタイナーはポッドキャスト番組『レッドフラッグス』に出演し、ノリスに対してMotoGPバイクに乗らないかとラブコールを送った。
「来年、我々のバイクに乗ってくれることを歓迎するよ。マクラーレンと同じパパイヤ色……いやオレンジ色だけど、とても似たカラーリングだよ」
そうシュタイナーは語った。
「彼が来てくれるなら、乗ることができる。何か方法を見つけるよ。彼にとっても、素敵なことだと思うけどね。まあ、ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシングのCEO)が、ランドがMotoGPバイクに乗るのを見て喜ぶかどうかは分からないけどね」
ノリスは以前から、バイク好きであることを公言。そもそも四輪レースに興味を持つようになるまでは、バイクレースに熱中していた。
「実は、バイクのレースがやりたかったんだ。それが僕の原点なんだよ」
ノリスは今年の8月、サウジアラビアのリヤドで開催されたeスポーツ・ワールドカップに出席した際にそう語った。
「乗馬もやっていたんだけど……大嫌いだった。四輪バイクも乗ったけど、父親が売ってしまったんだ。彼は当時、盗まれてしまったと言っていたけどね。でも危険すぎると思ったんだろう。それから、モトクロスにも進んだ」
「だからダートの上で行なうモータースポーツが大好きなんだ。モトクロスや四輪バイク……F1やロードレースを観るようになる前から、そういうのが好きだったんだ」
オフロードのモータースポーツが好きだというノリス。彼のヒーローは、バレンティーノ・ロッシであった。
「バギーや砂漠を走る乗り物は、僕にとっては『この世界で一番格好いいモノ』って感じだった。だから何よりも先に、バイクをやりたかった。僕の愛の多くは、バイクが最初だった」
「そして僕のヒーローは、バレンティーノ・ロッシだった」
なおノリスは、F1で使うパーソナルナンバー『4』を選ぶ時に、ロッシを象徴する『46』を使うことも検討したと明かしていたが、結局はランド(LAND)の『A』にも見える『4』を選んだと、F1デビュー当時に明かしている。
「僕は46番を使うこともできた。でも、真似をしたくなかったんだ。だから、自分のために選ぶことにした。だから、自分のロゴにとても合った、新しい数字を手にすることができた」
また今年のカタールGPの際にには、自分よりも先にロッシと共に走ったルイス・ハミルトン(フェラーリ)に嫉妬心を感じていることを明かした。ハミルトンは2019年に、ロッシとマシンを交換する形で、ヤマハのMotoGPマシンを走らせている。この時ロッシは、当時ハミルトンが走らせていたメルセデスのF1マシンをドライブした。
「凄く羨ましい。僕よりも先にバレンティーノと一緒に走れてるんだから」
ノリスは当時そう語った。
なお現役ドライバーでは他に、フェルナンド・アロンソが2015年と2016年のHonda Racing Thanks DayでホンダRC213Vを走らせた。2016年はマルク・マルケスとのランデブー走行だった。

